【リプレイ】『あやかし』3回目
この文は「ローグライクハーフ」の公式シナリオ『あやかし』(作:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 協力:カワラベ)のリプレイです。
前回↓
最初↓
基本ルール ↓
シナリオ↓
元になった配信
水光 あんみつさん
手繰手 仁さん
◇◆◇
デイビッド レベル16
技量点1 生命点10 魔術点8 従者点1 保留0
手1:軽い武器(斬撃) 手2:ランタン 鎧:革鎧
特殊技能:【武具創造】【炎球】【友情】
持ち物(MAX10):①宝石(金貨18枚)、②宝石(金貨15枚)、③指輪(金貨1枚)、④ 治療のポーション、⑤貫きの石弾(5個)、⑥宝石(金貨25枚)、⑦漢方の秘薬、⑧毒消し
金貨40 食料2
敵を燃やすのが生きがいの魔術師。ストーキングされたりトイレを覗かれたりと散々。
従者:物(雲外鏡)
デイビッドの従者。「物」という雑な名前をつけられ、「物は喋るな」と言われても健気に付き従う。
フリースク レベル15
技量点1 生命点8 器用点6 従者点2 保留0
手1、手2:弓矢 鎧:革鎧
特殊技能:【察知】【宝物の獲得】【全力射撃】
持ち物(MAX8):①両手武器(打撃)、②ランタン、③金貨100枚、④毒消し、⑤毒消し、⑥天狗の羽団扇(3/3回分)
金貨136 食料2
比較的常識人の冒険者。ドールに舐められている。
従者:タチアニャ(太刀持ち)
フリースクの従者で太刀持ち。見た目以上に行動が子供っぽい。
シトリー(ウォー・ドール)
フリースクの従者の戦闘用ドール。起動前はタチアニャが大事そうに抱えていたが、起動後は成人女性ほどの大きさになった。
◇◆◇
前回までのあらすじ(2回目を終えて)
フリースクはドールを起動した。
物のアドバイスで薬を買ったが、物は喋ったことで地面に叩きつけられた。
ストーカー妖怪・輪入道をデイビッドがボコボコにした。
加牟波理入道にトイレを覗かれたが撃退した。
その際に攻撃を外したり転んだりしたフリースクは、起動したドールに舐められている。
殺生石を破壊した。
白蔵主の呪文の効果で「堂々としていればそういうものだと思われる」ようになった。
この状態で玉藻前を討ちにいく。
◇◆◇
白蔵主は全員に術をかけたあと、帝の宮殿には玉藻前に操られている人間の兵士がいることを教えてくれる。
「そうか。なら……燃やすか」
「「待て待て」」
フリースクと白蔵主に止められた。
「そこに雲外鏡がいるだろう。その力を使えば玉藻前の正体を暴くことができるじゃろう」
「物か。……燃やすか」
デイビッドは物を片手で掴んで魔力を練り始める。
「なんでー!?」
物はジタバタ暴れるが逃げられない。フリースクがなんとかデイビッドを説得して、物は燃やされずに済んだ。
①出目26 地蔵
白蔵主の寺院を出て歩き出すと、デイビッドは道端に石の像が2つ並んでいるのに気づいた。ラドリド大陸では見かけないものだ。気になって近寄る。
「おじぞうさまだね。もくてきを たっせいできるように、おいのりしたら いいとおもうよ!」
物の言葉に、2人はそういうものなのかと手を組み祈りを捧げる。
(手がかりを1つ手に入れました)
②出目42 応声虫
地蔵から少し離れたところには木が数本生えていた。今後の作戦を話しながら木々の近くを通っていると、突然、フリースクの顔(より正確には口)に何かが降ってきた。ちょうど話すために口を開けていたフリースクは、思わずそれを飲み込んでしまう。
「……ごくん。……なんだ? 今何か……」
「どうした?」
「デイビッド! 燃やすしか能のないやつ!」
いきなり、フリースクの腹から声がした。
「あ?」
「違う! 今のはオレじゃな──かかってこいよ!! ──なんだこれは!?」
「おうせいちゅうかも!」
デイビッドの頭の上から、物が叫んだ。オウセイチュウ??
