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勝手に読後レビュー【ホテルピーベリー】〜こういう旅行はしてみたいと思いますが〜

どうも、みことのは です。
11月は読みたい新刊の発売があまりなく、本屋さんがコメントPOPでオススメしてくれる文庫を手にとって読みました。

【ホテルピーベリー】。いろんな書店で推されていたので、気にはなっていました。なので、この機会に^^


まず、帯コメントが心を踊らせますよね。

『このホテルの客はみんな、嘘をついてる』

これだけで、ご飯2杯はいけます。食欲ならぬ読書欲が湧きます!実際、その言葉に偽りはなかったのですが・・・、結論から言うと、遅すぎました。何が?この作品がミステリーに【成る】のが遅すぎたように思えます。

そんな訳で今回は、小説【ホテルピーベリー】を勝手にレビューでご紹介。なるべくネタバレをしないように気をつけますが、ストーリーにも触れたりしますので、その点はご容赦下さいませ。

1、ホテルピーベリー その流れ


本作は、小学校教諭だった主人公が、仕事をやめ、友人の紹介でハワイに長期滞在旅行に行くお話から始まります。

・宿泊できる期間は、最大3ヶ月間。
・リピート宿泊はできない。

そんな変わったルールを持つホテル。その名もピーベリー。
そこで出会う人達と繰り広げるやり取りの中にだんだんと見えてくる謎。

登場人物全員には何かしらの背景があって、特に主人公には後ろ暗い、忘れたく逃げたくなるような過去があり、それを引きずりながら、自分自身をリセットするためにも、ハワイのしかも観光とはかけ離れた土地へ長期滞在しに来ます。

謎に触れ、嘘に触れ、見える景色が変わります。

2、読了し、率直な感想


あらかじめお伝えしておきますが、私は近藤先生の作品が嫌いなわけではありません。・・・こんな言い方はズルいですね。すいません(汗)

【シェフは名探偵】という映像作品も好きで、全話何度も観ています!ですが、今作【ホテルピーベリー】は正直ミステリーとは思えませんでした。

というのも、物語の半分くらいまでずっと、今作の舞台となるハワイの設定を細かく描写して話が進みます。世界観がわかりやすくてのめり込みやすいのですが、のめり込んだ所で、ミステリーは薄め。

約300ページ弱あるページ数のうち、嘘や謎が顔を出し始めるのが半分過ぎたあと。・・・折り返し地点からミステリーが始まっても、当然薄くなりますよね。仕方ありません。

しかも、話の軸にもなっているかのような【主人公の後ろ暗い過去】もミステリーに大いに関わってくるのかと思いきや、そんなに大きくは関わらず・・・。もちろん少しは話の流れに関係しているのでしょうが。

ちょっと、帯コメントと書店コメントにしてやられた感が否めませんね。書店員さんのコメントより低い自己評価なんて今までほとんど出会ってこなかったので、ちょっと残念です。

3、この小説から学べたこと


つらい事があった時、時には逃げる選択肢を自分に用意してあげるのも必要で、日本人である我々が【日本という人生から離れる】ことも必要で、そんな事を感じさせてもらいました。

しっかりと書かれていた前半のお話で、この小説の設定と同じような旅行?滞在生活?をやってみたいなぁと思える没入感は満足へと至りました。

そんな事を感じる小説です。
決して、ミステリーと思って読まないほうが良いかも。

ご興味あれば、是非。

では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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