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その仮面をはずすとき #仮面おゆうぎ会 参加レポ


 なんて面白い企画だったんだろう!
 熱狂の3週間を過ぎて、そう思います。

 GW明けから始まった坂るいすさんの企画 #仮面おゆうぎ会 は、今までに見たことのないオモシロ企画でした。

 この企画、感想をシェアしたり、作者が誰かを推理したりと、Twitter上で大いに盛り上がりました。本当は全記事感想書きたかったのだけれど、それは断念してこれを書いています。
 今夜からどんどん仮面をはずす作者が現れるのでしょう。それも楽しみなんです!
 この記事では、参加するまで、好きな作品5作、仮面をはずして、その3点を書こうと思っています。



1.#仮面おゆうぎ会 って?

 ご存知ないかたのために、ちょっとだけルール説明を。

 募集期間の2週間、毎晩21時に、応募者(作者)から届いた5000字以下の小説を、坂るいすさんのアカウントの記事として公開していくんです。作者は、自分らしく書いてもOKだし、誰かの文体を真似して書いてもOK。

 作者不詳の掌編小説。作者は企画終了後の2021年5月31日の夜以降は、自分のアカウントで作品を発表してもいいし、反対に名乗り出なくてもいい。今夜、発表解禁! つまり、全作者は、今のいままで仮面をかぶり続けてきたわけです。わたしをふくめて。
 文章以外で個性の出がちなヘッダー画像は、るいすさんが不公平のないよう無地の背景にタイトルのみを入れて作成してくれるという徹底ぶり。
 ですから、企画期間中、作者を知っていたのは、るいすさんだけなのです。

 

2.参加するまで

 この企画を知ったのは、Twitterのタイムラインでした。
 誰のシェアを読んだのがきっかけか忘れてしまったけれど、るいすさんの募集記事を読みにいって、度肝を抜かれました。

 面白そう! なんだこの企画! 参加する!

 そこまでは、即決。

 でも、5000字以内で出せる小説のストックがない。今から書く? いや、絶対に間に合わないよね。でも、待てよ。途中段階で7000字を超えている書きかけならある。ラストは決まっているし、二人称を一人称に直してエピソードを省けば、5000字にできるかもしれない。

 あわただしい脳内会議を終えて、わたしは参加を決めました。 

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 そのころ仕事は、緊急事態宣言と医療関連学生へのワクチン接種の影響で、残業や休日出勤が増え、かなりのハードモード。参加できるのか?わたし!

 いっぽうで、読み手としては楽しみでしょうがなかったんですよね。
 絶対に、あの人は書くに違いない!って思う書き手が片手以上はいたので、何作出されようが、すべて読む気マンマン。
 もうね、毎晩新作が発表される21時は、わくわくドキドキでした。

 その時間に合わせて、湯船に浸かりながらゆっくり読む。誰の文体に近いだろう?なんて思いながら読みはじめるけれど、読んでるうちに小説の世界に没入してしまって、結局、誰が書いたんでもいいや、って思ったりもする。
 構成や文章のあまりの上手さに、いや、これ応募したらいかんやつやって思ったり、いやいや感動ばかりしてないで、さっさと風呂出て書かんかい自分!って思ったり。

 思えば、このタイミングで感想シェアをしておけば良かったなぁ。後からまとめてって思ったときには、予定外の仕事ばっかり降ってきてて無理でした。おかげで今日は休みをもらえたんだけど。

 

3.好きな5作品(エントリーNo.順)

 何度も読んでいるうちに印象が変わる作品がいくつもあって、選ぶのに悩みました。今日の5作品は、これです。ひとりごととして感想を書きます。
 それから、ここに貼る仮面おゆうぎ会の応募作品は、1週間後にはるいすさんのアカウントから削除されるため、リンク切れになります。作品が本人のアカウントで公開されたのが確認できたら、リンク先を置きかえる予定です。

■ No.4 思い出を消さないで

 わたしのなかで全29作品(最終的には28作品)中、ダントツの1番。
 何やねん、天才か! めちゃくちゃ面白かった。これを読んだ瞬間、応募をやめようかと真剣に思った。
 中盤から終盤にかけてたたみかけてくる展開は、まさにショートショートの醍醐味。読み終えたあと、脳が「快」を覚える。くせになる「快」。書き手は思い浮かばず。

【2021.6.3.追記】書いたのは、こげちゃ丸さん。感想ツイートも読みが深くて、読み手としても書き手としても尊敬です!

