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ダニングクルーガー効果は悩める人の味方?


ダニングクルーガー効果について書きたいと思います。


聞き慣れない言葉かもしれませんが、私が初めてこれを聞いた時は、この言葉が世間に広まれば、沢山の悩める人達の強い味方になるのではと感じました。何故そう思ったかは、おいおい書いていきます。


1、ダニングクルーガー効果って何?


まずこのカッコいい名前の効果ですが、どんな効果かというと、

能力がある人ほど能力がないと思い
能力がない人ほど能力があると思う

という効果らしいです。
まるで親戚のおじさんが、酔っぱらいながら話す格言みたいな感じですが、これをきちんと検証して証明したのがダニングクルーガー効果です。

調べるといろんな表現というか解釈があるみたいで

出来る出来ない
頭が良い悪い
実力があるない

等々いろいろあるみたいです。
私的には能力という言葉が一番しっくりきたので、能力という言葉をあてはめてみます。

2、ダニングクルーガー効果あるある

このダニングクルーガー効果を意識しながら生活していると、身近なあらゆる所で目にします。

例えば
能力がないのに能力があると思っている、入社三年目の若い社員がそこそこ仕事を覚えてきたころ、自分はどんな仕事もこなせると勘違いしてしまいます。


この会社は自分がいないとやっていけない、この会社ではもう学ぶことはない、もし別のどんな会社に行ってもやっていける・・・


こんな人いませんか?
もしくは若かりし自分が、こういう風に思っていませんでしたか?


逆に、能力があるのに能力がないと思っている、勤続二十年のベテラン中間管理職くらいになると、自分なんてまだまだ、すごい人もたくさん知っている。

まだこの会社の仕事の半分も理解出来てない。他の仕事なんてめっそうもない・・・


と謙虚な考えになる人もいます。

こういった現象がダニングクルーガー効果の一つだと考えられます。

他にも、


プロと呼ばれる人に、アマチュアが威勢良く挑戦して負けてしまう。
何かに成功して、自分は何でも出来ると思い畑違いなことに挑戦して失敗する。


等々、テレビやアニメ、YouTubeのネタでよく見掛けるシーンですが、これらもダニングクルーガー効果と言えます。

身近なパターンだと、
車の運転なんかは、運転が下手な人のほうがスピードを出して、上手い人のほうがスピードを出しません。


下手な人は危ない交差点や、急ブレーキした時に対応できるかという想像が軽いので、スピードを出します。
上手い人は危険と思う箇所も多く、いつでも対応出来るようにしているので、あまりスピードが出せない、

といった感じです。


3、ダニングクルーガー効果の仕組

では何故こういった効果、現象が起きてしまうのか、私なりに考えてみました。
この効果の大きなポイントは、自信と見誤りだと思います。


先ほどの若手社員とベテラン社員の話で例えると、その会社の全ての仕事を100とします。


若手社員はおそらく20~30くらいの仕事は出来ると思うのですが、それを100と見誤ってしまいます。


その為、自信過剰な言動になり、実際に50~60出来る人からしたら、ビッグマウスと思われてしまいます。


その会社の仕事を把握してない、把握する能力が無い為に起きてしまう現象です。


さらに、他の会社が300の仕事があるにもかかわらず、把握出来ないが為に、その300もこなせると思ってしまい、根拠の無い自信が発生してしまいます。


この若手社員にとっては自分の知る30までの世界がMAXなので、100だろうが300だろうが、何でも御座れとなる訳です。


その逆のベテラン社員はというと、70くらいの能力があるのに、20くらいと勘違いしてしまいます。

こちらも正確に自分の能力を判断出来てない為に、自信を無くし、慎重になりすぎたりします。この場合、本当の100の仕事を200や300くらいに考えているのです。


自分の能力を悪く判断するというよりは、100で済むことを、それ以上に考える能力があるので、自分を低く感じざるをえないといったイメージです。


いくら70出来ていても、全体を200と思っていたら、それは100のうちの35になりますから。


4、ダニングクルーガー効果を利用する

さて
ここで、この二人に50の仕事を与えてみたとします。

若手社員は、そんなの余裕と簡単に引き受けてしまうでしょう。

しかし実力が付いていかないので失敗し、回りに迷惑をかけることになります。

ベテラン社員のほうは、本当は出来る能力があるのに、無理ですとその仕事をやりたがらないでしょう。

あれこれと無理な条件を並べて、慎重になりすぎて上手くいかないかもしれません。


ここで大事なのは、仕事を与える上司の能力です。

一見、若手社員はやる気があり、会社に貢献する良い社員。ベテラン社員はやる気が無く、貢献出来ない駄目な社員になってしまいます。


結果、上手く仕事が進まない事態になってしまいます。
こういった場合に、このダニングクルーガー効果を上手く利用しながら社員を観察することが出来れば、本当の部下の能力を把握することが出来て、仕事も上手くいくかもしれません。


仮に、自信満々な新入社員と、消極的な新入社員がいたとします。


ほぼ100%と言っていいくらい、自信満々な新入社員のほうが、評価されるでしょう。


でもそれは、本当の能力に対しての評価ではありません。


最初の1~2年は自信満々な新入社員のほうが仕事をこなせるかもしれませんが、5年くらいたつと消極的だった新入社員のほうが、いろいろ仕事をこなせるようになっている、なんてことはないでしょうか?


