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Rumbling body

ぱちり。ハーイおはよう。Come stai?



目覚めて最初にするのは旦那さんの写真にキスすること。イコールすぐにっこりしちゃうこと。それは私の昨夜の些細な悪行や悪夢やを瞬時にあぶり出す。
ベッドから抜け出ると、頭ではなく体で考えながら反省笑。
片付け、お掃除、ハイ始め。それはそのまま私のエクササイズにもなっている。



柄の長いモップやワイパーは、まず腰を中心にして体に添うように使う。柄の端は片手のひらでカバーすること。何故かって?そう教わったし、やればすぐにその意味は分かる。



毎朝、思い出す。初めてそうした時のように。師匠の完璧な、舞のように美しい動きに感嘆した初日。毎朝、あの朝に私は戻る。最初から、基本をやる。
そうして動きながら、動作や疲れ具合に応じて作業する。



先にやることなどを頭に浮かべるのはあまりしない。心がお留守になって、今やってることをおろそかにすれば?ピアノだったら指使いを忘れてはたかれるし、車の運転なら即、事故のもと。
私たちは現在にのみ生存を許される存在で、素晴らしい過去や未来に行きたいなら今いる場所を起点・基点にするほかない。



右手左手、右足左足。均等に使う。仕事上そうするのが早かったのもあるが、会ったことのない母方の曽祖父をそうすることで思い出す。
曽祖父は旧国鉄の職員だったが、列車の連結の際事故で左腕を失った。それから僧侶となり寺を興した。食道がんで亡くなったが、最後まで自分のことはすべて自分で、右手だけで成したそうだ。とても静かで、優しい人だったという。たしか了澄という名前だった。



愛用のワイパーちゃん(マックスって名前)をねぎらい、ゴミたちをねぎらう。
ごみやちりの7割は、人の体から出た埃。だから私は彼らにいつも言う。
さあ、皆さんVIPルームへどうぞ。ゴミ箱(ママって名前)は頑張ってつとめてくれた細胞たちのそういうお部屋ってことに私はしている。するとお掃除が楽しくなる。愛おしくなる。



「このしずかなちりこそは、紳士に淑女、若衆にむすめ、その笑い、ちから、ため息、おとめらの服、巻き毛。」
(エミリー・ディッキンソン)


「けれども、ああ、わたしがぬぐい去る、このちりは、花や王たち、ソロモンの寺、詩人、ニネヴェなのだ……」(ヴァイオラ・メネル)


ね?
なんて実際的でロマンチックでファンタジックでノスタルジックなお仕事なの、お掃除って。


掃除片付けは準備運動だ。
次は生けている花たちのせわをする。どの子もみんな可愛い。最後まで元気に保ってあげたい。見るたび嬉しくなるから。
そうしてから、小さな神棚に水とともに捧げ、ぺこりと一日のご挨拶。


おはようございます。私もT兄も、今日も無事生きられてます。ありがとうございます。
私、自分の中の荒ぶる自分を好きになる。今日はそんなことやってみようと思うんです。
頑張りますのでお力添えを。
あと、神さま働きすぎ禁止ね。休んでくださいよ?それじゃ^_^


これがお祈りかどうかは分からないけど。


動きながら感じてみる。どこか痛みがある?あるとすればそれは、体や心を間違ったふうに使っていることを教えてくれている。


痛むのを、サイズや形も間違ってないのに服のせいにしたり、年のせいにしたりするのではない。間違った姿勢を続けてなかったか。やりすぎなかったか。
口の中に痛みがあれば、多分悪い言葉でも口走ったか、心に思ったりしたせいだ。
動きながら謝って、正してゆく。


トイレの掃除をしていたら、
「アレッ?痛みが消えてる」
トイレの神さま(日本では瀬織津姫と言われている)にお礼を言う。


朝ごひんは何にしましょう。
新米、おすまし汁、めかぶと納豆。
体の細胞がぷちぷち音を立てるように喜ぶ。美味しい❗️
今日はのんびりしようね。

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