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ごちうさ最新話の見どころまとめ(まんがタイムきららMAX2022年1月号)

「ご注文はうさぎですか?」(以下、ごちうさ)にはたくさんの魅力がありますが、いざ人に説明しようとすると何から話せばいいか迷いますよね。

キャラクターの成長?ストーリーの伏線?自分の中では素晴らしいものだと分かっているつもりでも、それを言葉にしようとすると案外難しいものです。

まんがタイムきららMAXの最新話を読むたびに、この作品の奥の深さを実感する自分がいます。何も考えずにごちうさのことを楽しむのもアリですが、せっかくならこの魅力を人に伝えられるようになりたいですよね?

この記事は、そんなファンのために、毎月更新されるごちうさの新たな魅力を紐解くことで、その見どころとなるポイントを整理し、まとめていくものとなっています。

さて、今月もごちうさの最新話が公開されました。

お話に関わる重要なシーンをピックアップいきますので、よろしければ最後までお付き合い下さい。

注意:本記事は、まんがタイムきららMAX2022年1月号掲載のごちうさに関するネタバレを含みます。

■ 一人の「まほうつかい」が紡いだココチノの出会い

本編に入る前に、前回のことを軽く振り返っておきましょう。ココアちゃんたちの進路の話が一段落しましたね。

シャロちゃんが都会の大学への進学を宣言したことにはじまり、ココアちゃんまで木組みの街を離れると言い出して、色々ありましたが、最終的にはみんな笑顔で終わることができて良かったです。

物語的には、次のテーマに移ろうかという頃。ちょうど原作11巻のお話が今回から始まることもあり、多くのファンが普段以上に楽しみにしていたのではないでしょうか。

そんな中、今回は珍しく幼少期のココアちゃんから始まります。泣きじゃくるココアちゃんに手品を見せるのは、誰もが知っているあの女性。

このタイミングでまさかサキさんが登場するとは思いませんでした。ココアちゃんのお母さんからは「うさぎちゃん」なんて呼ばれてはいますが、この人がチノちゃんのお母さんであるのは誰もが知っていることでしょう。本名は「香風咲」。原作ではハロウィン回以来の再登場です。

サキさんが出てくると、思わず襟を正したくなる自分がいます。なんたってごちうさの重要人物ですからね。

はぐれてしまったお母さんを探すための街めぐり。旅の中で、ココアちゃんはたくさんのものに出会います。大きな着ぐるみに、街を走る汽車。爛々と目を輝かせるココアちゃんがもう最高に尊い!

フルカラー1ページを丸ごと使った大々的な演出もあり、この出会いがココアちゃんにとってどれほど鮮烈なものであったのかが見て取れます。街からもらった数々の感動を、ココアちゃんは成長してからもちゃんと覚えていました。この日感じた「わくわく」こそが、ココアちゃんを木組みの街に導いたわけですね。

↑原作2巻収録「目標は毎日が記念日」の一コマ

幼いココアちゃんは、ラビットハウスのマスターに「おまじない」をかけたことがあります。勘のいい方はすでにお気づきだと思いますが、「ご注文はうさぎですか?」というタイトルの元になった原作2巻。あの回想シーンの直前に起こった出来事を描いたのが、今回のお話です。実際、コマをよく見てみると、それを仄めかす描写があります。

↑まんがタイムきららMAX2022年1月号175ページ

そういうわけで重要なことが立て続けに判明したシーンですが、一番強調したいのはやはり、ココチノの出会いはサキさんが引き合わせてくれたものだったということですね。これが嬉しかった。

チノちゃんはココアちゃんのおかげで救われたと思うんです。今でこそ周りの人たちに囲まれて楽しそうにしていますが、祖父やお母さんを亡くしたときには寂しい思いをしたでしょう。マヤちゃんやメグちゃんと出会う前は、本当に教室で一人、本の世界に閉じ込もるような子でした。灰色の世界に光を差し込んでくれたのがココアちゃんです。

そのココアちゃんが木組みの街に来るきっかけを作ったのがサキさんだとしたら、チノちゃんはある意味「お母さんに救われた」と考えることもできます。当時のサキさんにそんな意図は全くなかったと思いますが、偶然にせよ、ココチノの出会いは「一人のまほうつかい」が紡いだものでした。

チノちゃんが今、笑えているのは、紛れもなくサキさんがいたからです。サキさん自身も、ココアちゃんには感謝していると思うんですよね。

「ありがとう」という言葉がどこからか聞こえてくる気がします。もちろん、それはココアちゃんだけじゃなく、今もどこからかチノちゃんのことをきっと見ている「まほうつかい」の声。

