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映画ゆるキャン△感想 四の五の言わずまずは劇場に来い

映画ゆるキャン△を見てきたぜ。その日、劇場はコッテリした同類キモオタに包まれた。

名古屋のタウンペーパーを発行する出版社に勤務するリンちゃんは、大垣に飲みに誘われホイホイとついて行ってしまう。
初めは「苦手なんだよな」と言っていた千明を『アキ』呼び、からのサシ飲みやるまでに打ち解けていてまず涙だよね。
劇中で「二代目グビ姉」を襲名した大垣は名古屋コーチンの手羽揚げを豪快に頬張りスーパードライで流し込みつつ、ある相談を持ち掛けた。

山梨の地域振興課に転職した大垣は、リンちゃんにキャンプ場の立ち上げに参画してくれと頼む。場所は富士山の麓の僻地。ほぼ野原と廃墟、青少年自然活動センター跡地。

押せば断れないと見るや否や、大垣はリンをハイヤーに押し込め、あろうことか実際に現地に発ってしまう!大垣、貴様これが初めてじゃないな!?吐け!

時刻はスズメもまだ眠る5:20。野原と廃墟のキャンプ場予定地に降り立つ。いやな顔一つせず走り去るタクシーの運ちゃん。男だ(札束を手にしたとは言え)。
ベンチでいびきをかく大垣を残して、リンは予定地を値踏みする。これは管理棟にいいな、トイレもあるな、この・・・鉄骨の・・・なんだこれ。

一通り見て回った時、どこから嗅ぎつけたかジムニーを乗り回したなでしこのエントリーだ!大垣は酔った勢いで野クルメンバーに緊急招集をかけ、大百合キャンプ場開発をもくろんでいた!貴様!大垣!普段からこういう事してるんじゃないだろうな!?そういうとこだぞ!

再び集結した野クルメンバー。30手前ぐらいだろうか?皆、各自のスキルを活かした職に就き、充実した生活を送っている。彼女らの成長した姿は正直、全く想像ができなかったが、こうして劇場で見てみると収まるべき所に収まったという印象だ。キャンプ場開発の間に挟まる形で、彼女たちの日常も見ることができる。そこにはフィルトレイトされているとは言え、大人の世界で頑張る彼女たちの姿があった。多くの苦労と小さな成功を積み上げて今の彼女たちがある。キャンプ場の開発と彼女たちの軌跡が交差するシナリオは、メインターゲット層の大人達にも共感できるものであろう。
ファンならば四の五の言わずに劇場に来いと、そう言いたい。

私は散々、原理主義に陥る危険性について説いてきたつもりだったが、まだ足りないようだな。ネット上では、原作にないシナリオで劇場版を作るのに反対する原作至上主義者がいるようだが(ドラマ版の時も)、それは否である。原理主義など今日日流行らん。時代は今マルチバースである。
お前の解釈でいいのだ。お前の考えを発信せよ。世界観同士が接触することで新たなものが生まれる。神は愛せよと言った。お前が原作を愛するように、他の解釈も愛するべきではないだろうか。

劇場特典の書き下ろし漫画と、売店で買ったなでしこ缶バッチ

ゆるキャン△は、いわゆる女子高生に○○やらせてみた系のアニメである。バンドさせたり、バイクに乗せたり、射撃やらせたり、山登らせたり、カフェやらせるのは星の数ほどあるし、サバゲさせたりといろいろ作られてきた。

おれは今回その理由が分かった。それが映画ゆるキャン△の最大の難点、大人の女だと雑念が入ってしまう!
だってさー、お前、犬子の乳を見ろよ。あんないやらしい身体して未婚って無理あるだろ!?美人局かバカヤロウ!絶対子供二人いて三人目がおなかにいるゾ!
・なでしこ→彼氏がいたが、食費で破産して行方不明(わかる。なでしこの食費で破産したい人生だった)
・リンちゃん→近寄りがたい美人で気難しそうだから、男がビビッて彼氏いない(わかる。スクラクストン乗ってる時点で並みのバイク乗りも近づけない。つよい)
・千明→活動的すぎ、クセ強すぎ、酒癖悪すぎて彼氏できてもすぐ分かれる[わかる{大垣の良さが分かるのは俺ぐらいだからな(後方彼氏面)}]

その点、犬子、斎藤は万人受けする性格だし、絶対結婚してるだろ。ん?斎藤、お前横のおっさん誰だ。・・・え、マジかよ・・。

なんの話だったけ?そうそう、こういう○○させてみた系の作品では女の子には処女性が求められる(上品にアイドル性って言い換えても良し)ってこと。主題に集中させつつ、ある程度女性の美が完成していて、かつ男の臭いのしないギリギリのラインが女子高生なのだ。
実際、大人版の彼女たちは髪型が変わったぐらいで、外見上の変化は殆ど無い。この辺の、設定と現実のギャップはスタッフも相当悩んだんじゃないかと思う。
彼女たちの部屋のシーンの度、えっちなアイテムとか男物の下着とか映らないかとハラハラしたものだ(映るわけがなかろう)。主題にカワイイを添えつつ、視聴者に集中して作品を見せるには女子高生を主人公にせざるを得ない。それが今回学んだ教訓だ。

筆者もキャンツーをたしなむ者だが、ああいったキラキラしたお洒落なキャンプはしょせんは夢物語の世界だ。

今はなき宮原青少年野外活動公園での朝。現実のキャンプは過酷である。


徐々に装備を増やしていけばいいのだ。恋焦がれろ。いつかは美少女に囲まれたグランピンを・・・。現在、ゆるキャンとコロナの影響もあって、絶賛キャンプブームであり、結果として全然キャンツーに行けてない。キャンプ場に行けばテント乱立の難民キャンプ状態。
キャンプグッズが安価かつ高品質で手に入るようになったのは喜ぶべきことだが、使えないんじゃ意味がない。

それでも今日もキャンプ愛好家は大枚はたいていろんなガジェットを買い込むのだ。これは非常時にも使えるからと己を欺いて。


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