麻雀店に行って麻雀をしてみたい方へ③


みなさん、こんにちは、こんばんは!
日本プロ麻雀協会の渡辺貴宏です!



ここまで2回書いたnoteの簡単な復習とフリー雀荘のゲームの流れについて書こうと思います。

初めてのフリー麻雀①

最初のnote(麻雀店に行って麻雀をしてみたい方へ①)にルールやマナーを少し書きましたが、今回は入店から退店までのざっくりした流れでお話していこうと思います。


まず、最初にお店に入ると大体のお店では立ち番のメンバーが出迎えてくれます。
※メンバーとはお店の従業員のこと。接客対応しているメンバーを立ち番メンバー、麻雀をお客さんと打っているメンバーを本走メンバーと言ったりします。

大体の麻雀店は待ち席があるので、そこでルール説明を受けます。
過去行ったことあるお店で、初心者のお客さんに一番丁寧だったお店はルール説明の際に空いてる麻雀卓で簡単な道具の説明や卓の使い方など、丁寧にしているお店もありました。(ふつうはそこまでやらないですw)



例のごとく、新規のお客さん(A君)とメンバー(Mさん)のやりとりの一例を紹介します。



M:いらっしゃいませ!お一人様でしょうか?

A:はい、ここのお店初めてなんですけど…

M:ご新規ですね!ありがとうございます!では、ルール説明しますのでそちらの待ち席でお待ちください。当店はフリードリンクになっています。お飲み物は何にしますか?

※ドリンクサービスですが、お店によってまちまちです。無料のところもあれば1杯100円とか、200円で飲み放題にできるとかあります。入店時または卓に着いたときにメンバーにどうするか聞かれると思います。

A:じゃあ、アイスコーヒーください。

M:お砂糖とミルクは入れますか?

A:どっちも入れてください。

M:(キッチンに向かって)アイスありありを待ち席までお願いしまーす!


聞いたことあるかもしれません。
雀荘でよく使われる「ありあり」って言葉。
麻雀でアリアリっていうと喰いタン、後付けありのことをアリアリルールとか言いますが、雀荘で「ありあり」って言うとコーヒーのお砂糖とミルクです。
ちなみに私が仕事してた時は、アイスコーヒーのありありは、アイスレギュラーって言ってました(店バレる可能性あるけどw)


では、次にルール説明のやりとりです。

M:普段、他にフリー雀荘行かれたりしますか?

A:いえ、今日が初めてです。

M:自動配牌卓は使ったことありますか?牌山を上げると手牌も上がってくる卓なんですけど。

A:セットで何回か使ったことあります。

丁寧なお店はこのあたりまで聞いてくれます。
使ったことない場合は素直にメンバーに伝えてください。
どういうものか見せてくれると思います。


M:では、当店のルールについて説明します。

※今回は架空のお店のルールを紹介します。
似たルールのお店やなんなら同じルールのお店があるかもしれませんが、そのお店とは一切関係ありませんのでご注意ください。



・東南戦、25000点持ち、30000点返しです。
・親は回り親になります。
・喰いタン、後付けありのアリアリルールです。
・親は聴牌連荘です。
・フリテンリーチ、リーチ後の見逃しツモもありです。
・途中流局があります(九種九牌キュウシュキュウハイ四風子連打スーフーレンダ三家和サンチャホー四開槓スーカイカン)
※ただし、四家立直スーチャリーチ(4軒リーチ)は続行です。
・ダブロンありです。積み棒、供託点棒、親権は頭ハネになります。
・オーラスのアガリ止め、テンパイ止めありです。トップ、またはノーテンの場合は終了となります。
・ポン、チー、カンは発声優先です。(ほぼ同時の場合はポン・カンが優先です)
ポン、チーは1000点罰符で取り消すことができます。
サクポン、サクチーは打牌前であれば晒しなおすことができます。打牌をしている場合はアガリ放棄になります。
・箱割れでゲーム終了です(0点ちょうどは続行、1000点あればリーチできます)
パオは役満を確定させた場合に発生します。(大三元・大四喜・四槓子) ツモアガリは全額責任払い、他の人の放銃は折半になります。
人和レンホーは8翻役です。
・流し満貫は流局時に満貫アガリ扱いです。
・【見せ牌】【腰牌】は指摘された場合のみ、現物牌でのロンアガリができません。
・複合役満は純粋な役満の複合のみあります。13翻以上は4倍満になります。


M:ルールについてここまでで質問ありますか?