■ 以前よりも遠慮がなくなってきたフユちゃんと神沙姉妹、そしてココチノの変化

今回のお話はココアちゃんを取り巻く人間関係の変化も良かったです。まず一人目はフユちゃん。

ビンタでココアちゃんを起こすって、随分と思い切りましたよね(笑)。緊急性の高い状況だったとはいえ、今までのフユちゃんだったらこんなことは絶対できなかったと思います。「わーっ!!」の前に、短い「わ…」という躊躇いがあるのがポイント。内気なフユちゃんがこの暴挙に及ぶのは相当の覚悟が必要だったのでしょう。

単なる同じ学校の先輩というだけでなく、都会の外に出る勇気をくれた恩人のココアちゃんに張り手を繰り出すことができるようになったあたり、フユちゃんも遠慮がなくなってきましたね。

遠慮がないといえば、神沙姉妹も積極的になってきたと思います。マヤメグの二人が神沙姉妹の外面を暴くお話や、フユちゃんとの距離が縮まったお泊まり会などのエピソードを経て、神沙姉妹も周囲の人に心を開くようになりました。ココアちゃんの両側からひょっこり現れるシーンなんかはマヤメグの二人に似てきた気がします。

そして今回一番びっくりしたのは、ココアちゃんがチノちゃんに対して嫉妬の感情を向けたこと。

僕以外にもこのシーンでハッとした方は多いんじゃないでしょうか。今までのココアちゃんは、チノちゃんの良きお姉ちゃんであろうと努力してきました。それは年上らしい振る舞いを意識することであると同時に、自身の弱い部分をチノちゃんに見せないようにすることでもあります。寝坊したり仕事をサボったりすることは多々ありますが、嫉妬のような子供っぽい感情を表に出すのは多分これが初めて。

ココチノの関係も、これからまた少し変化していきそうですね。ココアちゃんの中で、チノちゃんはもう守るべき年下の女の子ではなく、年の近い一人の友達になってきたのかもしれません。

■ 保登家のお母さんの名前は「ちょこ」?

ココアちゃんの家族は四兄弟です。これは今まで作中で語られてきたことではありますが、真ん中の男兄弟二人の名前は分かっていませんでした。それが今回「ケイ」と「イツキ」であることが判明しましたね。

男兄弟の名前だけでなく、今回はなんと保登家お母さんの名前らしきものも出てきました。

「ちょこちゃん」。これが本名なのか、はたまたサキさんが普段呼んでいたあだ名であるのかは不明です。ちょこ、は本名でも十分通りますし、千代子のような名前を呼びやすく変えたものである可能性もあります。チョコレートが元々は飲み物だったことを考えると、チョコにちなんで、本名はやはりちょこなのかもしれません。ごちうさのキャラクターは名前がすべてコーヒーや紅茶に由来しますからね。

いずれにせよ、今後の展開に注目したいところです。チョコレートの歴史については下記サイトを参照。

■ ココアちゃんの想い

最後になりますが、このシーンのココアちゃんは一体何を想っていたんだろう。

観光で木組みの街にやってきた女の子と意気投合し、すっかり楽しそうなチノちゃんの様子を、後ろから眺めるシーンですね。チノちゃんの成長を純粋に喜んでいるようにも見えますが、表情に少し寂しさが滲んでいる気もします。

これに関しては絶対的に正しい答えはないと思うので、それぞれが自分の感じ取るものを大事にしてください。寂しさがもし滲んでいるとしたら、それはココアちゃんが街を出るからでしょう。前回のお話で、ココアちゃんは卒業後に都会へパンの修行に行くことが明らかになりましたね。

どれくらいの期間、パン修行に出るのかはまだ分かりませんが、離れている間チノちゃんの顔を見ることができないのは確かです。誰よりも近くでチノちゃんの成長を見守っていた時間が、終わろうとしています。

別れの時は、今この瞬間にも、確実に近づいてきているのです。

しかし、気持ちの切り替えが早いのはココアちゃんの良いところ。やっぱりこのシーンは、純粋に喜びが100%を占めている気もします。あなたは、どう思いますか?

■ おわりに

さて今回は、物語の根幹に関わる重要な謎や、ココアちゃんを巡る人間関係の変化が描かれた回でした。いかがでしたか?

ここでご紹介したものは、あくまで個人の解釈です。本記事を手がかりに、みなさんも自分なりの考えや解釈を広げてみてください。

またね!

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