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第92回「劇場版すとぷり はじまりの物語」(2024年)映画という名のファンイベントでした

劇場版すとぷりについて話す。だが、すとぷりファンには聞かせるな。なぜなら、褒めることなど皆無だからだ。すとぷりファンではない俺が話す内容だから、かなり偏っているかもしれない。ある意味ではフラットな視点で語っているが、すとぷりファンにはきっと毒にしかならない。

映画好きとして見たが、最低でつまらない。地球上で一番無価値な映画だったと断言してもいい。この作品をすとぷりファンが楽しむのは勝手だが、友達の結婚式を無関係な他人が見たら、まったく面白くないだろう。それ以上に酷い。

例えば、友達に「すごく君と会わせたい人がいる」と飲み会に誘われた。しかし、そこは大学時代のサークル仲間の飲み会だった。全く関係のない俺が連れてこられ、サークルの昔話で盛り上がる連中を見ながら、取り残された感覚。それがこの映画を見たときの感覚だ。

さらに、そのサークルノリは俺を気遣うことなく、延々とつまらない話を続ける。下ネタまで飛び出す始末だ。本当につまらない映画だった。前回見た「ブルー君は大丈夫」が100倍良かった。

目の前に座っていた女子中高生たちは、すとぷりのキャラクターの人形を持ち、キャッキャしていた。それを見て、日本も堕ちるところまで堕ちたなと感じた。

この映画が上映されることで、熱狂するファンがいる現状が、日本の社会に悪影響を与えている。俺が老害だと言われても構わないが、そう感じる。もちろん、素晴らしいアニメ作品もある。「クレヨンしんちゃん」の劇場版は観客を感動させるが、すとぷりの映画はそうではない。

エンドロールで退場したが、本当に酷い経験だった。観に行ったのが夏休みの月曜日で、親子連れや女子中高生が多い中、おじさん一人で観に行ったのが恥ずかしかった。1,100円で観ることができて良かったが、騙されていると感じた。

この映画はファン向けのイベントであり、ファン以外は観に行くべきではない。ファンイベントとしては納得できるが、映画としては一切評価できない。映画好きの人には、逆に観て欲しい。こういう映画もあるんだと再認識できるから、シネフィルの人たちは観てみる価値がある。俺の気持ちを分かってくれ。頼む。

下記は音声配信です