A:頭ハネってなんですか?

M:頭ハネは放銃者からみて、先にツモる人のアガリの権利です。例えば、北家ペーチャが切った牌が東家トンチャ西家シャーチャにダブロンだったとします。北家から見て、次のツモ番の人が東家なので、供託、積み棒(本場)は東家のものになります。
同じ状況で放銃したのが南家ナンチャだった場合は、次のツモ番の人が西家なので、供託、積み棒(本場)は西家のものになります。親も流れます。

A:発声優先っていうのはすぐに発声しないとダメですか?

M:ダメではないですが、鳴き負けをするかもしれないので、鳴きたい牌が出たときはすぐに発声をした方がいいです。

A:誤ポン、誤チーってなんですか?

M:文字通り誤って鳴いてしまった牌です。ネット麻雀では起き得ないですが、白が対子なのに發が出て、ポンって言ってしまったとかですね。1000点を供託に出して、なかったことにできます。
ついでに錯ポン、錯チーも説明すると例えば白と發が対子で白が出てポンって言ったけど、發を晒してしまったというようなケースです。打牌をしていなければ白を晒しなおして、發を元に戻して続行ができます。

A:見せ牌はなんとなく見せてしまった牌というのはわかるんですけど、腰牌ってなんですか?

M:腰牌は鳴こうかどうしようか悩んで止まってしまった牌です。
当店では指摘をされなければその牌でアガることは可能ですが、「腰牌です」ご自分で指摘するお客様もいらっしゃいます。ご自分で指摘した場合も腰牌の扱いになります。

A:ありがとうございます。あとは大丈夫です。

M:では、続いて、アガリ放棄とチョンボについて説明します。

以下の場合はアガリ放棄になります。
・誤ロン、誤ツモで倒牌をしなかった場合
・晒し間違いをして打牌をしてしまった場合
・多牌、少牌、喰い替えをした場合
・局の途中、手牌に関する会話をした場合

以下の場合はチョンボになります。
・誤ロン、誤ツモで倒牌をした場合
・ノーテンリーチの流局、リーチ後の送り槓、面子構成の変わる槓をした場合のアガリ、または流局
・局の途中、続行不能な状態にした場合

チョンボはノーゲームとし、その局をやり直します。チョンボ者は3000点オールの罰符になります。

ここまででわからないことありますか?

A:なんとなくですが、大丈夫だと思います。

M:何かわからないことがあればお気軽にスタッフを呼んでくださいね。

M:では、最後にゲーム時のお願いとマナーについて説明します。

・先ヅモ、引きヅモ、強打は禁止です。
・発声は明確にお願いします。聞こえない場合は無効になる場合もあります。
・リーチ発声は牌を切る前にお願いします。
・口笛、舌打ち、独り言は他のお客様の迷惑になりますので、ご遠慮ください。
・三味線行為は一切禁止となっています。チョンボを取る場合もありますので三味線行為は絶対にしないようにお願いします。
・卓内での携帯電話は使用禁止になっています。使用する場合は従業員に代走をお願いしてください。
・山はセット時、前に出して嶺上牌は降ろしてください。
・自動配牌卓を使用していますので、親の方は第1ツモを忘れないよう注意してください。
理牌リーパイ、倒牌以外はなるべく両手使いをしないようお願いします。(左手でツモって、右手で切るなど)
・アガる時は必ず理牌をしてから倒牌をしてください。
・他の人のアガリに対して、いかなる場合も批判や煽るような発言は禁止です。
・点棒の支払いは点棒を投げたり、手渡しをしないようにしてください。相手の手元の取りやすいところに置いてください。
・点数計算が苦手な方はあらかじめ同卓の方に一言お願いします。また、点数計算ができる方はわからない方に教えてあげてください。
・牌山エレベーターより前に接触した牌の取戻しはできません。
・スタッフの指示時以外の伏せ牌は禁止になっています。
・当店ではラス半コールのお願いをしています。終了される半荘の開始時、遅くても南入する前までにラス半コールをお願いします。
・スタッフの麻雀に規制は一切ありません。
・代走時の放銃の責任も負えませんので、批判等はご遠慮ください。
・トラブルが発生した場合は必ずスタッフの裁定に従ってください。

M:ここまで大丈夫でしょうか?

