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【勉強】クープマンモデルその①

こんにちは!

前田です。

今日も、私がいま一番興味があるテーマについて、まず私が学び(インプット)、引用し(シェア)、そのことについてコメントする(アウトプット)」という順番で記事を書くことで、私自身も、そしてこの記事を読んでくださっている方にとっても、学びや気づきにつなげていこうと思います。

今日のテーマは、「ランチェスター戦略」を学ぶ中で登場した「クープマンモデル」です。

(参考文献)
↓↓

1.なぜB29は戦略爆撃機といわれるのか
第二次世界大戦中、米軍は学者を徴用して作戦研究班(オペレーションズ・リサーチ・チーム=ORチーム)を編成し、戦争を科学的・数学的に研究しました。
コロンビア大学数学教授B.O.クープマンらはランチェスター法則に着目し、戦争の法則を数式化しました(クープマンモデル)。

ランチェスター法則は戦闘の法則です。
戦闘開始時の兵力数と武器性能により戦闘力が定まるというものです。
戦闘条件が終始変わらなければ問題ありません。
しかし、長期的な戦いとなると戦闘条件は時間の経過とともに変わります。兵力や武器弾薬、食料などの物資は生産され補給されます。
生産・補給の概念が戦争の勝敗に大きく影響するのです。

クープマンらは戦争力を敵軍と直接交戦する戦術力と、敵の生産・補給拠点を攻撃する戦略力とに区別して捉えます。
クープマンモデルは戦略力2、戦術力1の資源配分が最大の成果をあげることを導きます。
「戦略2:戦術1の原則」といいます。戦術よりも戦略がより重要だということです。

米軍は重い爆弾を長距離運び、敵の生産・補給拠点を攻撃できる戦闘機B29を開発しました。
B29は戦術爆撃をする戦闘機ではありません。戦略爆撃機といわれる所以です。原爆を運び、爆撃したのもB29です。

対する日本軍は、真珠湾攻撃で敵の軍艦を多数撃破しましたが、軍需工場や燃料貯蔵庫などの生産・補給拠点にはほとんど手をつけませんでした。
このため米軍は軍艦を修理することができ、6カ月後のミッドウェー海戦で日本軍を破るに至るのです。

日本軍は戦術力を重視し、戦略力を軽視していたといわざるをえません。
南方戦線では敵の戦術攻撃で戦死する兵士より補給不足で餓死・病死する兵士のほうが多い始末でした。
(引用元:https://sengoku.biz/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%81%AF)

ここで初めて、ランチェスター法則に「時間」という概念が登場しましたね。

いままで見てきたランチェスター法則は、極端に言えば、戦闘開始時の状態(兵力数と武器性能)によって、勝敗が決定されるということでした。

しかしこれは、現実の事象を正確に表現しているとは言えません。

なぜなら実際の戦いには、時間経過や戦局以外の要因も作用するからです。

法則やモデル、という言葉が使われていることから、物理現象に例えるとわかりやすいでしょう。
(注:分かりやすさを優先しています)

例えば、ニュートンが明らかにした「万有引力の法則」によれば、ボールを地球上で投げたとき、その初速度と角度がわかっていれば、最終到達点を「正確に」予測することができます。

また別の例として、台風進路予測や温暖化予測を行う手段として「気候モデル」という言葉もよく耳にします。
これは、気候という複雑かつ大規模な現象を、ある程度シンプル化・定式化することで、未来の天気を「ある程度まで」予測することができます。
(この程度のことを、そのモデルの予測精度と言ったりします。)

このように、法則とモデルの違いは、未来予測の確度・精度が異なる点にあると言えます。

法則は極論すれば、計算間違えしなければ、誰でも同じ結論や予測を導きだせるでしょう。

しかし、法則が適用できないような複雑系では、活用するモデルの優劣によって、予測に大きな差が生じます。
そのため、優秀なモデルを手に入れることは、職人が道具を大事にするかのごとく、重要なことだと言えます。

明日は、クープマンモデルを題材に、さらに掘り下げて学んでいきます。



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