千式麻雀の向き・不向き

ルール紹介① 千式麻雀に関連するnoteです。本当は千式麻雀の良い点ばかり書きたいのですがマイナス面もあります。素直に普通の日本麻雀の方が良い場合も多いのです。適材適所です。

時間制限のある勝負には向いていない

千式麻雀は南場以降サドンデス戦になるので試合時間が読みづらいです。当店では西場以降の供託ルールというもので試合を終息しやすくしていますが、それでも稀に北3局ぐらいまで続く事があります。大半は30分以内で終わりますが、たまに西入北入で極端に延びます。1試合の時間は15分~1時間30分ぐらいの揺れ幅があるので、複数卓が同期して行う大会は開催しづらいです。(やった事はありますが)

普通の麻雀でも親の連荘があるので時間が読めないのは一緒ですが、50分打ち切りの様な事をしても勝負が極端に歪む事は無さそうです。

一方で千式麻雀を時間打ち切りしてその時点での持ち点トップを勝者、の様な事にしてしまうと千式麻雀がかなり歪んでしまいます。

n半荘の合計で順位を決める大会には向いていない

雀荘や麻雀サークルなどでよくある半荘5回の合計で順位を決める様な大会は向いていません。勝ち数だけで順位を決めるしかないので10試合打ったとしても同順位が続出するでしょう。勝ち数最多が複数人いたらどう優勝を決めましょう?複数優勝にするか同点決勝をするか… ややこしそうです。

「千式麻雀でやるとしても1か0ではなく終了時の持ち点を合計すれば?」という意見はあるでしょうが、それでは千式麻雀の良さが無くなってしまいます。

千式麻雀ではトップを確定させないために脇に差し込み次局につなげる事が度々あります。差し込みで点棒を減らした次局、トップを取れずに終わってしまったらせっかく良い麻雀を打ったのに低い点数で終了です。納得感がありません。

また、「浮いてるから2位維持でいい、トップ目にはこのまま逃げて貰おう」という戦略も有効になり、全員がトップを狙う千式麻雀の単純明快さが薄れてしまいます。

普通の日本麻雀にも色々と問題があって、ガチで順位を競う大会にするなら以下の様にルールを変えた方がいいと考えています。
・親の連荘を無くす
・順位点(ウマやオカ)を無くす
この辺の理由はいずれまた別のnoteで書いてみたいです。

一期一会のノーレート麻雀には向いている

同窓会で久しぶりに会った麻雀仲間(ガチ勢)と時間の都合で1半荘だけ打つ事になりました。仲間の1人の希望によりノーレートです。ルールは千式ではなく普通の麻雀です。

この1半荘を4人は最後まで心の底から楽しんで打てるでしょうか?

個人的に麻雀はどんなルールでも大体面白いと考えていますが、この試合もし私がオーラスで大きく沈んでいたらどう打つかとても悩みそうです。

久しぶりの旧友との麻雀なのに和了って2位や3位でトップ争いに水を差して終わりじゃつまらない。だから現実的ではない高い手を無理矢理にでも作ってトップを狙う。悩んだ上でそんな打ち方になりそうです。

私の打ち方をお勧めする訳では無いですよ。「2位なら和了る」「着順が一つでも上がるなら和了る」「ラス確でもマンガン以上なら和了る」「何でもいいから和了る」色々な考えがあっていいと思います。

「麻雀において勝ちとは何ぞや」

これに対する回答は様々です。その多様さ曖昧さが麻雀の面白さ… と思っていた時期が僕にもありました。普通の麻雀しか知らなかったから。

しかし今は千式麻雀を知っています。千式麻雀はラス確が無いのでどんな手でも自由に和了れます。トップ争いに水を差す事はありません。どんな点棒状況だろうと全員自分がトップを取る事だけ考えて自由に打てます。久しぶりの麻雀仲間と最後まで遠慮の無い叩き合いをするのに最適だと思いませんか?

なぜ「ノーレート」を強調しているのか。それはお金を賭けていればラス確が気にならなくなるからです。ラス確でマンガンを和了り800円の収入を得た人に「トップ争いに水を差された」と文句を言う人はいないでしょう。

普通の麻雀は同じコミュニティで継続して打つなら面白い

多くの人はお気に入りの店が出来たらそこに通い続けたり、あるいは同じ仲間やサークル活動で打ち続けるでしょう。ネット麻雀も同様です。

おそらく健康麻雀やノーレート雀荘のほとんどが継続して記録を付けているでしょう。ガチ勢にとっては平均得点や順位分布などの個人成績がそのコミュニティで麻雀を打ち続けるモチベーションになっているのではないでしょうか。

もしそれらの店が記録を取るのをやめてしまったら?勝ち負けにこだわらないエンジョイ勢は別ですが、平均得点やランキングにこだわるガチ勢はモチベーションが下がってしまうのではないでしょうか。

普通の麻雀はお金を賭けると面白い

ここまでノーレート麻雀や競技麻雀を想定した話でしたが、賭け麻雀となると話は違ってきます。リアル麻雀人口の8割は賭けて打っています。8割という数字は根拠無く適当ですが大体こんなものではないでしょうか。

賭け麻雀にこだわる人は今まで通り普通の麻雀を打つのが良さそうです。1試合ごとに勝ち負けをハッキリさせる千式麻雀を打つ必要は無いと思われます。

千式麻雀が特別賭けに向いてないという事も無いのですが、1人の勝ちと3人の負けが出来るゲームはどちらかというと賭けには向いてない気がするのです。それに対して1~4位の順位が付く普通の麻雀は賭けに向いていると思うのです。理由はまた長くなるので別の機会に。

麻雀は賭ける事が前提のゲームだから賭けると面白い。そう出来ています。お金を賭けない健全な麻雀を広めようとする方たちもその事実を認めた上で前へ進んだ方が良いと思っています。
近年になり健康麻雀やノーレート雀荘が増えるにつれその辺の歪み(賭け前提で進化してきた麻雀のルールをそのまま流用して競技麻雀やノーレート麻雀のルールとする事)が表面化してくるのではないかと予想しています。

優勝以外意味のない大会やリーグ戦の決勝戦に向いている

プロの競技麻雀で目無し問題が定期的に話題なります。大会やリーグ戦の最終戦で優勝の目が完全に無くなった選手がどう打つかという問題です。ツモ切りを繰り返し話題になったプロもいます。和了らず鳴かせず振り込まずという信念のプロもいるでしょう。

度々話題になっていますが、問題視される割にルールを変えようという話になかなかなりませんでした。そして登場したのがRMUの新決勝方式です。

これは決勝戦だけに採用される千式麻雀と考えれば良いでしょう。これについては特に言うことは無いのですが、かなり良い方式なのでもう少し話題になって他団体でも真似する所が出てきて欲しいものです。

最後に

・千式麻雀をもっと広めたいが現在の麻雀人口の多くは賭け麻雀を打っているので千式麻雀はお呼びでない。
・同じコミュニティで打ち続け継続して記録を付ける人にとっては1試合単位で勝ち負けをハッキリさせる必要は無いので普通の日本麻雀で充分楽しい。
・ノーレートで打つ人の大半はガチ勢でもなく健康麻雀やエンジョイ麻雀勢なので勝ち負けにそこまでこだわる事も無いのでやはり千式麻雀に特に興味を持つとは思えない。

結論:千式麻雀はとてもニッチな層にしか受けない。でも少しでも広まるように頑張ります。


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