あえて司馬遼太郎を薦める
どうも、水野悠平です。
だいぶお久しぶりです。
この半年ほど、いろんな音楽やら本やら映画に触れて、頭がぐちゃぐちゃになっております。そろそろアウトプットしないとヤバいかも。
ということで久しぶりに書きます。
とりあえず今読んでいるのは司馬遼太郎『坂の上の雲』です。
え?
司馬遼太郎?
なにがあった?
と、1年前の僕ならば言うでしょう。
なんせ、司馬遼太郎の本を読むなんてたぶん25年ぶりくらい。
昔は結構読んでいたんですよ。『燃えよ剣』とか『竜馬がゆく』とか、幕末物を中心に。
でもなぜか、あるときからパタッと読まなくなり。
それがここにきて、実はちょっと愛媛に旅することになりまして、それで読んでみよっかなと思ったんです。
文庫で8巻。
ちょっと読んでみるという量ではない。旅行に行っている時間よりはるかに長い時間がかかる。
しかしですね、さすがというかですかね、読んでみるとやっぱり結構面白くて、物語の世界に引き込まれて、すいすい読めてしまう。
読めてしまうのだが。
う~ん、これはどうなの?という部分も多いのですよね。
まず何より国民性に対する決め付けが多い!
「日本人は○○だ」
「ロシア人は✖✖な傾向がある」
それに加えて女性蔑視的な表現も多い。
「この人物(男)には女性のようなところがあり、(以下批判的な描写)」
現代ならアウトだなというセンテンスが所々に見られるのです。
「まあ昭和だから仕方ないか」とも思うのですが、それで済ましていいものか。
考えてみればですね、僕の周りにも結構いたんですよ、司馬遼太郎好きが。
高校の頃とか、大学の頃とか。
その人たちは今40代になって、社会の中枢にいる。
もう少し上になると、「司馬好き」はさらに多い。
そりゃもちろん、その人たちもアップデートされて、現代的な価値観を持っていると思うんですよ。
でもね、前回のトーマスの話じゃないけど、若い頃に読んだ小説とかって、無意識のうちにめっちゃ影響を受けているじゃないですか。
それがふとした拍子に表に出てきたりして。
周りの人は気が付かないふりしてくれているけど、実は心の中でドン引きしていたりして。
こわくないですか、かつての「司馬好き」のみなさん。
だから僕はあえて、今もう一度、司馬遼太郎を読むことを薦めます。
そのことによって、自分の価値観をもう一度見直せるから。
自分の中に密かに眠っている、決め付けとか蔑視に気が付けるから。
僕は思うのです。
そういうのにもし気が付いちゃったら、眠らせたままにしておけばいいと。
でもちゃんとそいつがいることに気が付いていないと、うっかり起こしちゃうことがある。
だからたまには、眠っている自分の差別意識の寝顔を、しっかり眺めないといけないんだなと思うのです。
今まで読んだことが無い若い人にも勧めます。
理解できなかった老人たちの価値観を、少しは理解できるようになるかもしれないから。
大丈夫、ストーリとしての面白さは保証します。
ていうかね、なんだかんだ言って、
「今から司馬遼太郎の大長編を読みはじめるぞ」
と思ったら、めっちゃわくわくしたからね。
やばい、直近の司馬遼太郎のことだけでたくさん書き過ぎた。
この半年で触れた他のものについてはまた今度。
皆さんお元気で。
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