「選んできた論」の暴力
私には将来がないからです。
なぜこんな暗い話をするのかと思った方もいらっしゃるかもしれませんが
私にとって「将来がない」のは普通のことなのです。
私が16歳の時に母が倒れ、難病患者となった時から、
「私の人生は自分のものではなくなっていく」
ということがわかっていました。
まだ、母は自分のことはある程度できるので、
私は外に働きに出ることができますが、
母が寝たきりになったり、父が働けなくなってしまったら、
私は生活保護を受け取りながら、2人の老人を介護する。
そんな生活が待っているわけで。
しかし、私だって普通の女の子です。
恋愛もしたいし、夢だってあったわけです。
でも、好きな人と付き合っても
「うちの事情に巻き込みたくない。
この人にはもっと幸せになってほしい。」
と思ってしまい、
本気になる前に私から離れたり、
相手が私の家の状況に不満を言うようになって
「仕方ないじゃん!だったら他いけ!」
って私がキレて別れたり。
仕事の場合は、私が忙しくなると母の容態が不安定になります。
毎回毎回、「これからだっていう時にまたかよ!」
とイライラして、
「なぜ私はこんな家に生まれたんだ!」
と、自分の運命を何度も恨みました。
「なぜ私の人生はそんなに辛いんだろう」
何度もそう思いました。
ある日、横浜の方で仕事があって、
フラっと横浜中華街に立ち寄った際に、
ある占い館が
「タイムサービス!20分1000円だよ!」と呼び込んでいたので
入ってみました。
中国のタロットのようなカードで占っていただきましたが
そこで占い師の方に衝撃の一言を言われました。
「全部あなたの魂が選んでること。
生まれる家もそうだから。」
はあああああああああ!?
誰が好き好んでこんな人生を送ってるって!?
選ぶわけねーだろ!
選んだとしても誰かがやらなきゃならないとかで
押し付けられただけだろ!?
人の気も知らないで!!
と言いたい気持ちをグっとこらえて、
悔しくて悔しくて泣きながら聴いてました。
多分、占い師の方は、
私が悔しくて泣いてるんだとは思ってなかったと思います(笑)
「魂の浄化の涙ね〜」とか思ってたと思います。
私は占いの勉強をし始めた今でも
この占い師さんが言うような
「選んできた系」の理論は納得がいきません。
例えば、生まれつき持病がある方や、
障がいを持って生まれてきた方は?
健康な体に生まれてくることができたとしても、
俗に言う、「親ガチャ」の大外れの果てに
命の危険を毎日感じながら
怯えて生きている子供だっています。
日本に限定しない場合、
紛争地帯に生まれることもあります。
たとえ、「選んできた論」が科学的に立証できて
絶対に正しいと言い切れるようなものだったとしても
「運命は決まっている」って、
言っていい相手と言っちゃいけない相手っているでしょ?
悪い結果を伝えるな、と言うわけではありません。
「選んできた論」って、サラっと言われると
本当に暴言に等しいぐらい傷つくのって私だけでしょうか?
「片思いの相手が自分に興味がない」とか、
そういうレベルと同じような感覚で言っていい話じゃないんですよ。
人生を否定されたというか
「お前は苦しいだろうけどそのまま生きるしかねーからw」
って言われてるような気持ちになります。
「成長したら受け入れられるようになる」って言うなら
「わかるようになってから言ってくれ」
小学校1年生の初回の算数の授業で
開始直後に突然因数分解説明して、
「『今は難しくて解けない』って思ったかい?
でも君たちと同じ歳でも解いてる子供はたくさんいるよ!」
とか言ってる先生と何が違うんですか?
「選んできた論」を展開して相談者に受け入れられなかったことを、
「相談者が未熟だから」という理由で片付けていいのかって思います。
(その占い師さんから、私が学ばせていただいたことがあるとしたら
「相手が受け取れる形のアドバイスをしよう」ということでしょうか。。)
確かに私は自分自身は健康だし、
日本に生まれることができたので、
世界的にみたら十分に幸運な方だと思います。
ただ、占いの勉強をし始めて最初にわかったことは
「世界の幸せ」=「私の幸せ(相談者の幸せ)」ではないということです。
そして、おそらく、最初にわかったってことは、
「占い行為をする上で基礎中の基礎」
みたいなものなんじゃないかと思います。
まだまだ勉強する上で、考え方は変化していくと思います。
「どんな占い師になりたいか」と聞かれたら、
「相談者の人生を勝手に決めつけない占い師になりたい」
って、今の私は言うと思います。
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