「おなかのなかで、かってにしゃべる むしだよ! かんぽーのひやくで おいだせるかも!」
「漢方の秘薬……あれか」
デイビッドがカバンを漁る。その間もフリースクの腹はやかましい。
「へいへいへい! どうしたあ? こいよデイビッドぉ!! びびってんのかあ!?」
デイビッドは無言で秘薬をフリースクの口にねじ込んだ。
フリースクは少し離れた場所で吐いた。その吐瀉物はキラキラと虹色に輝いていたという……。
「はあ……はあ……悪かった……」
「マスターはもう一度、先程の地蔵に祈りを捧げた方がよいのではないですか?」
シトリーにジト目で見られ、フリースクは何も言い返せなかった。
(応声虫を体内に宿すまでの流れは東洋 夏さんのリプレイをパクっ……参考にしました)
③出目32 火事
「火事だ!!!」
家が燃えている。フリースクは思わずデイビッドの方を見る。デイビッドは視線に気づき、「てへっ☆」と舌を出した。
「やったのか!? お前、やったのか!?(ひそひそ)」
デイビッドは舌を出したまま何も言わない。
そういえばここは、前回【炎球】で吹っ飛ばしたトイレの近くだ……。
「……ん?」
ちょいちょい、とタチアニャが袖を引っぱる。その手には団扇。
「これで扇げって? まあたしかに魔力は感じるが……逆に燃え広がったりしないよな……?」
フリースクが団扇で扇ぐと強い風が吹き、火は消えた。
「マジで消えるのか……」
燃えていた家の主人がフリースクに礼を言い、10枚の金貨を渡す。さらに主人は、よほど感激したのだろう、大きな宝石までくれた。フリースクはデイビッドが犯人かもしれないことを隠してそれらを受け取る。
燃えていた家から、ニワトリに似た何かが飛び去るのに気づいたのはシトリーだけだった。
④中間イベント
宮殿を守る兵士たちの詰所の横を通る。そこには兵士長だけが、ボーッと突っ立っている。フリースクは、彼に何か妖怪が取り憑いているのかもしれないと思った。
横を見ると、デイビッドが何やらコソコソしている。フードで顔を隠し、ササッと詰所の横を通り過ぎる。フリースクも「白蔵主の術があるから堂々とすればいいのに」と思いながら取り敢えず追いかけた。
「なんでコソコソしてるんだ?」
「だってあいつ、ポリスだろ!?(ひそひそ)」
先程の火事が自分のせいかもしれないと思っての行動らしい。
原因があの場にいたニワトリに似た何かであることを知っているのはシトリーだけだ。
一行はこっそりと歩き出した。
⑤出目22 ねこまた
道の真ん中で、しっぽがふたまたに分かれた猫がくつろいでいる。
タチアニャが真っ先に興味を示す。フリースクもしゃがんで指を出してみた。
猫がフリースクの方に寄ってくる。そして指の匂いを嗅ぎ、ぺろっと舐めた。
デイビッドも近づくが、その瞬間に猫は逃げ出した。
「猫にもお前が危険な存在だと分かるんだな」
「……」
⑥出目62 鵺
近くの家から人が出てくる。
「あああ、どうしたら……はっ! あんたたち、腕が立つだろう!? そうだと言ってくれ! 助けてほしいんだ……!」
「な、なんだあ!?」
話を聞くと、家の中に鵺という妖怪が入り込んでしまったらしい。そいつは家の中にあった酒を飲んでいるということで、なんとかしてほしいと言われた。
「燃やすか」
「家は燃やすなよ?」
先程まで家を燃やしたかもしれないと兵士長にびびっていたのに、もう元気になっている。ともかく、鵺がいるという部屋のふすまを開けた。
むわっと酒の匂いが広がる。
そこにいたのはサルの顔にタヌキの胴体、トラの手足でしっぽはヘビという、妖怪というよりはキメラのような何かだった。そいつがゆっくりとこちらを向く。
反応→【ワイロ】(エール酒の大瓶1回分)
「あん? なんだあ、見世物じゃねえぞ……」
こいつ、喋るのか……!
「酒……もっと持ってこい!」
「お前にやる酒はない!!」
【友情】を使用。反応→【敵対的(泥酔)】に変化
デイビッドの言葉に鵺は怒って襲ってくる。だが既にかなり酔っているようで、その足は遅い。
第0ラウンド
【炎球】 成功
【弓矢】 成功
鵺 生命点7→5
第1ラウンド
【防御ロール】 デイビッド クリティカル、失敗 フリースク成功、ファンブル
デイビッド生命点10→9
フリースク生命点8→7
炎と矢が命中し、鵺の勢いが僅かに落ちる。
鵺の攻撃を躱した2人は、しかし同じ方向に避けてしまった。2人はぶつかり、転び、折り重なって倒れた。
【攻撃ロール】 デイビッド ファンブル フリースク ファンブル
立ち上がり攻撃を仕掛けようとするも、なぜか今日は息が合わない。空振りしたデイビッドの肘がフリースクに当たった。
「マスターたちは毎回、コントをしなければならないのですか?」
シトリーはタチアニャを守りながら呆れている。
第2ラウンド
【防御ロール】 デイビッド クリティカル、失敗 フリースク成功、クリティカル
デイビッド生命点9→8
鵺の攻撃を避けたデイビッドは、勢い余って壁に激突した。
【攻撃ロール】 デイビッド成功 フリースク ファンブル
デイビッドのナイフが鵺を切り裂く。その横でフリースクが盛大にハンマーを空振りした。
第3ラウンド
【防御ロール】 デイビッド成功、クリティカル フリースク失敗、クリティカル
