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「偉人伝ではなくノーラン作品」オッペンハイマー

オッペンハイマー

◇2023年
◇クリストファー・ノーラン
◇キリアン・マーフィ エミリー・ブラント マット・デイモン ロバート・ダウニー・Jr.

敵多き人生をど迫力映像で

みんな大好きノーランの最新作。
でも今回は日本人ウケは良くないのかな。
個人的にはドイツやソ連を悪役にしたアメリカ映画を腐るほど観てきたから、日本がどういう扱いされてようが今さらアメリカの映画文化に思うことはない。(でも日本と中国が混ざったような謎の誤った日本イメージが描かれるのは嫌)

伝記映画だと思って観ると非常にわかりにくい。
あくまで描いてるのはオッペンハイマーの半生であって、何を作ったか世界にどういう影響を与えたかについては薄い。
どこまで史実に基づいてるかは知らないが、予備知識は事前に入れない方が良い構成。

オッペンハイマーの成功と失態。そして対立。
とにかく対立構図が多い。露骨に悪くは描かれてないが、そういう評判だったのだろうか。
こんなにも壮絶な人生を送った人物とは知らなかった。

CGなしの迫力ある映像と音響はさすが。
モノクロシーンも特注のIMAXカメラで撮るこだわりっぷりだとか。
色んな意味で終わりに繋がるトリニティ実験のシーンは感動よりも恐怖を感じた。
間に合えばIMAXで観て欲しい。

アカデミー賞は歴史物が強いイメージがあるから、ノーラン作品の中で過去最高とも2023年の中で最高の映画とも思わない。
ただ、2023年に作られた映画で観るべき作品なのは間違いない。
「楽しんで」とは言わないが、映画として観て欲しい。

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