なぜ野菜キャラクターは生まれたのか?
野菜クリエーターと呼べばいいのだろうか。長く仕事をしてきた料理研究家の中西しほりさんは、野菜を使ったキャラクターをたくさん生み出している。もともとはキャラ弁がお弁当界を席巻しはじめたころ、かわいい「ラップdeおむすび」や「かわいいお弁当の作り方」などの本を出版していた。主張の強いキャラ弁が主流になってきても、中西さんのそれは、子供に楽しく食べてもらえるよう、一貫してかわいい。
それがいつの間にかお弁当を飛び出して、キャラクターとして主張をするようになってきた。もちろん料理の横に飾られるピーマンだったり、料理の中にいる小さなトウモロコシだったりするのだが、彼ら(彼女ら?)がかわいいお目目でこっちをじっと見ていると、食べるのを躊躇してしまうーーなんてことはなく、やっぱりおいしいねと、優しく食べてしまう。
こんな野菜たちのキャラをなぜ思いついたのか、中西さんに聞いてみた。「(出身地である)広島時代、JAが提供する、生産者農家のがんばりを伝えるテレビ番組のナレーターをしていました。その番組で8年ほど、制作スタッフやJAの関係者、出演者の農家みなさんと一緒に、農業と消費者のつながりの大切さを熱く伝えてきました。
私たちは、日ごろ、スーパーで当たり前のように並んでいる野菜を目にしますが、この売り場に並ぶまでに、生産者のなんとも大変な労力や、葛藤、迷い、工夫、野菜への愛情や思いがあるのだと、この番組を通して実感するようになりました。野菜一つに魂がこもっていると思うと、茄子のヘタやピーマン、トマト、大根の葉もキャラクターに見えるようになり、食卓にそのメニューのキャラクターを作って出すようになりました」
そんなキャラを、せっかくだからもっと活躍させてみてはどうだろうと、一緒にいろいろ考えたのが、このシリーズ。次の作品も作成中です!