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オラファー・エリアソン「ときに川は橋となる」超おすすめ

オラファー・エリアソンの個展「ときに川は橋となる」がめちゃくちゃよかった……。半日休をとって平日に行ってきたんだけど、空いてる平日に行くのを全力でオススメする。全部の展示をじっくり見られたし、光のアートを独り占めできる時間もあった。

この展覧会のテーマは、気候変動やサステナブル。公式HPには、

オラファー・エリアソン(1967年生まれ)はアートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきました。本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成されます。
〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります」

というエリアソンの言葉が紹介されている。

CO2の排出を抑制しようと、今回の展示品はベルリンから日本まで船で運んだそうだ。ただ、その活動もアートにしてしまうのがすごいところ。運んでいる間の船の揺れを記録したドローイング「クリティカルゾーンの記憶(ドイツ―ポーランド―ロシア―中国―日本)」は、それぞれが全く違っていて「この場所ではどんな風に揺られたんだろう」と長い旅路に想像がふくらむ。

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ソーラーエネルギーで動く「太陽の中心への探査」、キラキラして万華鏡みたい。ぼーっと見入っちゃった。きれい~

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ライトに照らされた自分の影が白いスクリーンに映る「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」。前に進むと影が小さくなって、下がると大きくなって。思わずパタパタ動いてしまう。ほかの来場者の人と影が重なるのも面白い。

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なぜ平日の早い時間に来たのかというと、参加型アートの「あなたの光の動き」をやりたかったから。1セッション10分ちょっとかかるし、2人しか参加できないから、土日はかなりの競争率だろな…。
無事に参加券をゲットして、初めましての方と、白とオレンジの携帯式のソーラーライト「リトルサン」を手にして、スクリーンに向かってダンスする

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光の軌跡が残ったり、残らなかったり。これはとっても楽しかったな~。

ミラー・ガラスと光のインスタレーション「おそれてる?」は、なんでこんな風景になるんだろう~という不思議な感じ……。

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太陽に照らされる地球や月との関係を思い出したり、三原色ってあったなぁとかいろんなこと考えた。

ミストに光が投影されている虹のインスタレーション「ビューティー」もぼーっと見つめていられる。場所を変えると虹が消えたり、また浮かんだり。

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今回の展覧会のためにつくられたインスタレーション「ときに川は橋となる」もすっごくよかった。水の波紋が、丸い光のカタチをそれぞれに変えていく……

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そして最後の「溶ける氷河のシリーズ」。1999年と2019年のアイスランドの風景写真の比較には、心がずーんと重くなった。氷河が完全に後退しているのが分かる。

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大学時代、働いている先輩たちとの飲み会で、温室効果ガスの話をしたら「意識高いね~」とからかわれたことを今でもよく覚えている。でも、日本でさえこれだけ豪雨災害や四季の変化が起きている。人ごとだと笑っていられるフェーズではない。
気候変動に対して行動に移す若者たちを冷笑する人が多いことにも本当にがっかりするけれど、自分はそうならないし、自分にできることを少しでもやっていくんだと改めて決意した。
エリアソンの「気候変動を自分ごととして思ってもらうために」という展覧会の趣旨にすごく共鳴したな。

ここ数年、「自分ごと」がキーワードだなぁと感じている。未来のことも見据えて、自分の頭で考えて、自分の体を動かして、自分で決めていかないといけないなぁ。

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