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与える人。

ここぞというタイミングで、一番欲しい言葉をくれる人がいる。

ふわふわの綿のような優しさで、それでいて嘘がなく、温かくも力強い、まっすぐな言葉をくれる人だ。

気持ちや言葉の行間まで読み取ってくれる。

もしかしたら、実の親よりも感じ取ってくれているかもしれない。

柔らかく、爽やかで可憐なのに、しっかりと根を張っている、シロツメクサのような人だ。

その人から先日、誕生日プレゼントと手紙をもらった。

手紙の中には「私はいつも与えてもらうばっかりで」という言葉があった。

とんでもない。

「与えてもらうばっかり」は私だ。

彼女と一緒にいると、温めたミルクがお腹の中に広がっていくような、そんな幸せな気持ちになる。

間違いなく与えてもらっているのは私。

そのことを伝えたら、彼女は少し照れて、「与えているという感覚は全くない」と言った。

最も与えている人は、実は「与えていない」と思っている人なのかも知れない、と思った。

意識の外で、もっと言えば「ただ生きている」というだけで、人は人を救うことは、ある。

#日記 #エッセイ #20190513