【リプレイ】『あやかし』1回目
この文は「ローグライクハーフ」の公式シナリオ『あやかし』(作：杉本＝ヨハネ 監修：紫隠ねこ 協力：カワラベ)のリプレイです。
前回↓
基本ルール ↓
シナリオ↓
元になった配信
水光 あんみつさん
手繰手 仁さん
◇◆◇
デイビッド レベル14
技量点1 生命点8 魔術点6 従者点0 保留3
手1：軽い武器(斬撃) 手2：ランタン 鎧：布鎧
特殊技能：【武具創造】【炎球】【友情】
持ち物(MAX8)：①宝石(金貨18枚)、②宝石(金貨15枚)、③指輪(金貨1枚)、④ 治療のポーション、⑤貫きの石弾
金貨59 食料2
敵を燃やすのが生きがいの魔術師。キラキラしたものが好きだが、金貨には興味がない。
フリースク レベル13
技量点1 生命点7 器用点6 従者点1 保留0
手1、手2：弓矢 鎧：革鎧
特殊技能：【察知】【宝物の獲得】【全力射撃】
持ち物(MAX7)：①両手武器(打撃)、②ランタン、③ウォー・ドール、④金貨100枚
金貨102 食料2
比較的常識人の冒険者。ようやく金貨が増えてきた。
従者：タチアニャ(太刀持ち)
フリースクの従者で太刀持ち。フリースクに溺愛されている。
◇◆◇
フリースクは黄昏の騎士とセグラスを倒した実力を買われ、とある依頼を受けていた。遠く海の向こうの島国で、化け物退治をするというものだ。
フリースクは「割のいい仕事があるんだ。化け物退治をするだけなんだが、行くよな？」とデイビッドを誘う。デイビッドは食い気味に「行く！！！」と答えた。相手が何であれ、燃やせるなら喜んでやろう。
そうして海を越えやって来た街で、かわうそに似た僧侶から憑物神なる妖怪を探せ、ただし街の妖怪には見境なく手を出すなと言われた2人は思った。話が違う……。
ただ敵を倒せばいいだけの簡単な仕事ではなかったのか。
だが、受けてしまったものは仕方がない。憑物神を探して歩き出した。
◇◆◇
①出目41 野襖
【幸運ロール】 失敗
歩き出してすぐ、デイビッドは目の前に見えない壁があるのを感じて立ち止まった。
「どうしたあ？」
フリースクも前に出たが、同じように見えない壁に阻まれてしまった。
「仕方がない……飲むか」
デイビッドはどこに隠し持っていたのか、酒を取り出して座り込んだ。
「お前それ、ポーションじゃないよな……？」
以前自分が「ポーションにもアルコールが入っているかもしれない」と言ったことを思い出して焦るフリースク。渡されたのは紛れもなく酒だった。前回宴で飲んだエールの残りだろうか。
進めないなら仕方がない。酒を飲み、少ししてから手を伸ばすと、そこにあったはずの見えない壁はなくなっていた。3人は気を取り直して歩き出す。
①出目12 鴨川河川敷(野襖の判定に失敗したのでまだ1枚目)
【器用ロール】 フリースク ファンブル、デイビッド成功
死体の少し甘い匂いと、血の匂いを感じ取ったデイビッドは、ふらりと河川敷に足を運ぶ。
そこに並ぶ多くの死体を見て、タチアニャは怯えていた。
デイビッドは立ち込める死の匂いにニヤリと笑う。
フリースクはこれだけの数の死体にも、そこに留まる霊の気配にも、まるで気づいていない。
3人は河川敷を後にした。
②出目31 豆腐小僧
【幸運ロール】 デイビッド クリティカル、フリースク成功
ふと、デイビッドは雨の気配を感じ取った。炎の天敵、雨。
サッと近くの軒下に入る。
フリースクとタチアニャも、不思議に思いながらそれに続く。
3人が軒下に入った途端、雨が激しく降り始めた。フリースクは驚いてデイビッドを見る。
「お前……分かってたのか？」
「まあな」
雨はすぐにやんだ。3人はまた歩き始める。
オンボロの傘を頭に被った小僧が、下駄の音を立てながら楽しげに歩いていったのに気づいたのはタチアニャだけだった。
③出目63→【察知】クリティカル→21 座敷わらし
通りかかった家の庭に、可愛らしい女の子が立っている。彼女はニコニコとこちらを見ている。
反応→【中立】
同年代の女の子は珍しいのだろう。タチアニャが女の子の傍に駆け寄った。そして女の子の周りをウロチョロする。女の子は困惑している。
「ほら、タチアニャ。困らせちゃいけません。行くぞ？」
フリースクがお父さんモードになった。タチアニャは女の子に手を振って、歩き出したフリースクの後に続く。
(※もしここでGMがデイビッドさんに【友情】を使うか聞いていたら、反応が変化していたかもしれません。忘れていました。……デイビッドさんの【友情】って、圧だったな……使わなくて正解だった可能性……？)
④中間イベント
かわうその僧侶に教えられた場所に辿りついた。
誰かいるかと声をかけたが反応がない。
「どうする？ 入っちまうか？」
「そうだな」
家に入り、客間まで来た。そこには古びた道具が集まり、喋り、動いていた。
「そこな人間よ！ 我らが縄張りに足を踏み入れるな！」
