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#3 どっちもどっち対決!コマンド式ミッションコンプリート型VS自走式クリエイティブ型

『過ぎたるは、なお及ばざるが如し』ってかっこよくないですか。けっこう好きです。
『帯に短し襷に長し』もかっこいい。約2,200字

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コマミとクリエの会話

コマミ「クリエちゃんー久しぶり!」

クリエ「コマミー元気だった?新婚生活どう?」

コマミ「うん、大きな問題はないんだけど…」

クリエ「何、どうしたの?」

コマミ「あのね、この間、うちの旦那にスーパーに買い物をお願いしたの」

クリエ「うん」

コマミ「頼んだのがコーヒーと卵なんだけど…」

クリエ「うんうん」

コマミ「1時間くらいして帰ってきたと思ったら、何も買ってこなかったの」

クリエ「どういうこと?」

コマミ「その、旦那がね、すごく深刻な顔して、どれを買えばいいのか分からないって言うのよ」

クリエ「それってコーヒーと卵が分からなかったってこと?」

コマミ「そう、みたい。コーヒーも卵も種類がたくさんあるからどれを買えばいいのかしっかり指示をしてほしいって」

クリエ「は?オオゴトすぎない?」

コマミ「コーヒーはね、いつも飲んでるやつって言ったんだけど、どうやら同じものが無かったらしいの。同じもののサイズ違いなのか、他のがいいのか。そしたら瓶型かスティック型か、個包装のドリップ型か、とか迷ったらしくて」

クリエ「はあ?そこまでしないといけないの?」

コマミ「たいして値段変わらないから何でもよかったのにって言ったら、銘柄も値段も選択肢が沢山あるのに、それを勝手に決められない。コーヒーを選ぶのに必要な情報が今の俺には不足しているからって買うのをリスケしたんだって」

クリエ「…ほう」

コマミ「で、次に卵売場に向かったみたいで」

クリエ「うーん、聞くのが怖い」

コマミ「卵に関しても私はちゃんと指定してなくて、いくらでも使うから沢山入っているの買ってきてって言ったのね」

クリエ「う、うん。全然おかしくないよ、普通はね」

コマミ「これも旦那はスーパーの卵売場を前にしたら何か買えばいいのか分からないって一つも買わずに帰ってきたの」

クリエ「なるほど。ちなみにこれはどんな問題が?」

コマミ「一番多い10個入りの卵を買おうとしたんだけど、サイズがMとLがあったと」

クリエ「なるほどね、たしかにね」

コマミ「さらに色違いやブランド物や値段が違うと」

クリエ「ふむ、そうきたか」

コマミ「しかもその日6個入りのブランド卵がセール中で、2個買うと割引だったらしいの」

クリエ「おーう。タイミング悪いね」

コマミ「変動要素がありすぎて今判断すべきではないとジャッジしたらしく、結局何も買わずに帰ってきたの」

クリエ「もう、何も言えねえ」

コマミ「ちなみにスーパーまで徒歩5分なんだけど、1時間かかってるからね。ずっと売場で悩んでたんだって」

クリエ「頑張ったんだね」

コマミ「ねえ、これって普通なの?おかしいよね?こんなことないよね?旦那が帰ってきてから真面目な顔で指示はもっと的確にするべきだって言われたんだけど、そこまで必要なの?私、混乱してきて、でも段々自分が悪い気がしてきて謝っちゃった」

クリエ「大丈夫、コマミは悪くない。全然悪くないよ」

コマミ「そうだよね、不安になっちゃったよ。クリエちゃんの旦那さんはこんなことなさそう。家事もするって言ってたもんね」

クリエ「あーそうね、うちはちょっと違うタイプかな。まあこっちはこっちでアレだけど。実はこの間ね、私も夫にスーパーに行ってもらったの」

コマミ「うんうん」

クリエ「その日は私が作る当番だったんだけど忙しかったから簡単にカレーにしようと思って、買い出しだけお願いしたのよ。夫は料理が得意だから何も心配してなかったの」

コマミ「いいなー料理できる旦那さん」

クリエ「完全に油断してたんだけど、夫が買ってきたものを見てほんっと反省したよね」

コマミ「どうしたの?」

クリエ「袋の中見たら、大量のスパイスと見たこともない輸入食材が入っててさ」

コマミ「まさか、スパイスで作る本格的なやつ?」

クリエ「そうなのよ。そして強力粉やベーキングパウダーも入っててさ」

コマミ「まさか、ナンも手作りで?」

クリエ「その通り。でもすぐに作れるカレーって言ったらルーを使った一般的な家庭料理を思い浮かべるよね?ルー買ってきてって言ったんだけどな」

コマミ「急にスパイスから作れって言われても困るよね」

クリエ「夫曰く、一応はじめはスーパーのカレールー売場には行ったらしいのよ。それで選んでいるうちにインドカレーの方が手軽に作れるんじゃないかって思ったらしくて、わざわざちょっと遠い輸入食品扱ってるスーパーまで行ってスパイス買ってきちゃったの」

コマミ「えー。それって旦那さんがスパイスから作ってくれたの?」

クリエ「もちろん。私スパイスから作ったことないわよ。私は普通のカレーを食べたい気分だったのにさ。しかも凝りだして時間もかかるし、勘弁してよって感じ」

コマミ「自分で料理作れるからアイディアが浮かんできちゃうのかな」

クリエ「普段は突拍子もないことしないんだけど、たまに私がお願いすると思い付きで予定を変更していくのがうちの夫の悪い癖ね。それを私にやらせるんじゃなくて自分でやるんだからいいじゃないかって言われたら何にも言い返せないけど、こっちにも予定があるのよね」

コマミ「分かる。予定が大幅に変更されるのもけっこうストレスなのよね」

クリエ「お互いタイプは違うけど」

コマミ「大変ね」

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