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駆逐してやる‼︎ スネールの話

数週間前にホームセンターの園芸コーナーでヒメトクサとウォータークローバーの寄せ植えを購入した。メダカ鉢に沈めて置くだけで、なんかいい雰囲気を醸してくれる存在でありがたく感じていた。しかし、この寄せ植えが、大変な問題を引き起こしてくれた。

スネール。アクアリウム界の厄介者。昔からアクアリスト達の中では「地震、雷、ヒーターの熱暴走、コケ、スネール」と言った感じで非常に恐れられる存在だ。誰しも一度は経験しているであろう増殖の恐怖。見てみぬふりをすれば、水槽中が魚の世界から貝の世界に早替わり。駆除しようにも、水草や流木などの影に隠れていたり、ソイルや低床材の隙間に潜んでいたり、フィルター内部で増殖したりと、根絶させるのが非常に難しいケースも少なくない。

スネール
カタツムリや巻貝を意味する英単語『snail』をそのままカタカナで表記した言葉です。アクアリウムの分野においては予期せずに紛れ込んだり、発生したりした巻貝を指します。仮に水槽内で発生したとしても、害はほとんどなく、コケを食べてくれるなどメリットも存在しますが、異常に繁殖力が高く一旦発生すると、水槽内の至る所で見られるようになり、鑑賞性を低下させる有害生物と見なされています。

休日の朝にメダカ鉢の餌やりをしていたらスネールを発見した。えっ?一瞬戸惑いながらもピンセットでスネールをつまみ出した。何処から混入したのか考えたが、あの寄せ植えからだろう。以前にスネールで苦い経験を何度かしているので、水草を購入する時はトリートメントしたり、組織培養のものを使用していた。ただ、今回の寄せ植えは腰水程度で管理されていたものなので、まさかスネールがいるなんて想像もしなかった。買ってきたまま使用している。

スネールは1匹見たら100匹いると思え。

ちょっと大袈裟かもしれないが、1匹見かけたら、すでに複数のスネールがいると思って間違いない。スネールは雌雄同体で、かつ1匹でも増えるものが多いため爆増するからだ。とりあえず寄せ植えを出して、『水草その前に』でトリートメント。そして見通しの良くなった鉢の中を注視する。うじゃうじゃとスネールが見えた。

初日に回収したほんの一部ですが、悲惨な光景です。

駆逐してやる!!
この世(メダカ鉢)から1匹残らず。

と言った感じで、スネール駆除に勤しんでいます。メダカ鉢には低床に赤玉土を使用していて、毎日その隙間に隠れていたであろう個体が新たに見つかります。


スネールの駆除方法

①人力で取り除く。
②スネール捕獲器を使う。
③スネール駆除剤を使う。
④水草用コンディショナーや炭酸水でトリートメント。
⑤スネールを食べる生体を導入する。
⑥リセットする。

①人力で取り除く。
地道に一匹一匹取り除くやり方です。スネール発生直後であれば、確実に数を減らし、ノーリスクノーマネの素晴らしい方法です。ただし稚貝は小さいものだと1ミリ程度で視認しづらく、また取り逃がしがあると永遠に根絶できないどころか、増殖スピードが上回っていると時間だけ浪費してしまいます。

②スネール捕獲器を使う。
販売されている製品もありますし、ペットボトルで自作することもできます。餌でスネールをおびき寄せて集める罠的なアイテムです。使用した事はないですが、これのみで全滅させる事は難しいようです。手で取り除くのと併用で使うと、駆除効率は上がりそうですね。

③スネール駆除剤を使う。
他の生体に影響なく、スネールを駆除できる薬剤です。駆除効果は高いですが、バクテリアが増殖し活性化する事で酸素を大量に消費する為、水質が変わる可能性を含み、それによって2次的に他の生体への影響が出る場合もあります。きちんと水質チェックして管理できれば、リセットせずにスネールを完全駆除する事も可能です。
以前にカワコザラガイが大量発生した際に『スネールバスター』という製品を使用して撲滅できました。使用の際には強めのエアレーションが必須なので、フィルターと併用して2箇所でエアレーションを使用しました。(30cmキューブで)

④水草用コンディショナーや炭酸水でトリートメント。
感染対策は「持ち込まない」「持ち出さない」「拡げない」が基本です。スネールは多くの場合は水草から混入する場合がほとんどです。なので水槽に入れる前の段階でトリートメントしておけば、混入を防ぐ事が出来ます。『水草その前に』という製品が有名です。また炭酸水でもスネール駆除は出来るみたいです。どちらもつけて置く時間を守り、水草の性質に合わせて使用しないと、水草自体にダメージを与えてしまう場合もあります。

⑤スネールを食べる生体を導入する。
生体の中にはスネールを食べてくれる種類がいるので、それらを導入することも効果的とされています。
バジスバジス アベニーパファー スカーレットジェム等々。ただしエビとの混泳は難しい場合があります。キラースネールと言う貝を食べる貝もいて、こちらはエビとの混泳も問題なく出来ますが、スネールの駆除するスピードは遅いです。キラースネールはカワコザラガイ対策で導入した事はあります。駆除速度はゆっくりなので最終的にその水槽は薬剤で処理しました。見た目がカワイイので結構好きです。

⑥リセットする。
最終手段。水槽の器具を全て漂白し、低床は処分し、水草はトリートメント、生体は別の水槽へ引越し。ひとつの世界が終わりを迎えます。


夜な夜なカメムシの対応をしながら、スネールを探しています。メダカ以外にかかる余計な時間が増えてきて、ウンザリですが、早期発見早期駆除がスネール対策では大切なのです。メダ活が忙しくて水草水槽を止めたのに、まさかまたスネールの脅威を味わうとは思ってもみませんでした。

カメムシは駆除せずにリリースしていますが、スネールは高濃度の塩水につけて始末した後に燃えるゴミに出しています。自分の中の線引きとしては、自然から来たものに関しては自然へ。不自然からきたものは処分するという対応をしています。

タンクメイトとして入れているヒメタニシが稚貝を産んでいました。ヒメタニシは雌雄が揃わないと繁殖しないので、大きいタライなんかの容器に一匹ずつ入れています。何故繁殖しているのか理由は分かりません。購入時にすでに稚貝を持っている可能性はあるんですが、昨年の秋以降で購入していないので、その線は無さそうです。容器を確認しましたが、やはり大人のヒメタニシは1匹のみでした。春の一斉リセット作業の際に一時的に生体をバケツに移していた時にもしかしたら雌雄を同じバケツに入れていたのかもしれません。4匹のヒメタニシベビー達はそれぞれ15ℓ程の小さい容器に分けて入れました。

こちらは嬉しい誤算です。

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