これも、上司が部下の能力を見抜いて、平等に育てることをやらないと、後で自分の首をしめることになります。


自信がある言動を鵜呑みにすると、その自信は見誤ってるだけかもしれないのです。逆に消極的な人のほうが、会社全体を把握して、先を見すぎて消極的になっているだけかもしれません。


自信過剰や消極的といったことが、本来の能力からきてるものかどうか、ダニングクルーガー効果をふまえて見たほうが、後々良い気がします。


5、ダニングクルーガー効果の長所・短所


それでは両者の長所と短所を、簡単にまとめてみました。
今のところ、能力がないのに能力があると思う人のほうがイメージが悪くなってるかもしれませんが、そんなこともありません。


お互いに長所と短所があります。

まず、
能力がないのに能力があると思う人の長所

積極的

緊張しない

初めての事でも臆さない

成長が早い

意外とすごいことをやっちゃう


短所

検討違いなことをする

失敗に気付かない

自分より出来ない人に厳しい

見切り発射する


能力があるのに能力がないと思う人の長所

謙虚

危険予知が出来る

出来ない人に優しい

準備万端


短所

実力を発揮出来ない

消極的

無駄が多い

成長が遅い

取り越し苦労


とまあ、こんなことが予測出来ます。身の回りの人、または自分自身にあてはまることはないでしょうか。


出来ない人に対して優しいとか厳しいとかというのは、その人の性格にもよるので、ダニングクルーガー効果とは別の問題もあります。


これはあくまで経験上の統計なので、そう思われる人が多いということです。

とくに、意外とすごいことをやっちゃうというのは最大の長所と言えます。


じゃあ、すごいことをやっちゃってる人は皆能力がないってことになるのか?


と文句を言われそうですがそうではなくて、それは結果を含めての長所だと考えます。


能力があっても消極的になって何も出来なければ、それは結果能力がないのと変わらないからです。


6、ダニングクルーガー効果は悩める人の味方

始めに~味方?と書きましたが、
おそらくベテラン社員タイプ、つまり能力があるのに能力がないと思ってしまうタイプのほうが、苦労や嫌な思いをされてるのではないでしょうか。


考えようによってはですが、例えば育児に悩んでいる主婦の方がいたとします。


悩んでいる時点で、育児なんて余裕と思っている主婦より、育児の能力が高いと考えられます。


大変なことや、難しいこと、無理と思うようなことを予測出来る能力があるのです。


先程の数字に例えると、本当は70くらい育児が出来るのに、自分は20くらいしか出来ないと考え、理想の100がほど遠く感じてしまいます。


結果、疲れはててしまいます。


真面目なタイプが育児ノイローゼになるのは、こういった仕組があるのかもしれません。


もしそういう人がいるなら、70ある能力を半分くらい、40くらいにしてみてもいいと思います。


半分くらい手を抜いて、半分くらい失敗しても気にしない。半分くらい上手くいかなくても仕方ない。


そう思うくらいで丁度いいのです。


何故なら、70を半分に手を抜いても、自信満々に育児をしている本当は30なのに100と思っている人よりも、出来ているからです。

それをダニングクルーガー効果が証明しているからです。


外国の頭の良いダニングさんとクルーガーさんが、それを検証して証明して、イグノーベル賞の文学賞を受賞しているからです。

とまあ、少々強引なこじつけかもしれませんが、こんな考え方、解釈もありだと思います。


まだ世間にダニングクルーガー効果はあまり浸透してないと思いますが、この効果や考え方が広まれば、こういった悩める主婦や、能力がないのに威張っているような、上司の元で働く部下の味方になるかもしれません。



長々とダニングクルーガー効果について書きましたが、この仕組を考えていると、似た考えの言葉がいくつか思いあたりました。


井の中の蛙、大海を知らず
知らぬが仏
恐いもの知らず


共通して「知」という言葉があります。
知らないということに対して、昔からいろいろと考察されてきたみたいですが、これをダニングさんとクルーガーさんが、きちんと証明されたということでしょうか。


最後に


ここまで読んで頂いた方は、もしかしたら気付いているかもしれません。


客観的に能力があるとかないとか決めつけて、あれこれ書いてる私自身が能力がないと、ダニングクルーガー効果が証明しているということを・・・。

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