A:ラス半ってなんですか?

M:この半荘でラストにしますってことです。ラス半って言ってもらえれば大丈夫です。やめるか微妙なときは「もしラス(もしかしたらラス半)」って言ってもらえれば、大丈夫です。




長々と一例を書きましたが、お店によってルールやマナーは若干異なります。ルールは当然違うにしても、マナーも違うの??ってなりますよね。
マナーに関しては大体どこも同じような感じですが、もしラスコールを受け付けてないお店とか、そもそもラス半言わなくていいお店とかもあります。


ラス半コールってなんのためにあるの?

スムーズにご案内ができるように設けています。
例えば、A卓がお客さん4人でラス半が1人、B卓がお客さん2人とメンバーが2人で2卓立ってるとします。立ち番のメンバーが1人いるので、A卓が終わったら立ち番のメンバーが入って卓を繋げます。と思っていたのに、A卓がラス半を入れていないお客様が終局時に「これで終わるわ」と突ラス(突然ラス半)
卓をつなげる予定がA卓がつながらなくなってしまいました。
しかし、B卓は少し前に終わって次の半荘が始まっています。

A卓が二人やめることがわかっていればB卓が終了した時点で、B卓のお客様に、A卓がラス半入って、卓が繋げないので、A卓の終了をお待ちください。と待機時間の短いタイミングで卓を終わりにするのですが、突然やめてしまったので、待ち時間が長くなってしまった。なんてことがちょくちょく起きます。

なので、ラス半コールを求めてるお店ではやめるときはラス半コールを入れましょう。求めてないお店は気にしなくていいです。


個人的にですけど、もしラスコールはあまり使わない方がいいです。
理由はここでは書きません(笑)

架空のお店ですけど、マナー面は大体どこのお店も似たようなものなので、上記のマナーを守っていれば大きなトラブルに会うこともないと思います。



初めてのフリー麻雀②

いよいよ麻雀に入ります。
メンバーに案内されて、卓についたら、まず挨拶をしましょう。
新規でいくとメンバーが紹介してくれるお店もあります。

M:当店ご新規のAさんです。みなさん、よろしくお願いします!

みたいな感じです。

A:点数計算苦手なんですが、よろしくお願いします。



あ、言い忘れてた!
これ、他の業界と全然違うかもしれないんですけど、雀荘って結構な確率で名前聞かれます。(本名が嫌な人はハンドルネームの人もいる)
麻雀プロも本名じゃない人結構いますしね(笑)


で、麻雀をする際に椅子の横にサイドテーブルがありますが、サイドテーブルは必ず左側を使ってください。
おしぼりや飲み物を置く場所です。
喫煙可のお店であれば灰皿も左側のサイドテーブルにある灰皿を使用してください。あと置きタバコ、咥えタバコは絶対しないでくださいね。

健康的な話をすれば吸わないに越したことはないですが、私が言えたことではない…(←ヘビースモーカー)




さて、いよいよ、Aさんはフリーデビュー!

親の第1ツモからゲームスタートです!

東1局、南家スタート

西家に3900点を放銃しました。

最初に点棒の払い方です。

どうやって払いますか?

1000点棒4本?

1000点棒3本、500点棒1本、100点棒4本?


3900点は5000点棒を払ってお釣りをもらいましょう。
持ち点によって点棒の払い方が変わります。

考え方としては、支払いが終わった時点で1000点棒が自分の点箱の中に1本以上残るように支払いましょう。

次局入った時にリーチ棒がない!ってことができるだけ起きないように支払いを行います。
局の途中で極力両替が発生しない方がスムーズに麻雀を打てます。
やむを得ない場合もあるので、その場合は臨機応変に。
リーチ棒がない場合は持っている人から両替をしてもらってください。



時はながれ南入。


南1局、南家

南入したので、親は起家マークをひっくり返します(起家マークを使ってないお店もありますが、大体のお店はある)


さて、今度は仕掛けの時のマナーです。

対面から白が出て、ポンをしたいです。

まず発声!

