上達へのアプローチ

今回は麻雀の上達法というよりも、上達という行為それ自体についての話。

人は初心者から始まる。ある物事で上達したいという向上意欲を最初から持っていたとしても、初心者から始まる。では上達したいという初心者がやるべきことは何か?

上達自体へのアプローチとして大切なものはなにか。これはやる気と情報収集と行動に尽きる。特に情報収集について今回は掘り下げたい。

まずは情報収集と選別だ。ここが非常に大事。麻雀を打つことよりも大事。

インターネットが広がった時点で、個人は莫大な情報にアクセスできるようになった。今となってはWebテキストだけでなくSNSでの個人の発信情報やYoutube等での動画コンテンツも多い。ツールアプリなどもある。もちろん専門性の高い人が体系的にまとめたという意味でまだまだ本の価値も高い。

というわけで上達したい物事について、インターネットを使って、徹底的に参考にすべき人、情報が信頼できそうな人、を探す。これは時間をかけて徹底的にやるべきだ。麻雀だと初心者は誰が正しいことを言っているのかを判別するのが難しいだろう。それでも徹底的に探すべき。ここで間違ってしまうと、それ以降も全て間違うことになる。

ここで、自分の身の回りの人を参考にしたい(例えば、友人に麻雀を教えてもらう)と思うかもしれないが、よっぽど信頼をおける確信がない限りはやめておく。インターネットは世界に繋がっているので、その世界での上質さのレベルが段違いである可能性が高い。

情報を集め、精査することで、「この情報は信頼できそう」「この人の言っていることは良さそう」とか「この人の強さには信頼性がおけそう」みたいな情報にたどり着くはずだ。ここまできたら(少なくとも脱初心者までの)上達へのアプローチの大部分が終わったといってもいい。

あとは、その信頼のおける情報の通りに行動する。あるいは人であれば、その人をひたすら真似る。その人の言う通りにする。その人に紐づいた情報を得る(著書など)。麻雀であれば、どうにかその人の教えを学ぶ。直接教えてもらえれば最高だ。その上でその通りになるような麻雀を打つ。初心者のうちは自分だったらどう打つか?を考えるのではなく、もしその人だったらどう打つだろうか?と考える。最初に重要なのはやる気と情報収集と行動と書いたが、行動はこれらの情報を遂行するために行う。

また、情報精査の時点で有力ではないと判別した情報については一切無視する。余計な情報は特に最初は害になる。色々な意見を元に自分でよく考えるべきだ、という人もいるが、少なくとも初心者時点で色々な意見を元に自分の考えを深めるのは難しい。それによって上達するよりも、それによって混乱する可能性の方が高い。ということで、不要だと判定した情報は必ず無視する。

これ、やってることは「その道の優れた人を探してその人の教えを受ける(真似る)」ということでしかない。でしかないが、これはインターネット以前ではできなかった。

例えば格闘技を習いたかったら自分の住んでいる地域の道場で評判の良さそうなところにいく、ということしかできなかった。たまたまその地域に世界チャンピオンの道場があった初心者と、多少できるレベルの道場しかなかった初心者では、向上の幅が大きく違うはずだ。

しかし今の環境では、徹底的に情報を使いこなすことで、世界チャンピオンクラスの情報にアクセスすることができる。

初心者がまず考えるべきなのは麻雀そのものではない。どこに情報があるのか、誰を真似るべきなのか。そこを徹底的に考える。麻雀について色々考えるのはその後の話になる。


ここから余談。

なぜこんなことを書いたかというと、はやくしないとこれから情報がどんどん閉じていく可能性があるからだ。

どういうことかというと、無料でアクセスできるインターネットに(玉石混合ではあれども上質な)情報発信者がたくさんいる時代というのは、おそらくここ最近でピークを迎えて、あとはだんだんと閉じたコミュニティでのみ上質な情報がやり取りされる世の中の流れではないかと思っている。(これは完全に素人推測だけど、コロナ以降で閉じられたオンラインコミュニティの居心地のよさに気づいてそっちに流れる人も結構いるのではと思う。)

一部界隈ではそういう傾向が見られているし、有料noteや有料オンラインサロン等閉じられた環境がメジャーになれば、その時点以降から界隈を観測したり、情報収集癖がない人にとってはかなりきつい状況になる。結局は買ってみるまで分からない、口コミの評判に頼らざるをえないみたいなインターネット以前の学習環境に戻ってしまう。

だから今のうちに上達に限らずともあるトピック・界隈の情報収集と精査の癖はつけておいた方がいいと思っている。

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