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みんなきっと、見えない想いを抱えながら生きている

どれだけいつも元気に見えたとしても、苦労なく過ごしているように見えたとしても、人はそれぞれの過去を抱え、自分だけの闇と戦いながら、生きている。
たとえ人の頭の中を覗ける能力があったとしても、覗きたくないと思う。
いいことも、悪いことも、小さな嘘も、たくさん詰まっていて、それら全てを覗いてしまったら、その人のすべてを受け止めることは、たぶん出来ない。

最近、仕事では立て続けに人が辞め、休職者が続き、心が痛むニュースが続いている。いかに毎日「普通」に働くことが大変で、実は絶妙なバランスの上に立っていること、そして毎日ご機嫌に生きることがいかに難しいかを目の当たりにしている。「辛い」「しんどい」と叫べない人の多いこと。突然、身体が動かなくなってやっと、自分がしんどいことに気がつく人の多いこと。
一度心が疲れて、ベッドでずっと寝るだけの生活から抜け出せない辛さを知っているからこそ、「もう動けない」と思うまで頑張らないで、と思う。

組織で働いていて思うことは、誰しもに当てはまる対処法などないということである。それぞれの人生があって、仕事とは別の、知らない一面があって、頭の中がどうなってるかなんて、見えない中で、無責任にわかったフリなんてできないし、かと言って、余計なお世話も焼けない。構ってほしい人もいれば、放っておいてほしい人もいる。結局、本人がサインを出すまで、何も出来ないことが多い。助け舟をいつだって出してあげたいと、全員が思っているのに、それが上手く出来ない難しさである。

他人への気遣いは、誰が何を今思っていて、どんな状況にあるか見えないからこそ必要なのだと思う。もしかしたら今朝ペットが死んで、悲しみを隠しながら元気に働いているのかもしれない。もしかしたら最近彼氏と別れて胸が張り裂けそうなのに、表に出さずに淡々と仕事をこなしているのかもしれない。
コンビニで働いている人も、駅員さんも、ごみ収集車の人も、無職の人も、主婦/夫の人も、電車で隣り合った人も、街ですれ違う人も、みんなそれぞれいろいろなものを抱えながら一生懸命生きている。
だからこそ、話す人、ひとりひとり、わたしはその人の棘にならないよう、細心の注意を払う。放つ言葉ひとつひとつ、誰も傷つかないように。

みんな、見えない想いをそれぞれに抱え、必死に生きている。
すべての人にとっての「いい人」になることは不可能だけれど、どんな時でも最低限の優しさと気遣いを忘れないようにしたいと思う。

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