大根ってすごい!

 最近、家庭菜園のミニ版として、様々な鉢植えが売られているらしい。ベランダ菜園なんてのもあり、コンパクトな鉢植えに土が入っていて、小さいけど十分育てているという感じがする。STAY HOMEなんて言われている時期には、ぴったりかもしれない。

 でも、土とかちゃんと手入れをしないといけない気がするし、「手軽に」なって言われると、なんだか腰が引けてしまう。そう思うのは私だけじゃないと思う。そう思っていたら、例によって、昔、漫画原作用に実験していたネタの中に、いいものを見つけてしまった。正直、あんまりインパクトがないと思っていたので、記憶の底に沈んでいたのだ。

何もしないでただ水につけておくだけ

 見出しでばらしてしまったけど、野菜の切れ端をタダ水につけておいて、葉っぱが再生するのを観察して、それを食べてしまおうというネタだ。土とかいらないし、肥料も水やりもいらない。ある程度の年齢の人は、カイワレ大根という「何もしないで育つ野菜界」のスーパースターをご存じだと思うけど、それをほかの野菜でもやってみようと思ったわけだ。

その主人公を大根にしようと思って実験をすることにした。ついでにニンジン、カブ(「おいでよどうぶつの森」では私は全財産をつぎ込んで買います。有名になったけど本物を普段食べる人は少なそう)、ネギ、スーパースターのカイワレ大根、ひそかにカイワレの座を抜いたと言える豆苗を使ってみることにした。ここからは当時の企画書から文章を抜き出してみる。

(企画書) 登場キャラの一人が田舎から送られてきた新鮮な大根を持ってきた。葉は切られている。大根は根っこが白くなっていて、ココを食べるのも軽いうんちく。どうやって食べるか議論しているときに、生で食べてみようと持ち主が言い出す。一同、旨いのかと疑問。
 
ナイフ(包丁)を取り出してキレイに洗った大根を輪切りにし、さらに輪切りの皮を薄くむいて食べると辛く、厚めに切って食べると甘く感じる。出典は吾妻ひでお「失踪日記」なので、うんちくにするも良し。
 出汁で煮てほくほくと食べたあと、ひとりが切り取った大根の頭を取り出し、水を浸した皿に置いた。何をしてんの? とみんな驚くが、こうするとまた生えるんだよと答える。半信半疑だが、じゃあニンジンやカブとかもやろうと言い出す。ネギも植えてみる。昔流行したカイワレ大根も。で、毎日様子を見ることに。

 そうなのだ。吾妻ひでおさんの「失踪日記」が大好きで、そこにあった大根のうんちくを使わせてもらおうと思っていた。もちろん、吾妻先生の本を紹介するのもこの漫画のコンセプトには合っているはずだった。

実際に水をひたした皿に置いた写真はこちら

だいこん1

 1週間もしないうちにニンジンとカイワレが脱落。貝割れは水の入れ方とかによってはしっかり育つようだけど、僕は失敗しました。大根とネギはなんかが生えてきた。そして途中から豆苗を買ってきて追加する。

 本当に上手く行くのか? と首をかしげてしまう写真ではある。実際、いくつか脱落もしている。このネタ、やっぱり弱いかなと思い始めたが、数日たつと、少し生えてきたのだ! 写真は見えてはいけないものを消してはいるが、野菜自体はいじってない。なんか、もさもさしてないか?

大根2修正

 次の企画書の文にあるように、2週間もするとけっこう生えてきた。そこで、当然食べてみることにした。

 結局、2週間ほどで大根と豆苗が生える。豆苗はわさわさするほど。それぞれ葉っぱだけ切り落として食べてみた。
 大根は驚くほど大根の味がする。しかも辛め。新鮮な大根をかじったみたい。これで十分に旨いが、せっかくだから軽く炒めて醤油をかけてご飯にのせて食べてみた。大根の辛みが効いて抜群に旨い。豆苗はふつーに料理が出来る量だったので、そのままごま油で炒めておかずにした。こちらも旨い。
 で写真は、切り取ったところ。現在2回目に挑戦中ですがけっこう生えてきてます。なお、ネギは切る前ですがこちらもけっこう伸びてます。ネギも豆苗と一緒に炒めても良いかも。

 切り取った写真がこれだ。ネギなんて3倍くらいになった。ちょっと盛ったかもしれないが、この写真を見る限り、十分、みじん切りして薬味になるくらい生えていた。

画像3

 毎日、買い物に行けないつらさも、この野菜の生命力を観察すれば、吹っ飛ぶこと間違いない。ただし、2週間ぐらいかかるのは覚悟しよう。ああ、そういえば14日間様子を見るのが、大事なんだっけ(^^)

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