みうらじゅん×いとうせいこう
幼少のころから仏像に魅せられていたみうらじゅんと、仏友・いとうせいこうが国内外の仏像を訪ね歩く、仏像ブームのきっかけとなった人気シリーズ「見仏記」。 33年前の1作目の末尾で「三十三年後三月三日三時三十三分三十三間堂で会いましょう」と約束した2人。その約束が来年2025年に迫ったこのタイミングで5年ぶりの「見仏記」連載を始めます!
しょっちゅう二人でしゃべってるので、それをおすそわけします。自主ラジオ『ご歓談』と名づけました。二週に一度のペースで更新出来たらなと思ってます。 皆さんからのお便りを是非コメント欄にどうぞ(ジングルbyジングルズ)。 ※サポートを頂いた方の中から、毎月ランダムにみうらじゅん特製イラスト(データ)をプレゼント!ご希望の方はサポートする際のメッセージ欄にメールアドレスをお書き下さい。当選された方にはこちらからご連絡致します。 miuraito@cubeinc.co.jpからメールさせていただきますので、ドメイン受信解除をお願い致します。
鎌倉らしい、山を見事に切り崩した切り通しなど見ながら、あじさいの余韻がまだわずかにある細道を行くと、約束の時刻より十五分ほど早く佛日庵に着いた。円覚寺の塔頭(たっちゅう)寺院(独立寺院)のひとつである。 待つつもりだったが、境内右側の寺務所で若い女性が受け付けてくれ、玄関から中に招じてくださると、ご住職は奥の部屋で短パンを履き替えるところだった。申し訳ない。 やがてカジュアルで明るいご住職によって、我々はご本尊、岩座の上の蓮華に乗った地蔵菩薩坐像を見せていただき、目が半
※サポートを頂いた方の中から、毎月ランダムにみうらじゅん特製イラストをプレゼント!ご希望の方はサポートする際のメッセージ欄にメールアドレスをお書き下さい。当選された方にはこちらからご連絡致します。 miuraito@cubeinc.co.jpからメールさせていただきますので、ドメイン受信解除をお願い致します。 見仏旅第二弾ができました!お礼の無料配信、2-3どうぞお楽しみ下さい⭐️
これまで三十年以上、みうらさんと見仏を続けてきて、意外に関東を回ったことがなかった。中部だと名古屋や長野あたり、そこを日本海の方へ突っ切って新潟方面などへ行った。 しかし仏像の紹介本を覗く機会があると、関東にも古くて見事な仏像が存在することがわかるし、時にはそれが運慶作であったする。浄楽寺などが有名だ。 にもかかわらず足を延ばしてこなかったのは、ひとつにはさすがに詣でるべき寺社の数自体が少なく、ひと寺を訪問してしまうと次に目指すべき場所まで時間がかかること、そしてもうひ
※サポートを頂いた方の中から、毎月ランダムにみうらじゅん特製イラストをプレゼント!ご希望の方はサポートする際のメッセージ欄にメールアドレスをお書き下さい。当選された方にはこちらからご連絡致します。 miuraito@cubeinc.co.jpからメールさせていただきますので、ドメイン受信解除をお願い致します。 見仏旅第二弾ができました!お礼の無料配信、2-2どうぞお楽しみ下さい⭐️
※サポートを頂いた方の中から、毎月ランダムにみうらじゅん特製イラストをプレゼント!ご希望の方はサポートする際のメッセージ欄にメールアドレスをお書き下さい。当選された方にはこちらからご連絡致します。 miuraito@cubeinc.co.jpからメールさせていただきますので、ドメイン受信解除をお願い致します。 見仏旅第二弾ができました!お礼の無料配信、どうぞお楽しみ下さい⭐️
※サポートを頂いた方の中から、毎月ランダムにみうらじゅん特製イラストをプレゼント!ご希望の方はサポートする際のメッセージ欄にメールアドレスをお書き下さい。当選された方にはこちらからご連絡致します。 miuraito@cubeinc.co.jpからメールさせていただきますので、ドメイン受信解除をお願い致します。
購入後に全編(26:15)を視聴することができます。
購入後に全編(28:10)を視聴することができます。
櫟野寺から甲賀駅まで送っていただいたあと、さてどこに行こうかということになった。まだ午前中であった。 對馬さんとは午後二時時過ぎに八日市(ようかいち)の駅で待ち合わせで、そこまではいわば自由時間というのが我々に与えられたスケジュールであり、四つほどの選択肢が用意されていた。 最後に訪れる瓦屋禅寺(かわらやぜんじ)まで三十分以内で行ける寺がふたつ、一時間以内の寺がひとつ、そして太郎坊天狗で有名な阿賀(あが)神社(ただし天狗が見られるかはわからず)。どこへ行くにもこれまで何
購入後に全編(29:38)を視聴することができます。
早朝、みうらさんが息をひそめて暗い部屋を出るのがわかった。スマホを見ると六時半。朝風呂を浴びに行ったのだろうと思い、私ものんびり宿の階下に向かった。 案の定、みうらさんは露天風呂にいた。陶器の壺のような風呂がふたつあって、ひとつずつが大人三人入ればぎゅうぎゅうという作りだった。私は迷わず湯気の立っているみうらさんの壺に入った。 「いやあ」 「いいねえ」 みたいな朝一番の会話だったが、それからしばらく無言でいると、みうらさんが何かをふと思い出して、しゃべり出した。 「夢で
購入後に全編(31:59)を視聴することができます。
午前十時にタクシーへ乗り込み、琵琶湖のもっと北、安念寺(あんねんじ)へ向かった。 「前に聞いた時は、十軒で世話されてると言ってました」 すぐに對馬(つしま)さんがそう教えてくれた。安念寺の世話方さんの話である。 少子化も進み、寺の維持は大変だろう。 ただその日の天気だけはむやみによく、いわゆるピーカンであった。そのことを言うと、みうらさんはすぐに引っかかった。
購入後に全編(26:53)を視聴することができます。
前日はホテルの隣のおいしい焼鳥屋に早くも開店直後の夕方五時には入り、モクモク立つ白い煙に負けない熱さと濃さをもって仏像を語った。 そしてそのままえんえんしゃべり続けながら焼鳥屋を出てコンビニまで歩き、なぜかシート状の美肌パックを二人分買って帰った。とにかく見仏にお肌のケアは大切だとみうらさんが力説するからだった。 こちらがボロボロでは対面する仏に申し訳が立たないみたいな、その場しのぎのヘリクツだったが、その時の私はそれもそうだなと思ったし、実際部屋で眠る前にパックをした