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せせらぎの はじめの
ひとしずくは 涙だった
ひとり生まれたことが
うれしくて こわくて
まるごと涙になって泣いたのだ

こぼれ落ちた その瞬間
いちどきに 世界が
四方八方から映りこみ
しずくは
まるごと眼になって瞠った

ひとしずくから やがて
大河へ流れても 水は
生まれたときの
しずけさも おどろきも
たたえて めぐる

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