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「何も知らない」ことが強みになる
こんにちは。
森健太郎デザイン事務所の森です。
直近で同僚や家族と話をしていて、自分の強みについて再発見があったので、共有したいと思います。
「なんでお前はあの人たちの話が分かるの?」
私は普段、大学の教授と企業を相手にして仕事をしています。
難しいところもありますが、今のところ適性は十分にあると感じています。
ある日の夕方、事務方の同僚が話しかけてきました。
「森さんって専攻なんだったの?化学の先生も機械の先生の話もまとめてくるじゃない。なんで大学の先生たちの話が理解できるの?」
これに対しての私の回答は「理解してない」です。
文系出身ですし、ジュールだのニュートンなんかの単語が出てきた時点でトイレに行きたくなります。
私の仕事は大学の先生の研究内容を理解することではなく、それらを何に役立てられるかを言語化することです。
当たり前ですが、大学教授も化学メーカーもその分野の専門家ですから、具体的に詳細に研究のことを説明できます。
でも、私は何言ってるか分からない笑。なので、「何言ってるんですか?」ということを言い方を変えて質問しているんです。
先進的な研究や技術を抽象化することは、専門家でも難しいことなんです。
分からないから聞くしかない
基本的に開始20秒くらいから何を言ってるか分からなくなりますので、分からない項目や単語をメモしておきます。
コツは聞いて分からなかったことを質問形式でメモすることです。「ラジカル重合の何が問題なの?」「他の方法はないの?」のようにメモしていきます。
話の流れを切らないように、頃合いを見て質問を投げかけていきます。
質問項目を単体でぶつけるのではなく、理解できる範囲でストーリーを整理したものを確認していきます。
「○○社さんの課題と要望は☆☆で間違いないですか?期間はいつまでを想定されていますか?」という具合に全体像を整理します。
その中で「トリグリセリドが入っていると何の問題が発生するんですか?」のように素人の質問をガシガシ放り込んでいきます。
やりすぎると、「こいつこんなことも知らないのかよ。めんどくせぇな。」となるので、問題となり得る箇所に絞って聞いていきます。「しょうがないねぇ。教えてあげるよ。」というスタンスになってくれたらこっちのもんです。
知らないことに自信は持てない。だが興味は持てる。
上記のような流れで何も知らない私がストーリーを整理すると、部外者が見ても分かりやすい資料で情報を共有できます。
それらを見た人は、「元々この人は知識があったんだ」と思うらしいのですが、前述の通り分からないから聞いているだけなんです。
デザイン事務所で展開してる「Spell」でも似たような手法でヒアリングをしています。相手が問題にしている事や悩みやその地域における情勢など、私は知りようがありません。分からないから聞くしかないんです。
とはいえ、何の意図もなく質問を並べたてても、事実が羅列されるだけで、そこからストーリーは生まれません。
私と相対した人が望むものを明らかし、何かしらの手がかりをつかんでほしいと思っています。「Spell」でも他の仕事でも同じです。「私はあなたたちの力になりたい。そのために、めんどくさいかもしれないけど詳しい話を聞かせてくれ。」そういう気持ちで会話に臨んでいます。
もし私がその分野の専門家だったら、こうはなっていないのではないかと思います。何も知らない私にしかできない仕事だと気づきました。
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