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好き嫌い

最近、あるブログを見つけた。
Twitterの海でたまたまサジェストされたその文章は、なんでもない日常や思ったことをつづったもので、一般の若い人(大学生?)が書いているみたいだった。
正直、文章は上手ではない(はちゃめちゃでもないけど)と思うし、いわゆる「エモさ」もない。読めばなにか新しい学びがある!ってわけでもなくて、けっこうどうでもいい話ばかり。

でも、ひとつ読んだだけでこの人のこと好きだな〜と思った。「これが楽しかった!」「だからこの楽しい気持ちをみんなにシェアしたい!」みたいなマインドで、楽しんで書いているのが伝わってきたからだと思う。他人の目を一切気にせず、ポジティブな原動力だけで書いている感じが自由でいいなと思ったし、全体に漂う明るい傲慢さみたいなものも面白くて、かわいらしい人だなと思った。

たまたま見つけた知らない人のブログを読むことや、ましてやそれを好きだなと思うことなんて滅多にないので、偶然の出会いがとてもうれしかった。



そういえば、と思い浮かんだのはアートのこと。
もともと美術館へ行くのは好き寄りだったけど、どこか「詳しくはないしなあ」「価値とか評価とか分かんないしなあ」という引け目があって、大っぴらに「好きです」とは言えなかった。
でも、なにかで「アートは自分の好き嫌いでみてもいい」みたいな話を聞いて、ガンッと気が楽になった。それでいいんだーって。それ以来、作品をみるのがますます好きになったし、人と一緒に美術展をみにいけるようにもなった。

文章もそうなのかもしれない。
わたしは人の目を極端に気にしてしまうタイプだから、こういうのが上手い・下手なんだとか、みんなが良いと言ってるから良いんだなとか、他者のメガネを通してみるのがデフォルトになっている感じがある。
でも、まずは自分が好きかどうか。その目だけでいいのかも。
今回出会ったブログのように、自分が好きな文章をたくさん見つけられたら、もっと気楽に、文を読むのが楽しくなるのかもしれないと思った。

それで、いつかは自分も、自分で好きだと思える文章が書けたら最高だなと思う。


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