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経管栄養の手順(実践編その4)


ボトルにチューブを繋ぎました

お薬投与に続いて、白湯投与です。

ボトルにチューブをつなぎます。写真右方、紫の部分に付いている小さな白い丸いダイアル(正式名称はローラークレンメと言います)で滴下速度を調節します。水分がポタポタ垂れることを滴下と言い、滴下速度をこの白いダイアルを回して調節していきます。
ダイアルを一番下にすると栓を閉めている状態で、水分は流れません。ダイアルを下から上へ上げるほど、滴下速度が増して、一番上にすると全開、途切れることなくツーッと流れます。

写真では、ダイアルは一番上にあります。チューブを洗うときには、ダイアルを一番上にして、水の流れを最大にします。洗おうとして、チューブの入り口から水を入れても、もう片方の口から水が出てこない、なんで?なんで水出てこない?となることも、よくあって、よくよく見ると、ダイアルが下の方にあって、それだと、滴下はゆっくりポト、、、ポト、、、という速度、ほぼ栓を閉めているようなもの、水が流れていかず洗えません。初期の頃は、この、なんで流れない?状況、よくありました(笑)

ダイアルを一番下にして
栓を閉めている状態

なので、白湯をボトルに入れるその前に、このダイアルを一番下まで下げておきます。そうすれば、ボトルに白湯を入れても、チューブには水が流れていきません。これ、大事です。このダイアルを下げるのをうっかり忘れて、ボトルに白湯を入れると、チューブの出口から白湯がポタポタ漏れていた、という失敗がいまだに起こります(笑)白湯なんで、こぼれても拭くの大変というほどではないので、さほど問題はありませんが。チューブとカテーテルとをつないでからボトルに白湯を入れる、という方法もあります。それぞれのお考えやお宅のご様子により、他にもよい方法があるかもしれません。我が家では、計量カップに波々と入った白湯を足もとに気をつけながら慎重に運ぶのはいかがなものか。それならば、もっと大きな計量カップで白湯を運べばよいのかも、でも、お薬を溶かす器としては大きすぎることになり、白湯とお薬、それぞれ別々の容器を使用するのもなんだか。ということで、私は、台所でボトルに白湯を入れてから、母の部屋へ運んでいます。


滴下速度をチェックする部分
(名称を調べたら点滴筒でした)

そして、いずれの場合でも、白湯を入れる前に、必ずダイアルは下に、一番下でなくても、下の方にしておいてください。なぜなら、滴下速度を観察するための点滴筒(上の写真をご参照)がチューブ途中にあり、ダイアルが一番上にあるままだと、ボトルに白湯を入れた途端に、水がツーッと勢いよく流れ、この点滴筒があっという間に満水満杯になり、滴下の様子を見るということが不可能になります。
この事態になってしまうと、気持ち慌てますが、とりあえずダイアルを閉めて、水の流れを止めます。そして、水は高いところから低いところへ流れるという原理を利用して、点滴筒を含めチューブを高く持ち上げて、白湯入りボトルの位置を低くして、再びダイアルを上に移動して水の流れを再開すると、ボトルの方へ白湯が戻り始め、点滴筒の水位が下がります。滴下を観察できるくらいの量になったところで、再びダイアルを下へ移動して、栓を閉め、水の流れを止めます。これで、振り出しに戻りましたので、点滴筒の中の滴下速度がいい感じになるように、ダイアルをゆっくり調節していきましょう。母の入院中、経管栄養の練習をさせてもらっているときに、点滴筒が満水になってしまい、看護師さんは「大丈夫ですよ、戻せます」と、このやり方を教えてくださいました。

ボトルとチューブとカテーテルとを
つなげて白湯を流しています

白湯の温度は体温くらいが目安です。私は、夏場は35〜37℃くらい、寒くなってきたこの頃は40〜42℃くらいにしています。試しに飲んでみたら、40℃は思ったよりかなりぬるく感じます。適温の白湯200ccを用意して、チューブを繋いだボトルに入れ(さっきから言ってるけど、チューブのダイアルは一番下にして滴下ストップにしておくよ)、ベットサイドの点滴棒にボトルをぶら下げ、母の鼻から出ているカテーテルとチューブとをつなぎます。そして、点滴筒を指でキュッと押すと、少し白湯が筒の中に入ります。滴下速度を調節する前に、一旦ダイアルを上に回して流れを全開にします。チューブ内の白湯がサーッと流れていくので、お鼻の穴のところまで白湯が到達するのを見届けたら、上にあるダイアルを下へと回して、水面に落ちる雫の速さを調節します。白湯は1秒に3、4滴くらいの滴下速度、数えるのもなかなか難しいかもしれませんので、ポトトトという感じです。看護師さんは、白湯のときは、かなり速くても大丈夫と言ってました。

書いていて、自分でもややこしく回りくどいと感じるくらい、けっこう長くて、困ったもんだ(笑)
母の入院中に病院で練習させてもらいながら、これはきちんと手順や注意点を書き留めた方がいいなと思いながらも、当時は慣れない手順や細かな注意点を書き出すことすら難しく感じられて、とにかく実践を優先して、何回もやってみて覚えようとがんばりました。おかげさまで、実践を積み重ねてきて、ようやく今ここに書き連ねています。

どこかの誰かのお役に立てば幸いです。

お読みくださりありがとうございます。

次回に続きます。

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