スモークパイ
究極のお菓子
わたしの煙のパイ
でも特別なコンビニで
特別ないつものお姉さんから買わなきゃだめで
うんと掃除してクタクタになったあと
クーと安いワインを飲む
その時にしか出来ない
最初にジャンルを選ぶ
アートかワークかファミリーかホビーかフード、その他
樹木の下で
どの枝にどれが実るか
一番分かるのは小さい頃
うんと下からだと全部見える
どれが好きかもすぐわかる
あれがいいな
その枝に遊ぶ可愛い鳥やけものも好み
うんしょ
うんしょ
でも小さいから
うまく登れない
上に行ってる人たちはうらやましいな
どすん
どすん
どうしてもうまくいかないよ
どうしてわたしだけ 大きくならないの?
枝葉を 幹を 天地と風を 雨を 他の生き物を
花を 自分の手指を 匂いを色を
よく観察する
だめならだめでそうする時間は山ほどあった
上から声がした
「いいじゃないか、おまえが赤んぼでも そう生まれついた
いいじゃないか、ヒトでないとしても
とりあえずまあ、上がっておいで」
登るのにとてつもない時間をかけてたけど 気がついた
そうしてるうち体もこころも強くなってて
鳥やけものもわたしをこわがらないようになってて
もうとっくに簡単に登れるのに
「できない」と決めつけていたことに
上がるとあった
いつものセブン
でもへんだな
いつものお姉さん
天女みたいにきれい いつものままなのに
「こんにちは😊」
「こんにちは😊センティアの86番ですよね?」
「はい、ふたつ。暑いねー」
「ほんとねー」
「気をつけてね帰り😊」
「いつもありがとうございます😊」
そうして掃除、クタクタのあと この安いワインと
このいつものスモークパイ
紅いわたしの電子の羅宇で
ひかりのなかに煙のお菓子
死ぬのはへいき こわくはない
でももう少し
ここにいさせてね
わたしをヒトではないと見抜いた優しいひとが
帰ってくる
一緒に遊んで笑いたいから
「おまえもう、分かってるんだろ? 合格だってよ。おめでとう。今後はおまえが決めていいってよ」トカゲが枝の上に仰向けに寝そべって こっちも見ずに言った
「ウンもう決めた」
「いつもながら決断早い奴だ。ここまでくるのに半世紀もかかったのにな。
もうオーダー通ってる。下戻って遊んできていいってよ。ホレ旦那戻ってるぜ」
ねえ
好きになってもらうやり方 思い出したわ、ダーリン
小さい時
パパはわたしをとっても好きだった
それはわたし「が」パパを大好きだったから
大人って愛の乞食だったの 子どもに貰うしかなかったの
わすれてたわ
ダーリンあなたが思い出させてくれた
ほらたくさん実が取れたよ❗️あげるね
一緒にニコチンいりの
電気のスモークパイであまいけむりを浮かべよう
それから何して遊ぼうか
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