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孤独に歌う夜は来ない

ワタシは喋ることは好きだけど
自分の声はあまり好きじゃなくて。
低いんだよな、女の子なのに。

喋ることが好きなワタシは
人一倍寂しがりやで
1人の夜がどうしても嫌になるときがある
そんなワタシに1冊の本を送ってもらった。


町田そのこさんの
「52ヘルツのクジラたち」

まず一言で言うと とてもいい話だった。

主人公の過去と今とが分かりやすく時系列として
進められているので自分もその世界の中で
同じ時を生きていたかのような
登場人物と話をしているような感覚になる。

また登場してくる地名も
大分 北九州 別府 の3つで
あまりにも愛着のある場所だったので
場所や海や空などの情景もより浮かんで
読みやすかったのかもしれない。


ただ抱えるものが
多いお話だったようにも感じていて。

噂 虐待 ネグレクト 家庭介護 
DV   LGBT   認知症 自殺 

これだけのことが250ページぐらいの中に
ぎゅっと詰まっていたので
読み終わった後にちょっとした
気疲れのようなものを感じた(しんどくはない)
現代に蔓延るたくさんの問題を
登場人物の過去と今に絡めながら考える。

その中で共通しているなと感じた事は
何かしらの形でみんな自分を自分の心を
伝えようと聴いて欲しいと発信しているということ

言葉を使える人は言葉で
体が動く人は体で
行動で伝えたい人は行動で
自分の喜怒哀楽や愛情を表現して生きていて
その矛先ややり方を間違えてしまうと
何かしらの題名のつく問題になってしまう
こともあるという話なのではないかと考えてた。


そんな中で自分の心の発信を
どんな形でも表現できなかったり
伝えたくても相手に全く伝わらない
心の声が相手に聞こえない人たちもいて。

その人たちのことをこの話の中では
タイトルにもなっている52ヘルツのクジラたちと
表現されているのだけれど

周波数が違うから
気づいてもらえなくても
届かなくても
52ヘルツのクジラたちは
発信することをやめないらしい。

どこかに必ずいる
自分の発信を受け止めてくれる
魂の番がいるということを
クジラを通して訴えかけられる。

それが恋人なのか友達なのか異性なのか同性なのか
それは出会ってみないとわからないもので
そうじゃないと思ってた人が本当はそうだったり
そうだと思っていた人が本当はそうじゃなかったり。


読み終わったら自分を振り返る。
自分は誰かの心の声を聴けているのだろうか。
幼稚園の先生をしていた頃にたくさん出会った
周りとの違いに苦しむ子どもや保護者も
52ヘルツのクジラに当てはまるのかなぁ

どのくらい
心を澄ませて生きていけばいいんかなぁ
大切なことや物や人を見失わないように
差し出された心の声を受け止めて
離さないようにするには
どうしたらいいのかなぁ

なんて偉そうに言ってみるけど
まだまだワタシは自分の心の声を
発信してばかりだと思う
お喋りも相手がいて聴いてくれてるからこそで。

昔から福祉の仕事に就きたいと思っていた
気持ちが少しまた強くなって来ている。
挑戦しないと成功も失敗も経験もないから
やってみようと相談に行っているところ。

まとまりもなく
矛盾の多い感想かもしれないけれど
読んだ感想をきちんと綴れてよかった。

さ、おやすみ。
私もクジラの声聴いてから目を閉じようっと。

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