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◤ノルウェー・トロムソ◢ 太陽について考えてみた。[#29]

段々と日が長くなってきた。
6時頃に起きて窓を開けると、風や匂いにはまだ冬が残っているのに、空は白みはじめていて春の訪れを知らせている。
濃紺の空から薄い青色やグレーへと。ピンクや紫が混じる朝焼けも。
脳と身体が一気に目覚める。

わたしは、「秋分の日」が過ぎると日が短くなるからテンションが下がり、「冬至」を過ぎると日が長くなるからテンションが上がる。
だから、今のこの時期はわくわくして、まるで冬眠から目覚めようとしているかのよう(真冬の間は本当に冬眠しちゃいたい…)。

キャンドルやランプの灯りだけで過ごす夜も好き。でも、日が長いと活動時間も長くなってなんだか得した気分になるから、やっぱりお昼が長いって好き。

陽が昇らない街「トロムソ」

太陽のパワーは偉大。
それを痛感したのは、北欧・ノルウェーのトロムソを旅行した時だった。
北極圏にあるトロムソでは、冬の間(12月~1月)、「極夜」と言われる一日中太陽が昇らない時期がある。
わたしが訪れたのは11月中旬だったため、極夜の少し前。

朝9時過ぎ。まだ薄暗い。
13時過ぎ。太陽はもう沈みかけ。
15時30分ごろ。もう夜。

この日の日の出は8時30分、日の入りは14時30分。
空が明るくなったと思ったら、すぐに夜の帳が下りる。
日の出後も晴天ではなかったので、なんだか一日中どよーん。

3泊4日の滞在だったけれど、体内時計が狂うのを実感し、時計と頭と身体と心、全てがちぐはぐになった。
せっかく旅行に来ているのに、気持ちが滅入ってしまって、「ホテルに戻ろうかな」なんて思ったりもした。

幸い、夜(19時~23時ごろ)にオーロラ観賞ツアーに参加したため、生活リズムが崩れるまでには至らなかった。

夜空に揺れる、光のカーテン。
まるで空が爆発したように、一気に明るくなった。

その後、デンマークに移動すると、あんなに滅入っていた気持ちはどこへやら。
太陽が昇り、沈む。そんな自然の営みに感謝した。

太陽に生かされている

日本に住んでいると、時間の差はあっても、太陽が昇らない日はない。
どんな暴風雨の日だって、分厚い雲の向こうには太陽がある。
それが当たり前だと思っていたし、その恩恵を実感することは少なかった。

しかし、(ほぼ)極夜を体験して、太陽にどれほどのチカラをいただいていたのかを思い知らされた。
「あ、太陽に生かされていたんだな」。
動植物だけではなくて、わたしたち人間も太陽があるから生きているのだ。

太陽は見返りなんか求めず、ただただ光と熱を放ちつづけている。
そして、そのチカラに満ちた地球。
その地球に生まれた。それだけで素晴らしいこと。


ノルウェーの人たちは、私たちより太陽のありがたみを知っているし、長い冬の楽しみ方を熟知している。
そんなノルウェーを教えてくれる本。

キリっとした空気とともに、しーんっと音が聞こえてくるような、そんな冬が好き。
でもやっぱり太陽に照らされて、エネルギーを蓄えたい。
春はもうすぐそこ。

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