見出し画像

入院中

起きたのはお部屋に朝食が
運ばれてきたときです。

コンコンとノックが聞こえて目が覚めました。

ベットから少し離れた
テーブルの上に置かれた朝食。
あそこまで辿り着けるのか…なんて思いましたが
身体は少し、ほんの少し回復していて
ちゃんと立てたし歩けました。
(亀より遅いすり足ですが)

でも円座クッションでも痛すぎて
座ることができず
立ちながら食べました。

朝食を終えて授乳室へ。

たくさんのお母さんたちがいて
小さな赤ちゃんに母乳をあげていました。
自分より何倍も大人に見えました。

さて我の子は一体どこだろう…と
ヨロヨロしていると助産師さんが
ちょうど沐浴をしようとしているところでした。

どうせなら見学をさせてもらいながら
昨日よりまじまじと見た我が子は
私に似ているような気がしました。

沐浴を終えていよいよ授乳です。

産まれた直後におっぱいを
吸わせてみてはいましたが
いざちゃんと飲ませるのは初めてです。

今でこそパクっとくわえられますが
まだ産まれたばかりのこの時は
おっぱいをくわえさせるまでに
5分も10分もかかりました。

そりゃそうです。
赤ちゃんも私も初めてなのです。

助産師さんに助けてもらいながら
なんとか授乳を終えて
次は粉ミルクを作ります。

人肌に冷ましたミルクを作り
そぉっと赤ちゃんの口元へ。

そんなこんなで1時間が過ぎました。
おむつを変え、母乳をあげて
ミルクを飲ませて、ゲップをさせる。

これを3時間おきに行います。

我が子を授乳室へあずけ
次はお股の傷やらの検査に行きます。

入院中って割と忙しいです。

赤ちゃんのお世話の合間に
ミルクについて学ぶ講座を受けたり
沐浴を学んだり、自分の身体の検査があったり
何も知らなかった空っぽの頭に
次々入ってくる新しい知識を瞬時に理解して
すぐに実践するのです。

私の産院は母子同室が基本のため
どれだけ身体がボロボロでも眠たくても
朝も昼も夜も小さな命と向き合う緊張感。

母乳が出てくるようになれば
眠れないほど痛むおっぱい。
トイレやシャワーのたびに目に入る大量の血。
痔になったり傷が痛んだりして
痛み止めの薬が欠かせないし
痛くないと聞いていた抜糸はとても痛かった。

出産で痛い思いしたのに
出産を終えてからも痛いことだらけ。

こりゃ母親は強くなるわけだ。

入院中に仲良くなったお母さんたちに
私は何度も心救われました。
同じ悩みを共有したり不安を話し合ったり
同じ生活を同じ環境でしている人がいると
頑張れました。


そんなこんなで入院生活も終わり
いよいよ退院する時がやってきました。

明日からは助産師さんがいないと考えると
大きな不安がありましたが
やっと家族に会えると思うと嬉しくて嬉しくて
久しぶりの外に喜ぶ私なのでした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?