A:ポン!

発声をしたら、鳴く牌を晒します。

牌を晒したら、1枚牌を捨てます。

捨てたら鳴いた牌を河から持ってきて、自分の右側に晒します。

こんな感じ


あとチーも一緒です。

まず発声!

A:チー!

発声をしたら、鳴く牌を晒します。

牌を晒したら、1枚牌を捨てます。

それで晒し方なんですけど、この画像、牌を上に重ねられなかったので、横につけてます。
一応、フリー麻雀はこれでもOK。

ですが、せっかく今覚えるのであれば最初に鳴いた牌の上に晒した方がいいです。
※物理的に上じゃなくて、奥に重ねるってことね。


さあ、ここであれ??って思った人いるかもしれません!!


そう、鳴きの時の順番です。

フリー麻雀と競技麻雀の違いです。

フリー麻雀は
①発声をする
②手牌から鳴く面子の牌を晒す
③打牌をする
④河から牌を持ってきて、右端に晒す


競技麻雀は
①発声をする
②手牌から鳴く面子の牌を晒す
③河から牌を持ってきて、右端に晒す
④打牌をする

③と④がフリーと競技で逆なんです。
フリー麻雀はとにかく多く打ってもらうことを考えていて、競技麻雀はミスが起きにくい(プレーヤー同士の手がぶつかったりしない)ように考えられています。

私はフリーの経験がめちゃくちゃ多かったので競技麻雀を始めたときは違和感バリバリでした(笑)


まあ、それは置いといて、フリーでは打牌が先になることがほとんどです。
正直、フリーはどっちでもいい気はするんですけど、大体のお店はこうですね。


さてさて、ではこのままツモアガリしました。
役は白のみです。

点数申告の仕方は子の点数を言ってから、親の点数を言います。
今回は30符1翻のツモアガリなので、300/500ですね。

A:300・500です!

○○点です!とか〇〇・〇〇です!って言うと丁寧に聞こえますよね。

間違っても500300とか言わないようにね(笑)
もはや煽りみたいなもんなんで←


で、点数わからない人は役くらいは言いましょう。

A:ツモ! 役牌(白)のみです。


はい、こんな感じでゲームが進行していきます。



まとめ

今回は新規でお店に入ってフリー麻雀をやってみたところまで行きました。
イメトレはできましたか?
ちなみにこの架空のお店、めちゃくちゃ優しいです(笑)
こういうお店も結構あります。
お店選びするときはフリーに行ったことがある方にどこのお店がいいと思う?と聞いてみたりしてお店を選ぶといいと思います!


さて、今回のポイント!!
①ルール説明時にわからないことはわからないままにしないでメンバーに聞く
②知らない人と麻雀を打つので挨拶はしましょう
③サイドテーブルは左側を使おう!
④鳴きの時は発声→晒す→捨てる→河から持ってくる
⑤ツモの時の点数申告は子の支払い→親の支払い


今日はポイントは5つです!
めちゃくちゃ長くなってしまいましたが・・・・
ここまででわからないことありますか?
大丈夫かな?
質問は受け付けてるので、Xにコメントしてね!


さて、次回ですが、用語をやりましょうか。
今回も雀荘ならではの用語がちょくちょく出てきましたが、それ以外にちょくちょく出る用語をやります。



noteを書いてみて(あとがき)

なんか書くたびに文章が長くなっていくんだけどw
聞いて聞いて!今回6500文字だよ?!
雀荘で働いてた時を思い出しながら綴ってたら楽しくなってきちゃった。

さて、次回の更新なんですけど、日曜の夜か月曜の夜を考えてます。
日曜日はリーグ戦の最終節なんでね・・・

だいぶ昇級きついとこにいるんですけど、まあ届かない圏外ではないので精一杯頑張ろうと思います。


ここまで、読んでくださった方、本当にありがどうございました。
次回をお楽しみに!!


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