78話 ネットの出会いだけに、勘ぐってしまう

ネットでの婚活。
H目的の人にも出会うことがあります。

だから、相手の言動によって、勘ぐってしまうことがよくあります。

ネット婚活を再開して、出会ったちょっと年下のエビさん。
スキンヘッドで頭だけ市川海老蔵な感じ。

やはり相手からのいいねで、
メッセージのやり取りを始めて、会うことになりました。

渋谷で会うことにしたのだけれど、
「何が食べたいですか？」と聞かれたので、
「タイ料理」と答えて、探してくれたお店。

事前に店の情報を送ってくれたのだが、
「円山町にある店です」とのこと。

え！円山町！
いや、いいんだけど、円山町か！
渋谷の円山町と言えば・・・
ホテル街ではないか！

別にそういう意味はないのかもしれない。
円山町にも飲食店はいくつもあるだろうしね。
たまたま、探した店が円山町だったんだろう。

だがしかし！
ネットでの出会いだけに、勘ぐってしまう。
この人、もしや、そういう目的？？？

そんな疑惑を持ちながらも当日。
渋谷のユニクロの前で待ち合せ。

初めて会ったエビさんは、
思ったよりもガタイがよく、
スキンヘッドなこともあり
一見、怖そうだったものの、物腰やわらか。

「さあ、行きましょう！ここから７，８分歩きます」
と、円山町のお店へ。

Googleマップを見ながら、店に向かうエビさん。
行った事がある店なのかと思ったら、初めて行く店らしい。

なぜ円山町？
駅近くの店で良かったんじゃ・・・・

エビさんは、円山町がホテル街と知っているのだろうか？
店が近づいてくると、
当然、ホテルもあちらこちらに見えてくる。
だって、ここはホテル街。

そんな場所を男女二人で歩くのがちょっと気恥ずかしい。
だがしかし、店を探すのに一生懸命なエビさんは、気にしてない様子。

やっぱり、選んだ店がたまたま円山町だったのかな。
すると店を探して、キョロキョロしていたエビさん。

「あ、すみません。こんな場所で。
ホントに店ありますからね！」

エビさんも実は気まずかったらしい(笑)
そして、数分後、店にたどり着きました。

「エスニックが食べたいというので、ここにしました！
どうです？」

というのだが・・・・

えっと、私、「何食べたい？」って聞かれて、
「タイ料理」と答えたのだよね。

この店、全然、タイ料理じゃないから！
アジアン料理でもないから！

それで、どうです？って言われても・・・・
メキシコとか南米系の料理で、
悪くはないので、「いいですね」と答えたけどさ。

なんだか、ちょっとずれているエビさん。
見た目はガッチリしてて、ちょっと強面だけど天然系かも(笑)

だがしかし、まだ気は許せない！
ここは円山町だ！

変な緊張をしながら、話してみると、
エビさんはオモシロイ経歴を持つ人で、悪い人ではない気がする。

今は、不動産の営業をしているものの、
会社を辞めて、沖縄に住んでみたり、料理人をしてみたり。
そして、見た目によらず、繊細な人のよう。

数年前まで同棲していた彼女との破局の理由を聞いたら、

「彼女、デリカシーがなくて、価値観が合わないんです」

「私も、デリカシーないって、元カレに言われたよ。
どういうところがデリカシーないって思ったの？」

「彼氏がいるのに、平気で下着を部屋に干してるんです！」

え、それダメ？
だって、一緒に住んでるんだからいいじゃん！
っていうか、目に入っちゃうのしかたなくない？

「部屋の中で洗濯物を干す場所が、
ちょうどソファーの上になっちゃってて、
ソファーに座ると、頭の上に彼女の下着があるんですよ。
彼氏の頭の上に、平気で下着干すのってデリカシーないと思うんですよ！」

う～ん、確かに頭の上に下着は嫌だよね(笑)
それ以上に、エビさんの頭の上に下着を思い浮かべると笑える。

「マキさんは、そういうのないですよね？」

「部屋干しはするけど、頭の上はないですね(笑)」

そんな下着の話は出たものの、
エロ話など出ることなく、ご飯を終えることに。

「次どうします？」

次？帰るんじゃなくて、次？
だから円山町・ホテル街？と思ったら・・・

「公園行きませんか？代々木公園」

「え？代々木公園？何しに？」

「なんか公園いいかなぁって思って」

え！ホテルは回避されたけど、夜の公園か！
それはそれで、これまた怪しい。

だがしかし、円山町でホテルに誘わない男だ！公園も行きたいだけかも。
公園のあたりまで行ってみて、人がいなそうだったら、そのまま帰ろう。
ということで、エビさんと私は公園に行くことにしたのでした。