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【自然と共存する珈琲とは】オランウータンコーヒー(その1)

毎朝の楽しみである珈琲。
珈琲を楽しむ傍らで、
この一杯の珈琲はちゃんと自然と共存できているのかな?
そんな疑問から生まれた【自然と共存する珈琲とは】シリーズです。

循環を大切に生きていくことが人生の主軸。
ネルドリップの深煎り珈琲を好み、手網焙煎を始めたYuがお送りします。

オランウータンコーヒーとは

インドネシアスマトラ島北端アチェ州、Gayo(ガヨ)高原で栽培されたコーヒーブランドのことです。

Gayo高原で育てられたコーヒー、アチェ・ガヨコーヒーはインドネシア国内で名高いコーヒーの一つ。オランウータンコーヒーでは、コーヒー農家の妥当な報酬とスマトラ島のオランウータン保護プログラムへ一部収益を回しています。いわば、フェアトレードと自然保護をハイブリットに組み込んだブランドと言えます。

このブランド誕生にはコーヒーのプロ集団が一役買っており、主に豊かな生態系のある熱帯雨林の保護を促進することを目的とし、高品質のコーヒーと有機栽培をパワフルな強みとしています。

手網焙煎して盛大に焦がしました。
焦げの苦味の豆はもちろん売り物にならないから
買えないので、自分でしか作れない苦味です笑

スマトラ島オランウータンの保護プログラム

スイスの生物学者Regina Frey氏により1996年に創設した、スイス拠点の自然保護団体PanEco Fundationが行うプログラムの一つを指します。

当プログラムは、PanEcoとインドネシア拠点のYEL(Yayasan Ekosistem Lestari)・インドネシア政府の天然資源および生態系保全局(Ditjen KSDAE)がコラボで取り組んでおり、90人の現地スタッフがSumatran orangutan (Pongo abelii) と Tapanuli orangutan (Pongo tapanuliensis)の2種類のオランウータンの保護に従事しています。

偶然にも初めて手網焙煎で使っている豆は
アチェ・リントン地区産。

(補足)
PanEco Fundationが担う事業は先に述べたオランウータン保護事業SOCPの他、猛禽類の保護事業、Thurauen Nature Centreでの環境教育事業があります。

猛禽類の保護事業
ワシやタカ、フクロウなどの怪我をした猛禽類のケアをし、保護した猛禽類の80%に当たる300匹を野生に還しています。また雛の保護・ケア、放野後の追跡による研究データの収集、フクロウなどの巣作り、環境教育他、実施しています。

Thurauen Nature Centreでの環境教育事業
「河川が洪水時に冠水する領域」(国立研究開発法人 土木研究所 自然共生センターより)を示す氾濫原にて、人々の連携をして自然保護条例の遵守の保障を助け、ハジロコチドリやカワセミが生息できる場所づくりに繋がっています。

スマトラ島唯一生息するオランウータンたちの現状

Sumatran orangutan (Pongo abelii)は13,000匹、Tapanuli orangutan(Pongo tapanuliensis)800匹がスマトラ島で暮らしています。

アチェ州最大の山である、ルセル山周辺のLuser地域(アチェ州と北スマトラ州をまたがる領域)の生態系は、東南アジア最大の熱帯雨林の生態系保護エリア。スマトラ島のオランウータンの85%以上がLuser地域にいます。

初焙煎は感動でした。
ハゼとか知らぬまま焙煎笑、

インドネシアの法律規制はあるものの、Luser地域は採掘・パームオイルの開拓・伐木(伐採)の特権や違法な伐木、不法侵入などに脅かされ続けているのが残念ながら現状です。このような人げんの自然界に反した行動により、スマトラ島のオランウータンの他、オランウータンのほか、虎・象・サイの住処が失われ絶滅の危機にあります。

SOCPでは、スマトラ島で野生オランウータンの生息数の維持とオランウータンの健康、持続可能なエコシステムを守ることを目的としています。

野生オランウータンの保護・ケアと野生へ還す取り組みの成果

「違法取引されたオランウータン450匹を保護とケア」「303匹を野生に還す」「豊かな生態系のあるスマトラ島中部のBatang Toru地域の熱帯雨林8800ヘクタールを伐採可能地区から保護地区へ指定」と成果を見せています。

コンデンスミルク入りのベトナムコーヒーも好き。

ちなみに東京ディズニーランドは約51ヘクタール(ヘクタールがどれくらいの広さなのかを身近な例で理解するより参照)なので、ディスニーランド173倍の大きさです。

ほか調査とモニタリングや生息地の保護の取り組みも行なっています。

おむすび

オランウータンコーヒーは10%の年間SOCP支出をカバーしているとのこと。今回はコーヒーのブランドの背景について深掘りしましたが、他にも自然と共存する栽培方法や抽出など調べてみると面白いだろうなと感じています。

次回は【オランウータンコーヒーその2、オランウータンコーヒーの栽培/精製方法・味・購入先について】、実際に私が購入から抽出、試飲を含めて書く予定です。

参考サイト

オランウータンコーヒーのこと
Pan Ecoのこと
SOCPのこと
アチェ・ガヨコーヒーのこと


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