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「英語はツール」論にモヤモヤが止まらない

「英語なんて道具に過ぎない」

「英語はツール」

という主張に合うたび、モヤモヤが止まらない。

確かに、旅行に行った時に

「駅はどちらですか?」

「違うサイズはありますか?」

と聞いたり、

来日中の外国人と食事に行ったり、ピクニックをしたり、

あるいはビジネスで、外国人上司や同僚と会議で議論したり、

取引先と交渉したり

といった場面では、英語が日本語の代わりに使われるという意味での道具論に一理あるとは思う。

でも、

道具に過ぎない。単なるツールだ。

という主張には、やはりモヤモヤが止まらない。

.....,

そもそも「道具」、「ツール」とはなんだろう。Oxford Advanced Learner’s Dictionaryによれば、

a thing that helps you to do your job or to achieve something

と定義されている。

なにか目的があり、それを達成するための「助け」となるもの

だ。

つまり、

まずは、なにか成し遂げたいことやすべきことがあることが前提

となる。

その上で、それを実現するために助けとなるものなら、英語を「道具、ツール」と呼ぶのは妥当性がありそうだ。

そして、わたしのモヤモヤの解決にも一役買ってくれそうな気がする。

......

私が企業英語研修の講師をしていた頃のエピソードを例に考えてみよう。

英語研修の企業先で、私は受講生の英語に対する「認知の歪み」を露わにするため、いつも質問していたことがある。

いま、英語がペラペラになる薬があるとします。飲めば一瞬で、英語が自由自在に使えるようになります。さて、みなさんはいの一番になにをしたいですか?

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