見出し画像

【句作_06】あきのはま

●2023
▼神無月

半袖に未練はあれど火の恋し

安寧を希い折る彼岸花

永遠の余韻残して星流れ

言葉尻齧り齧られウロボロス

咽び泣き紫煙立ち籠む苦い闇

恨み言送れぬままに長き夜

パケ死んだ子どもの目に映る紅葉

銀杏の実 競って拾うよく似た顔

歪でも香る花梨と横恋慕

巻貝の階段降り秋の浜

▼霜月
代官の蔦に群がる犬の海

そぞろ寒 布団の海に猫潜り

以上、「あきのはま」12句。