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英語学習者でフリーランスデザイナー、初めてのアメリカとFigma Config 2020で個人的に奮闘した話 - 4日目 その 2 SF MOMAとYBCA



サンフランシスコ滞在3日目と4日目。
2月8日(午前)と2月9日午後は、SF MOMAとイエルバブエナガーデンズ視覚芸術センターを巡った。
どちらも特に勤めるスタッフが素晴らしい美術館であり、私の滞在が良い思い出となったのは、この2つの施設での体験が間違えなく大きい。
ので、諸々記しておきたい。

チケット購入から入場まで- SF MOMA

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一般的な滞在時間は1時間から2時間だが、私はスクリプトを全部読んで回ったので、所要時間5時間だった。
入り口を抜けると、向かって左がクローク・売店。真ん中の階段をあがるとチケット売り場なのだが、ここで係の人が注意事項を説明してくれる。私はリュックを持っていたので、前にかけるかクロークに預けるように言われた。

階段を登るとすぐにチケットが買える。25ドル。4回以上いく人は年パスを買うのがおすすめ。
チケット売り場で待機してたらご婦人がいきなり横入りしてカウンターでチケット買ってる女性の元へ。友達が先に購入してるのね、と思ったら、いきなり踵を返して、私に事情を説明し始めた。(気にしなくてもいいのに、礼儀正しい人だなあと思いつつ)問題ないですよ、といったものの、続く。止むを得ず、ビッグスマイルを付け加えたら、やっとご婦人もにっこり、納得してくれた。
このやりとりを見てた係員は満足げで、私がチケット買うときも対応がよかった。

アメリカは表情が大事なんだなーと思った。能面ジャパニーズにはつらし。

チケットを購入し(現金・クレカいずれでもOK)、少し先に進んだところでスキャンリーダーを持つ人にチケット掲示。そこから先は作品が出迎えてくれる。


近代・現代アートの傑作とゆっくりと向き合える- SF MOMA

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SF MOMAは、7Fまであり、近現代のアートの傑作に触れ合える場所だ。メジャーなところではアンディ・ウォーホル、マークロスコの作品を白を貴重とした空間でニュートラルに見れる。

また、アクセスしやすい2F・3Fでは現代気鋭の作家の作品もふんだんに見ることが可能だ。特に現代作家の作品は問題提起や思考プロセスに一石を投じる作品が多かった。

また、普段の仕事にも役立つ示唆を与えてくれるミニマリズムや抽象画の展示が多かったことだ。先ほどあげたマーク・ロスコやソル・ルウィットのウォールドローイングなどがふんだんに見れた。

ディスクリプションは、TOEICよりも英検準一級・一級まわりの語彙を把握してれば、詳細まで、語彙が仮になくてもわかりやすい文書構造だったため、大枠は捉えることができる読みやすいものだった。


人・アートとの良質な雰囲気を作るための努力- SF MOMA

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SF MOMAに来て、緊張感から解放された気がした。時期もあったと思るが、東洋人が多いといわれるサンフランシスコでも中心街を歩くと目立つ。2度見されることもあった(汗)街の空気は日本ほどゆるくない。パスポート・スマホ。身の回りのものへの警戒心は解けなかった。

MOMAは観光地なせいもあるのか、グッと東洋人の割合が増える(それでも少ないけど)。週末も敷地が大きいせいかゆっくり見られし、客の間でのスペースの譲り合いも可能だった。
理由は掴めなかったが、展示構成がまとまってるせいで、全体的にとてもまわりやすかった。

所々には係員の人が監視を兼ねているが、作品を見てるとスッと離れてくれる。黒子に徹してくれてるのでストレスなく作品を鑑賞できた。

「作品に触るな!」突然、係員の人の大きな声が響き渡った。
振り返ると、若い女性と口論になっている。
この女性、作品に接近する距離でパントマイムのような動きをして、目立っていたので印象に残っていた。
女性は、なぜ作品に触ってはいけないのかと喚き立てていた。係員の人も負けじとやり返してる。そろそろ何を言ってるのかわからなくなってきたところで、私の近くにいた制服の警備員の人が無線で連絡を取り始めた。
問題ないと言っている。
口論は聞こえなくなったが、日本だとこうはいかないなと思った。

美術館内の安心できる空間は、こうした人の努力で均衡を保っているのだなと思った。


もてなしが心に残ったレストラン、カフェ、ショップ - SF MOMA

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SF MOMAにはレストランが2店舗・カフェが1店舗ある。
1Fのレストラン In sitsu・2FのカフェSightglass・5Fのカジュアルレストラン Cafe 5だ。私は2Fと5Fに行った。

Sightglass

2Fの空中廊下にあるのがカフェSightglassだ。席数は少なく、椅子も少ないので、パッと飲んでいく雰囲気。美味しそうなスイーツもあったが今回は見送り。


私はカフェラテを頼んだ。現金もカードもOK。
チップ用の大きなボトルが置かれてるので、そこに1ドル入れたら、異様に喜ばれた。注文終わった後、両手をあげてたので何か目標を達成したんだろうか。