〈唐津大将〉と名乗ったその憑物神は唐津ものの陶器でできた肉体を持ち、木刀と寄せ集めの甲冑で武装していた。勝手に入ったからだろう、ひどく怒った様子で武器を振り回している。
(レベル：4 生命点：8 攻撃回数：2)
第0ラウンド
【炎球】 成功
【弓矢】 成功
唐津大将 生命点8→2
デイビッドは室内(しかも木造)だというのに【炎球】を放つ。炎は見事命中し、唐津大将だけを燃やした。
その横でフリースクが放った矢は、甲冑の隙間を縫って唐津大将に突き刺さった。
2人はお互いに「あいつ、やるな……！」と思った。
第1ラウンド
【攻撃ロール】 デイビッド ファンブル、フリースク成功
唐津大将 生命点6→5
【防御ロール】 デイビッド クリティカル、フリースク成功
第2ラウンド
【攻撃ロール】 デイビッド 成功
唐津大将 生命点5→4
デイビッドのナイフは当たりはしたものの、甲冑に弾かれてしまう。
フリースクのハンマーを受けた唐津大将はさすがによろめいたが、踏みとどまって突進してきた。だが、2人の攻撃が効いているのだろう。その動きは遅い。
「止まって見えるな！」
デイビッドは唐津大将の動きを完全に見切って避けた。フリースクも難なく躱す。
デイビッドは唐津大将の意識がフリースクに向いたのを感じ、死角からナイフで切りつける。
「関節部分が甘いんだろ……！」
その攻撃を受けた唐津大将は、膝を地面につく。唐津大将の体から、黒い霧のようなものが抜けていくのが見えた。何かに操られていたのかもしれない。
「参った、降参だ。……すまなかった、玉藻前の妖力に当てられていたようだ」
デイビッドは唐津大将の話を聞き流しながら部屋を見回す。そして、キラリと何かが光ったのを見逃さなかった。
小さな宝石を拾い、すっとカバンにしまった。フリースクに見つかったら売られてしまうだろう。カバンはコレクションでパンパンだが、全て売るつもりはない。なんとしてもバレないようにしなければ。
唐津大将によると、他にも同じように正気を失った憑物神がいるらしい。場所を教えてもらい、そこに向かうことにした。
⑤出目23 八咫烏
唐津大将の屋敷を出ると、1羽のカラスがこちらを見ていた。なんとその足は3本ある。
タチアニャが興味津々で近寄り、カラスの周りをウロチョロする。こいつ今日、落ちつきないなとフリースクは思った。
神聖な気配を感じ取ったフリースクは、デイビッドがこのカラスを焼き鳥にするとか言い出すのではないかと焦ったが、特にそのようなことはなかった。タチアニャがウロチョロしているから躊躇したのかもしれない。
反応→【友好的】
カラスが口を開く。
「従者大切にしてるね。偉いね」
カラスが喋った！
タチアニャは驚いて距離をとった。カラスはそれだけ言うと飛び去った。
⑥最終イベント
唐津大将に教えられた建物は、意外にもすぐそこだった。ほんの少し歩いただけで辿りついたが、荒れていて、気配が死んでいる。本当にここなのだろうか？
取り敢えず中に入る。廊下を歩き、襖を開ける。広い居間の真ん中に、こちらに背を向けて何やら叫びながら恋文を書いている女性の姿が見えた。噂の文車妖妃だろう。
「いとしぃぃいいいひとぉぉおおおおお！！！」
第0ラウンド
【炎球】 成功
【全力射撃】 クリティカル、クリティカル、成功
文車妖妃 生命点6→2
デイビッドの【炎球】で文が燃えたことで、文車妖妃がこちらを向く。そこに。
「教育に悪い！！！」
タチアニャの情操教育によくないと思ったフリースクがまとめて放った3本の矢が、全て命中した。文車妖妃の体から黒い霧が抜ける。
フリースクは正気に戻った文車妖妃から、礼として大きな宝石を受け取った。
◇◆◇
唐津大将の屋敷まで戻る。文車妖妃を正気に戻したことで、屋敷の憑物神たちはデイビッドとフリースクをキラキラした目で見つめる。
「強き者よ。汝に従おうぞ」
唐津大将が、4体の憑物神を紹介してくれた。提灯お化け、唐傘お化け、古空穂、雲外鏡。皆、やる気満々といった雰囲気だ。
フリースクは迷っていた。古空穂を連れていけば玉藻前との戦闘に役立つだろうが、そろそろドールを起動するべきなのではないか？
彼が迷っている横で、デイビッドが雲外鏡の体をむんずと掴んだ。まるで手鏡か虫眼鏡だ。
「はなしてー」
デイビッドは少し考え、手の中でジタバタと暴れる雲外鏡に告げる。
「よし、お前の名前は今から『物』だ」
「えー……わかった、よろしくね！」
「物は喋るな！」
「ええー」
「デイビッド、タチアニャの前で物をいじめるな。教育に悪い」
デイビッドは彼らの言葉を聞き流した。
◇◆◇
以上、配信を元にしたリプレイ文でした。
ぜひ、お2人の配信も見てみてください！
元になった配信
水光 あんみつさん
手繰手 仁さん
GMを担当しました、寝子でした。
次回↓
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