 

■ No.6 ワイルドサイドを歩け

 ドラマのような会話劇に、ぐっと引き込まれた。後半の展開に“今”までの時間の経過だけでなく、時代の移りかわりまで漂ってきて。タイトルになっている曲名も内容とリンクしていて、調べて おお!そういうことか!ってなった。
 最初に読んだ瞬間から思い浮かぶ書き手がいたのだけれど、今日、この作品を音読したらイメージが変わった。台詞の間に挟まれる文章がト書きに見えてくる。となると、違う書き手が思い浮かんできて。

【2021.6.3.追記】書いたのは山羊メイルさん。ずっと山羊臭を感じて、山羊さんだと信じ込んできたのに、この日つい血迷った結果、痛恨のミス!

 

■ No.11 蛍売り

 今日また各作品を読みかえしていて、印象が変わった作品。一票入れそこねた。後悔!
 時代背景によく合う硬質な文章に、背筋をただす。「生きている」ことの重みが今の世の中とちがって感じるのは、わたしがこの世代の人たちから話を聞いて育ったからかもしれない。
 畑のまばゆい光、垂れ下がる瞼とそれを隠す前髪から見る薄暗さ、田舎の夜の漆黒、光る蛍の舞。繊細に計算された光と影が、生命とやるせなさを浮き彫りにする。書き手は思い浮かばず。

【2021.6.3.追記】書いたのは、湖嶋いてらさん。今、この感想を読み直して気づいた。わたし、書いてるじゃん! “光と影”、“生命とやるせなさ”。これって、いてらさんの作品に通奏低音的にあるものなのに。書いていて、なぜ気づかない!!!

 

■ No.15 オレにマイクをくれ

 同じことをやるはずもないのに、「うわ、なんかわかるー!」って思ってしまう“過去のオレ”の心情描写。ついつい引き込まれ、ついつい笑ってしまう。そして最後のオチにほろっとさせられて。ずるいなぁ。ほんと。大きな愛に包まれる作品。
 冒頭から書き手がひとりしか思い浮かばず、ニヤニヤ笑いが止まらない。何度読んでも同じ書き手にしか行きつかないけれど、これが文体模写だったら・・・と思ってしまう仮面おゆうぎ会、マジでこわい。

【2021.6.3.追記】書いたのは、ささいな笹さん。しかも、文体模写ではなかったらしい。マリナさんの文体模写かもって、ちょっとだけ思ってた。種明かしも面白かった! 次回はこうやって遊ぼ♪

 

■ No.21 近未来 fall in love

 2020年以降だからこそ描ける「近未来」。わたしは教育現場で働いてるので、ここ2年の対面授業の少なさがこども達に与える影響を日々実感していて。わたしが心の内に持っているざわざわが、的確に物語に反映されていて、やられた!って思った。
 マスクに覆われた口もとの官能的な描写、これ、実はわたしの書きたいものリストにも入ってる。先越されたー!! ここからどうなっていくんだろう。続きが読みたい。書き手はこれも思い浮かばず。

【2021.6.3.追記】書いたのは、地中海性気候さん。まさか参加していると思っていなくて、種明かしnoteを読んでびっくりするやら、うれしいやら!

 

4.仮面をはずして

 さて、そろそろ仮面を外そうと思います。ここまで長いっちゅうねん。

 が、その前に声を大にして言いたい。
 マリナ油森、恐るべし!(呼び捨て、お許しを)

 この記事の袋とじ(有料)部分に書かれた作者予想のなかで、彼女はわたしの書いた作品を見事、当ててるんですよね。
 彼女が書いてくれた作者予想の文章、本当はここに載せたいけれど、有料部分なので載せずにおきます。でもね、マリナさんの言葉、めちゃくちゃうれしかった!!!

というわけで、わたしが書いた作品は、これです。

■No.26『Vanillaトレイル』

 Google Documentの 4925字の下書きをそのまま投稿フォームに貼り付けたら、まさかの 5000字超えで、泣く泣く字下げをカットすることに。文字数ギリギリすぎるっちゅうねん!笑

 この小説の本文は長いので、明日20:00に公開しますね。
 まだ、読んでいないかたは、できたら明日、読んでもらえたらうれしいです。
 そちらは、ちゃんと字下げしてます。スペースで5000字超えてるけども笑

 

 最後に、めちゃめちゃ楽しい企画を主催してくださった、坂るいすさん!
 めっちゃ楽しかったし、まだこれからの楽しみもあって、ほんと最高!!!です。ありがとうございました!

【2021.6.3.追記】票の集計に結果発表、熱気あふれる感想まとめnoteに、種明かし作者まとめnote、めちゃめちゃ手間のかかる応援体制で、書き手も読み手も楽しませてくださって。るいすさん、ありがとうございました!


 


ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!