ラテは出てくるまでに時間がかかったけど、オープンスペースで作っていたので、丁寧な仕事ぶりが見えてよかったし、すごく美味しかった。アメリカのラテは4回飲んだが、こことホテルのラテは超絶美味しかった。また飲みたい。

Cafe 5

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5Fの端に位置するカジュアルレストラン。テラスがあり、カリフォルニア料理が楽しめるという触れ込み。

入り口は1直線なので、いやが応でも入ってきたのがわかる。私の時は、マダムが迎えてくれた。おすすめのメニューと注文の仕方を丁寧に教えてくれた。
素直におすすめのハンバーガーを注文。アメリカといえばレモネードなので付け加えた。オーバー2000円!おお、さすが物価2倍と思った。

現金・カードOK。ここもチップは大きなビンがあり、必要あればそこに入れる。人にもよるのだが、チップは注文中に入れるのがいいのかなと思った。(すごい注文中すごい不機嫌だったのに、チップいれたらすごい驚いてたので。どうせならお互いいい思いをしたい派)

ウエイターの人がバーガーを運んできてくれて私は固まった。すごい大きい。容積がレモネードと変わらない。

気合いを入れて食べたが、バーガーを1/4ほど残してしまった。
下げてもらえるようお願いして、再度鑑賞に戻ろうとすると、ウエイターの人がすごい顔で私を見てる。理由はほどなくしてわかった。

出る途中、さっきのマダムに声をかけられる。
「みんな、あなたを見てたわよ」と言われ、マナー違反か!と思って謝って理由を聞くことにした。異国の地でプチ反省会である。

「シマシマの素敵な服を来た女性がモリモリと大きなバーガーを食べてると(エクスキューズが多少入っているので、ママ訳)それを見て注文した人も多いわよ」

「(いや、バーガーはあなたに勧められて頼んだのですが)何かやらかしたと思ったのですが違うのですね、良かった!」

少し立ち話をして、日本から来てることや、日本人街のことを教えてもらったりして、異様に歓迎ムードを出してもらって嬉しかった。こういうの、いいですよね。ぼっち旅が上向いた瞬間だった。

ショップ

SF MOMAのショップは、1Fの入り口、たぶん2F、そしてサンフランシスコ国際空港にある。1Fが一番大きく本、食器などの大物グッズも取り揃えている。2Fは小さめ。国際空港は1Fと2Fの中間くらいだ。

2Fはワンオペだったため、店員とレジで軽く言葉を交わした程度だったが、1Fや国際空港は客と店の人が楽しく会話をしていた。
国際空港では私は本やおみやげの補充をした時にだいぶ色々話せて楽しかった。

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上は付箋。今お世話になってる会社のUXデザイン部におみやげにした。UI/UXといえば付箋。
下は鉛筆風ボールペン。いろんな色があり、ごっそり買って店の人に苦笑された。けど、グリップ感も良く好評で良かった。
ちびっこは手品のようと感激してたのもポイント高め。
ストアはアイデアに富んだ使いやすい商品が多いので、正直ここを見るだけで1時間は入り浸れる。

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空港内の書籍コーナーには原研哉氏と柳宗悦氏の本が飾られていた。

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自分の土産は、空港で見つけたこの本。UIやグラフィックデザインの方もそこそこにあったが、最近のもので日本であまり出回ってなさそうな本を買った。



イエルバブエナガーデンズ視覚芸術センター(YBCA)


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MOMAのすぐ向かいにあるYBCAは、日本人の建築家、槇文彦氏の手によるもの。YBCAはイエルバブエナ公園の中に建っており、MOMAほど大きくない平面的な2F建ての建物で、公園に見事に調和していた。

入場料は10ドル。週末なのにまさかの貸切状態。
ここでもマダムが構ってくれたので、楽しく過ごす。
MOMAよりも展示規模も小さいので、1時間位で見終えた。

THE BODY ELECTRICという展示をやっていて(1週間の会期延長があった模様)、テクノロジーの変遷が人にいかに影響を与えたか、というテーマだったのですがMOMAに比べ、男性社会にも絡めてたので、ディスクリプションもちょっと難解だった。

どちらかというと展示にすごく力を入れてるというよりも、バレエや舞台芸術の上演・コンベンションセンターに力を入れてる印象だった。アップルがここで新作発表をしたこともあるようだし。そういうタイミング狙って来た方が良いのでは、と思った。



サンフランシスコのアートスペースはオープンマインドに溢れる良い場所


双方での鑑賞を振り返ると、展示物の素晴らしさはもちろんだが、そこで働く人のおもてなしのお陰でとても印象に残る美術館訪問になった。

また、次行く時はアートや作品や人の創造性に触れられる旅にしたい。
きっと心が豊かになるはずだ。

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