フリースク生命点7→6
【攻撃ロール】 デイビッド クリティカル、成功
鵺 生命点4→2 逃走
鵺の攻撃を避けようとしたフリースクの足元の床が、唐突に抜けた。フリースクは鵺の攻撃を一度食らったが、次の攻撃は武器で受け流した。
そこをデイビッドが狙う。2連撃を受けた鵺は逃げ出した。
「はあ……はあ……」
「助かったよ、ありがとう」
デイビッドは家主から宝石を受け取った。それをフリースクには見せないようにカバンにしまう。
「いやあ、たいしたことないですよ。はっはっは」
そう言ったフリースクの腹が鳴る。続けてデイビッドの腹も鳴った。
「おや……腹が減っているのか? どれ、今何か持ってこよう」
家主はそう言うと、おにぎりを2つ持ってきてくれた。
デイビッド生命点8→10
フリースク生命点6→8
⑦最終イベント
堂々と宮殿の門をくぐる。門番が顔を上げるが、軽く挨拶するとまた視線を戻した。
中に入って少し歩き、大広間に辿りつく。部屋の真ん中に美しい女性が立っているが、どす黒い妖気を纏っていることが分かる。
「何者じゃ! 兵士たちは何をしておる!!」
女性の声で白蔵主にかけられた術が解ける。5人の兵士が駆けつけ、武器を構える。
デイビッドが兵士たちをどう燃やすかと考えていると、頭の上から物がぴょんと飛び出した。
その頭の鏡に女性の姿を映すと、女性の変化の術が解け、彼女は恐るべき妖狐の姿になる。
「な、なんだー!?」
「狐だー!?」
「どうなっている!?」
兵士たちは混乱している。
「やるぞ、デイビッド!」
戦闘が始まる。
第0ラウンド
【炎球】 ファンブル
【全力射撃】 成功
玉藻前 生命点6→5
フリースクの放った矢が玉藻前に命中した。
デイビッドは物の行動で兵士たちを燃やし損ねたため、物に八つ当たりをしている。
第1ラウンド
【炎球】 ファンブル
【攻撃ロール】 成功
玉藻前 生命点5→4
【防御ロール】 デイビッド失敗 フリースク成功
デイビッドは兵士に未練があるのか、戦闘に集中できていないようだ。攻撃は外し、玉藻前の爪を避けることもできなかった。
【対魔法ロール】 フリースク失敗
フリースクは玉藻前と目が合った瞬間 幻術にかかってしまい、デイビッドのことが玉藻前に見えてくる。
第2ラウンド
【炎球】 ファンブル
【攻撃ロール】 シトリー失敗、失敗
【防御ロール】 シトリー成功 デイビッド失敗、ファンブル
【対魔法ロール】 デイビッド成功
デイビッドの炎もシトリーのかぎ爪も玉藻前には当たらない。するりと躱されてしまう。
躱されてしまうだけでなく、玉藻前の攻撃もデイビッドは避けられない。さらにそこへ、デイビッドのことを玉藻前だと思っているフリースクが攻撃してくる。
デイビッドをハンマーで思いきり吹っ飛ばしたフリースクは、その瞬間に幻術が解けて現実に戻ってくる。
「いってえな!?」
「デイビッド!? ……おのれ、玉藻前め! 目を合わせるな、やつは幻術を使うぞ!!」
「もう遅いわ」
ぐっと距離を詰めた玉藻前がデイビッドの顔を覗き込む。目と目が合ったが、デイビッドは幻術に抵抗した。
近づいた玉藻前にナイフを振るが、これも避けられてしまう。
「ふうん。魔術師はかかりが悪い……」
第3ラウンド
【攻撃ロール】 デイビッド失敗 フリースク クリティカル、失敗 シトリー クリティカル、成功、成功
玉藻前はデイビッドに気を取られすぎた。
フリースクの攻撃を受けた玉藻前が2撃目を防いだ隙をつき、シトリーがかぎ爪で切り裂く。
「おのれ……!」
玉藻前はボロボロと崩れながらも、シトリーを切り裂こうとかぎ爪を伸ばす。だが、その体は吹き込んできた風によって飛散する。
シトリーは部屋の奥で自分と同じドールの気配を察知した。見つけたドールをフリースクに渡す。どことなく似た雰囲気のデザインなのは、もしや製作者が同じなのだろうか。
そこへ、逃げ出したはずの兵士たちがやってくる。
「ありがとう……と、言いたいところなんだが、その……。恩人にこんなことを言いたくはないが、帝の御所に武器を持って侵入し、暴れたということであなたたちを捕まえなければならない。……どうか、早くここを立ち去ってほしい」
そう言われては仕方がない。急いで御所を後にした。
大陸に戻る船へと乗り込む。デイビッドは物に一番大きな宝石を持たせた。
「お前はここで解雇だ」
「デイビッドさん……」
「え、なにそれ、退職金?」
見送りに来たカワウソの僧侶に物を渡す。
船が港を出る。異国での冒険は終わった。
◇◆◇
以上、配信を元にしたリプレイ文でした。
ぜひ、お2人の配信も見てみてください!
元になった配信
水光 あんみつさん
https://www.youtube.com/live/I7aqZVBvCjY?si=vVtH-aDVMSaJEJnh
手繰手 仁さん
https://www.youtube.com/live/-bHgYKsM7ak?si=xLi0QqRKegEk4ncJ
GMを担当しました、寝子でした。
次回↓
シナリオ・時期未定。
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