【句作_05】ほしめぐり
●2023
▼葉月
〆切と湿度に溺れ虫の闇
耳鳴りを響かせながら夜仕事
夜なべして溶ける若さと寿命かな
星飛んでみんな等しく雲の上
炎天下そしらぬ顔でドレミ歌
散るまでがワンセットの恋と芍薬
君づけで呼ばれ売られておにやんま
▼長月
夢うつつ空白のまま午前五時
彼岸花あの口ぐせを夢で聞き
穴惑 頭痛のようなドリル音
月すらも見れないまま乾く唇
ウーファーの誌情も籠り秋湿り
君の目に焦げた鍋底色の闇
▼神無月
何もかも上手くいかない大安日
秋の星チャックを上手に閉めれない
以上、「ほしめぐり」15句。