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たずねびと

待つこともなく待つ
いつ来たれるかわからない
たそかれの薄明に憶い
かたはらの片隅に気づく
不意の訪いとは
うずくまる者にこそ聴される

得ることもなく失う
ゆきかた知れず影もない
頬撫でる春風に懐われ
ほころんだ一輪に兆す
不在の在は
ふたがれた手にはもう宿される

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