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ウルトラマン第12話 / 「ミイラの叫び」を見ました。 #ウルトラサブスク

100文字短評

人間の都合で現代に無理やり起こされてしまったミイラとそのパートナー怪獣ドドンゴが人間の都合で倒されるという悲しいお話。ミイラやドドンゴが何か喋れていればシリーズの名作にもなりえたのではないか。

七千年前のミイラが発掘された。だが、その夜、ミイラは安置されていた実験室で復活。警備員たちを殺害して逃走する。イワモト博士は、ミイラをあくまで生け捕りにしてほしいと要望するが、このままでは被害が拡大するため、やむなく科特隊はミイラを射殺した。すると同時に怪獣ドドンゴが出現し、猛然と暴れ始めた!
監督:円谷一
出演:黒部進
出演:桜井浩子
出演:小林昭二
出演:石井伊吉
出演:二瓶正也
特殊技術:高野宏一
脚本:藤川桂介
(C)円谷プロ

ウルトラマン第12話 / 「ミイラの叫び」 TSUBURAYA IMAGINATION より)

感想

不思議な明るさの洞窟

今回はミイラ回。序盤はホラー風味です。
ただ現代はゾンビが市民権ありすぎて、モンスターとしてのミイラってもうほとんど登場しないか、骨董品(レアな雑魚枠)扱いですし、ミイラでホラー、怪獣物というのはどこか時代を感じる所もあります。

物語は、妙に明るく、暗闇が微塵もない不思議な洞窟から始まります。
なんでも七千年前のミイラが発掘されたとのこで、我らが岩本博士がミイラを発掘し、科学センターに運び込みます。

七千年前のミイラの顔に動揺を隠せないアラシ隊員

このミイラ、顔が中々不気味で、アラシ隊員も怖がるというか、流石に動揺を隠せない表情を見せます。

発見場所は日本でしょうし、日本でミイラと言えば即身仏な訳ですが、このミイラは七千年前のものらしいので、即身仏ではなさそうです。

初代ウルトラマンの放映年である1966年、20世紀の7000年前と言えば、紀元前5千年紀。
この時代、日本は縄文時代であり、日本列島が中国大陸から切り離されるかどうか辺りの時代と言うことになります。

怪獣ドドンゴは中国神話の伝説の動物、麒麟とよく似ているとは言われますし、やはりこのミイラ人間とドドンゴは大陸の人間と動物だったのかもしれません。
麒麟が神聖な幻獣であることを踏まえれば、このミイラ人間は古代社会で身分が非常に高い人物だったのかもしれません。
恐らくこのミイラ人間は昔、七千年前の古代社会で崇められていた伝説の動物ドドンゴと共に洞窟に葬られたのではないでしょうか。


電気ショックで現代に復活するミイラ人間

現代人に発見されなければ、発見されたとしても発掘さえされなければ、そのまま永久の眠りについていたのだろう、ミイラ人間は、回収された先の科学センターの設備を念力で操作して、自らに電気ショックを浴びせさせて完全に蘇生を果たし、眠っていた洞窟に帰ろうとします。

ミイラ人間を生け捕ろうとする現代人

しかし逃走中に人間を殺害してしまったこともあり、ミイラ人間を生け捕ろうとする現代人、武装した警官達に包囲されて追い詰められます。

警官達がミイラ人間を襲うこのシーンの迫力は中々のものでした。
等身大の"怪人"と戦う警官という構図は、ウルトラマンというよりは仮面ライダーや戦隊モノを思い起こさせるものもあります。

自分達の勝手な都合で運び出したばかりか、ただ洞窟に帰ろうとすることも実力でもって許さないという現代人。
科学、学問、知的好奇心を掲げて、墓場を荒らす人間の横暴さ、傲慢さが感じられる展開です。

「お前を発掘さえしなかったら、まだまだ眠りについていられたのに。」

ムラマツキャップ
出現する怪獣ドドンゴ

ミイラ人間の最期の叫びに呼応して怪獣ドドンゴも出現します。
この怪獣ドドンゴの着ぐるみは、二人一組で演じる物で、ウルトラシリーズではこれが初めてだとか。
通りで姿や動きが真新しくて衝撃を受けた訳です。
けど、後ろの人はどうやって着ぐるみの中に……。
やっぱり腰を曲げてなのかな……めっちゃ大変だ……。


ウルトラマンと特捜隊の猛攻で倒される怪獣ドドンゴ

特捜隊の猛攻で両目を潰された上にウルトラマンまでやってきてしまい、怪獣ドドンゴは倒されてしまうのでした。
この時、ウルトラマンもスペシウム光線の発射を一度は躊躇ったように私には見えました。
悲しい終わり方です。

「1万年でも2万年でも眠らせてあげれば良かったのに」

「発掘なんかしないで1万年でも2万年でも眠らせてあげれば良かったのに」

フジ隊員

フジ隊員の台詞が悲しく響きます。

総評

現代人の都合で無理やり起こされてしまったミイラ人間とそのパートナー怪獣ドドンゴが人間の都合で倒されるというあまりにも悲しく、辛いお話でした。
個人的にミイラ人間は高貴な身分の人間で、神聖な幻獣ドドンゴと共に永久の眠りに付いていただけなのだろうと思います。
唯一惜しいと思った点は、ミイラ人間も、ドドンゴも、何も喋らなかった、現代人と意思疎通をしていないという点です。
ウルトラマンの怪獣が人間の言葉を喋っていいものなのかはよく分かりませんけど、ミイラ人間やドドンゴが「何故目覚めさせた?」「私は帰りたいだけだ」とテレパシーで特捜隊にでも話しかけるなり、洞窟の壁画に争う意思がない旨、たとえば「我、永久の平和を願ってここに眠りにつく」みたいなメッセージでも古代語で残して、倒した後に翻訳が完了する、みたいな展開だったら、もっと後味の悪い、悲壮感漂うエピソードにもなれたんじゃないかなとも思います。

本日のお気に入りの台詞

「ご機嫌な新兵器だぜ!」

「ご機嫌な新兵器だぜ!」(←ネロンガの光線に耐えられるんだから不要では!)|


★布教

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