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地底の光 ⅱ

闇にふたがれ落ちてゆき
どん底にふれたとき
まだ来るな と返された
苛烈なまでの光だった

死ぬのだろうと思っていた
いやいっそ
あのまま死んでしまいたかった
でも 生きていた

心には
どんな思いもなかった
ただ ひたすらに
むなしいほどに明るかった

生かされたというよりは
生きてゆくほかにないと
涙目のまま目を上げると
ネオンが十字に伸びていた

出遭った者の名は問えまい
わたしの心の奥の光だ


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