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学び

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#私の仕事

「編集」とは何か? 編集者の仕事をもう一度考えてみる

「編集」ってなんだ?ここ数年、「編集」という言葉が注目を集めている。特に、編集者という職務上の技術としての「編集」がビジネス一般に活かせる、という文脈で語られる機会が多くなったように思える。 どちらかといえば、世の中に出ることが少なかったこの職業にスポットライトが当たることは、どのような文脈であれ、基本的にはいいことだ。「編集」という仕事に関心が集まっていることは編集者の端くれとして純粋に嬉しいし、出版業界の未来のためにも、多くの若者(学生)が編集者という職業に憧れを抱いて

インタビューの教科書:『REAL SPORTS』編集長・岩本義弘さんに聞くインタビュー取材のいろは(徳重龍徳)

インタビューに正しい方法はあるのだろうか。 25歳から記事を書き始めて14年がたった。新聞、ウェブ、たまに雑誌。媒体は変われど取り組み続けてきたのがインタビューだ。 人の話を聞き、その内容を理解し、記事にする。話し聞くことは記者だけでなくコミュニケーションの基本だが、インタビューをする度、記事に起こす度に七転八倒する。 結果として良いインタビューと呼ばれた記事も、自信があったけれど読まれなかった記事もあった。インタビュイーに話しやすいと褒められたことも、取材後すぐにもっ

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モネ・ゴッホ・ピカソ—名画を未来に残すために。 「絵画保存修復家」という仕事

香川県・直島にある地中美術館。5年ほど前にそこを訪れ、私が目にしたのはクロード・モネの「睡蓮の池」だった。モネ室と呼ばれる広い展示スペースの白い壁に飾られたその名画は、想像していたよりも大きく色調の美しさとパワーに圧倒されたことを覚えている。 モネが描く世界観を現在まで守ってきた職人が、絵画保存修復家の岩井希久子さんだ。モネ、ゴッホ、ピカソといった、名だたる芸術家たちの作品を蘇らせてきた。 岩井さんのアトリエを訪れ、絵画保存修復家の仕事について聞いた。 1955年熊本生

「本のない家」で育った私が、ブックデザイナーになったわけ。

『クイックジャパン(太田出版)』、『文藝(河出書房新社)』、『生理ちゃん(KADOKAWA)』など人気タイトルを数多く手がけてきたブックデザイナーの佐藤亜沙美さん。装丁や本づくりへの思いを語ってもらった。 そんな佐藤さんは意外にも「本のない家」で子ども時代を過ごしたと話す。それでも本づくりに携わる仕事に就いたのはなぜ? 本はルールをちょっと外すと刺激的になる 佐藤)学生のころに、デザインの勉強をはじめました。そのあと働き始めた出版社のデザイン室は、ひとりひとりがプレイヤー