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2018年にやめたこと。

2018年にやめたこと、
それは「服を買うこと」。

私は服が大好きで、暇さえあれば百貨店や雑貨屋兼服屋、古着屋などに入っては服を買ってばかりいた。

・・・と書くと、おしゃれなんじゃないかと思われるかも知れないが、全然イケてないのだ。

これだけ街に繰り出して服を買っていたのだから、時が経てばおしゃれになると思っていたのだけど、一向にならない。

なんだか残念な見た目なのだ。

それは、似合うか似合わないかに関わらず、ただ本能の赴くままに着たい服を買っていたからだと思う。

家の中は服で溢れかえり、
リサイクルショップに持っていくも、
二束三文の値段をつけられ、傷ついて、
それでも、せっかく持ち込んだのだから、購入した時の10分の1にも満たない金額で売った。

売っても服は減らず、自己嫌悪に陥った。

「なんで私はこんな部屋で生活をしているのだろう。」

おしゃれになりたかったはずだった。
服を買っているときはあんなに楽しかったのに、なんだこの部屋は。

タンスに入りきらず、平積みになった服を見て、
「これは私のなりたい姿ではない」
部屋の真ん中でなんだか悔しくて泣けてきた。
30歳過ぎてるのに。

そんな時、こんな記事に出会った。

「1年間洋服を買わないチャレンジ」
向いている人、始めどき、進め方は?
(文藝春秋 CREAのウェブページより)

これはイラストレーターの松尾たいこさんが、ファッション断食に成功した記事だ。

松尾さんは打ち合わせ前に15分でも時間があればZARAに入ってパパッと買い物をしてしまい、ショップバッグを持って打ち合わせに行くこともあったほどの買い物好きで、服を買うことでストレス発散にもなっていたとのこと。

クローゼットはパンパンなのに着る服がなくていつも困っていたそうだ。

失礼ながら、ものすごく自分に似ていると思った。

私は合コンの前に服を買って、ショップバッグを持って待ち合わせ場所に行ったことがある。
一度や二度ではない。

また、
「はぁ、着るものないなー」
といつも困っていた。

「こんなに私によく似た人が成功したんだから、私にもできるんじゃないか?」
と思って、私もファッション断食をすることにした。

***

私のファッション断食のルールは2つ。

1 仕事着は買ってもいい

硬い業種の秘書をしているため、仕事で変な服は着られない。
だから、ジャケットやブラウスなどは買い足して良いことにした。

2 下着類、小物類は買ってもいい

下着類がボロボロだと運気が下がりそうだし、運気どころか下着自体が下がってきて下手したらズボンやスカートまで持っていかれかねないから、下着類や、靴下、タイツ、ファッションのアクセントになるアクセサリー等小物類は買ってもいいことにした。

あとは買ってはいけないことにした。

2018年の9月からファッション断食を始めたので、4ヶ月と少しだが、自分の中の気持ちの変化や、気づいたことがあるので書き出したいと思う。

***

1 似合う服、似合わない服が分かってきた

洋服地獄の中で、頻繁に着る服はほんの一握りだということが分かった。
あとはノイズみたいなもので、一回着たらもう着ないことがほとんどだった。
一握りの服は比較的自分に似合ってしっくりきたし、着痩せして見えた。
「着たい服」と「似合う服」はイコールではなく、「着たい服」の中には「似合わない服」がたくさん含まれていた。
服を買うことを禁止したことで、「着たい」という理由で手を出せなくなり、「似合わない服」がこれ以上手元に増えなくなった。

2 服屋はリトマス紙

服屋へは服を買うためだけに入っていたけど、ファッション断食を始めてからは、自分の決意の固さを確かめるために服屋に入った。
「もしかしたら、誓いを破って服を買っちゃうんじゃないか」
と毎回ビクビクしたが、「自分を変えたい」という気持ちの方が強くて、服を買うことはなかった。

3 着物はえらい

ちょっとおしゃれする場面で、洋服だと靴やらカバンやら髪型やらいろんな組み合わせを考えて、ひとつでも気に入らないと「もう、出かけたくない」絶望してしまうが、着物は型が決まっているし、帯を変えれば印象が変わるので、何度でも着回せた。
また、服よりも華やかだし、他とは違うし、お祝い事にはうってつけだ。

4 昔の服はモノがいい

ファッション断食始めてから、他の人の服を着るようにもなった。
主に母の若かりし頃の服と、兄のお下がりだ。
兄から20年ほど前のセーターを譲り受けたが、兄は吟味してからいいものを買う人なので、毛玉もできず、とても良い感じだ。
メンズだから、オーバーサイズなのだけど、それがまたこなれ感が出ていい。
また、母の若かりし頃の服はオーダーメイドだったり、個性的なデザインのスカートが多い。
上等の生地に丁寧な縫製がされていて、こちらは50年以上前のものだが、まだ着られる。
いいものは時を超えるのだと実感した。

5 「流行の最先端=おしゃれ」ではない

「流行の最先端=おしゃれ」なのではないと気づいた。
自分に似合う、自分の好きなものを星の数ほどあるノイズから見つけ出し、守ることがおしゃれなんじゃないかな、と思う。
「流行ってる」と聞くと逆に躊躇するようになった。

6 自信がついた

ファッション断食を続けられたので、自信がついた。
「私もやればできる」と誇れるようになった。
「どうせ続かない」
そうやって言ってくる意地悪な人もいたが、私はそう言われると逆に燃えるタイプなので、
「見ておれよ」の気持ちも相まって、続けられることができた。
えらいぞ私。
素直に褒めたい。

7 服を買わなくてもダサくなるわけではない

服を買わないとダサくなると思っていたけど、全然そんなことはなくて、ファッション断食をしていると、今あるカードで戦略を練るので、少しだけファッションセンスがマシになった気がする。
いままでは服を買ってはいたものの、「選ぶ」という行為はしてなかったように思う。
「選ぶ」ということをしてこなかったということは、決断をしてこなかったこと、責任を取ってこなかったということだ。
いままでの自分の愚かさに気がついた。

***

ざっとこんなかんじだ。
まだまだファッション断食は続いているので、またどこかで経過報告をしたい。

#日記 #エッセイ #ファッション断食 #松尾たいこ さん #まきぽん