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実子への思いは消えるのか?
特別養子縁組で子どもを迎えて、ほぼ1年になる。
生後5日での委託だったので、ヨーヘイは生んでくれたお母さんとおなかで過ごした時間よりも、育ての親であるわたしたちと過ごした時間が長くなった。
特別養子縁組の審査で、実子への思いを問う質問があった。
「実子への思いは、たぶん消えないと思います」
と答えたのは、過ぎ去ったこともあーだこーだ悩むわたしの性格からして、なかったことにはできないだろうと踏んでのことだった。
きっと胸の痛みを感じながら、実子への思いを捨てきれないんだろうと思っていた。
ヨーヘイはこんなに小さいのに、わたしたちをたくさん笑顔にしてくれた。
新生児のときには泣くのみだったのに、2ヶ月ほどで笑うようになり、今では親を見つけてニコッと笑顔になったり、褒めてー! というようにこちらの反応を待ってる。新生児のときよりも今のほうが反応がある分、かわいさ世界記録を日々更新している。
人見知りをして泣いたときには、親(というよりお世話係一号?)として認めてくれたのかと、えも言われぬ喜びがあった。
それでもあのとき回答した通り、「実子だったらどうだったかな?」とふと思うことがある。
実子のほうが良かったという意味では決してないし、胸の痛みはすでにほぼ感じない。
親戚のあの子は元気かな? と思い浮かべるような、まったく別物の存在として興味があるといった感覚だ。
夫のように肌が白かっただろうか?
わたしのように二重だっただろうか?
思ったところで答えなんて分からない問いだから、そのまま空中に溶けていく。
でも自分の周りに漂っている。
今でも妊娠している方をみると、いいなぁと思うことがある。
日々大きくなっていくお腹に話しかけてみたかったなぁとか。
胎動を感じてみたかったなぁとか。
辛い思いをしている人には申し訳ないが、つわりさえも体験してみたかったと思うのだ。
つまり、わたしには実子に対して2つの思いが消化しきれずにまだあるんだろう。
1つは遺伝的につながった子どもを見てみたかったということ。
もう1つは自分のおなかで赤ちゃんを育みたかったということ。
だんだん薄れていくだろうけど、完全には消えない思いなのだろうか?
また時間が経ったらこのテーマを考えてみよう。
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