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次代へと受け継がれるプリズムのきらめきーー「プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2021」

12月5日にプリティーシリーズのライブイベント「プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2021」が開催されました。
毎年12月の恒例イベントとなっていますが、今年は告知が10月に入ってからということで本当に強行軍となり、見に行くためにあらゆるものを犠牲にしなければならない状態になりましたが、無事に見に行く事ができたので今回もライブレポと言う形で一年間の努力を書き残しておきます。
配信がある? 毎年ウィンターライブだけは行くって決めてるから。配信があっても行くんですよ。

プリチャンからプリマジへ

今回のウィンターライブは、明確に「バトンタッチ」に比重が置かれていたかと思います。
プリティーシリーズとしても『キラッとプリ☆チャン』が一旦展開が終了し、10月からは『ワッチャプリマジ!』の展開が始まっているので、「今回のウィンターライブがバトンタッチのイベント」「シリーズの次の10年の始まりになる」というのは、事前に予想出来ていたことでもありますが、ライブ演出においても中央に据えてきた点は驚きました。

「ウィンターライブ」自体が『プリパラ』二年目から始まったイベントなので、作品そのもののバトンタッチは『アイドルタイム・プリパラ』から『キラッとプリ☆チャン』だけなのですが、『プリ☆チャン』初年度の「ウィンターライブ」は『プリパラ』と『プリ☆チャン』の二枚看板のような仕立て方だったんですよね。
「『プリ☆チャン』に本格的に移行した」と感じられたのは二年目からで、「徐々に次作へと移行していく」と言った印象だったのですが、今年はもう「バトンタッチ」というところを大事に演出している。
特に物販グッズ紹介コーナーで、『プリ☆チャン』の桃山みらい役林鼓子さんが「やってみなくちゃ分からない!分からなかったらやってみよう!」をシリーズを包括するようなセリフとして発した後、そのセリフを受けて「本気でやってみる」と『ワッチャプリマジ!』の陽比野まつり役廣瀬千夏が魔法陣から登場する演出はバトンタッチ要素が効いていて、よかったと思います。

最期の挨拶で林鼓子さんが「プリズムのきらめき」について触れてくれたのもよかったですね。
プリティーリズムからプリパラへ、プリパラからプリ☆チャンへと受け継がれてきたものが『ワッチャプリマジ!』に受け継がれていく。
そういうバトンの継承が「シリーズらしさ」みたいなものに繋がっていくんじゃないかなと思いました。

最近聞けなかった曲多め

今回はいつも出演してくれている茜屋日海夏・芹澤優・牧野由依・伊達朱里紗が別仕事で不在で、『ワッチャプリマジ!』の弥生ひな役内田彩も別の仕事の関係で出演されなかったんですが、代わりに最近のライブでは聞けないようなものが聞けてよかったですね。
特に黒川すず、白玉みかん、ガァルルはユニットとしての出番が多く、「リングマリィやガァルマゲドンでは見てるけど、ソロ曲はここ最近聞いてない」といった感じだったので、「キューティ・ブレイキン」「ピュアリ☆スマイリィ」「0-week-old」が聞けたのは良かったです。

また二年ぶりぐらいの出演となるガァララ役の黒沢ともよですが、何度見ても「役への入り込み方」が凄かったですね。
基本的にプリティーシリーズのライブって「公演時間が二時間程度」なので、その短い時間の中にたくさんの楽曲をギュッと詰め込む。トークとかもないんですけど、黒沢ともよは動きの一つ一つの中にガァララを入れてくる。「キャラクターがやりそう」じゃなくて「本編でやってた気がする」まで来ていて、見ていて楽しかったです。ただそろそろ華園しゅうか様とガァララのデュオ曲とか、せっかく「エヴァーゴールド」というユニットを結成したので、その辺で一曲ほしいですね(今回も一曲しか歌ってない)。
セットリストの面では幸多みちるの「GOスト♭コースター」からおしゃまトリックスの「いたずらカーニバル!!」に繋いだ流れがユニークでした。
どちらも「おばけ」繋がりなのですが、こういう繋ぎ方が出来るのは合同だからこそで面白かったですね。

そして登場すると毎回観客に別のスイッチが入る男プリ(男子プリパラ)ですが、今回はアサヒ・コヨイの「ザ・マジックアワー」とWITHで「スーパー・ダーリン」、ダークナイトメアが「DARKNESS SOUL」を披露。
男プリ勢は毎回ストレートに格好いいものを見せてくれる上、パフォーマンスが男子だからこそのもので凄く楽しいんですが、今回も素晴らしかったですね。
特にダークナイトメアは出演回数を重ねるたびにパワーアップしている気が……。
今回も記憶の中のダークナイトメアよりも100倍格好良かったです。

プリマジと香田澄あまり

今回一番楽しみにしていたのは『アイドルランド・プリパラ』の香田澄あまり役の飯田里穂さんと、『ワッチャプリマジ!』の陽比野まつり役の廣瀬千夏さん、甘瓜みるき役の相良茉優さん、漆黒の明星氏もとい心愛れもん役の鈴木杏奈さんでした。
『アイドルランド・プリパラ』も『ワッチャプリマジ!』もシリーズ的には最新作ですし、今回初出演なので「どういうパフォーマンスを見せてくれるのだろう」とワクワクするじゃないですか。
とても楽しみにしていたのですが、結論から言えばどちらも素晴らしかったです。
香田澄あまりの「カオティック・ハリケーン」は、「やりたいけど出来ない。でもやりたい」という気持ちを周囲に叩きつけるような歌だったんですが、ライブだと少しセクシーな感じ(「大人びた」かもしれない)の動き。「観客の目を引き寄せる」という意味でのハリケーンという解釈とすると、非常にライブ映えする解釈だなぁと感じました。良かったです。

『プリマジ!』も今回が初ライブですが、端的に言って最高でした。
フルで聞くと印象が変わる楽曲が多いのですが、今回は特に二番以降に昨今の流行を取り入れた部分が多く見られるため、楽曲も含めて好きな人間としては「初めてフルで聞いたのがこのライブで良かった」と思いました。

陽比野まつり役の廣瀬千夏さんの「マジ・ワッチャパレード」は、『ワッチャプリマジ!』のトップバッター。
作中でも行われているコール&レスポンスを再現してからの登場には「プリマジのライブに来ている!」という気持ちが一気に出来上がって、ステージに現れた廣瀬千夏さんが「陽比野まつり」に見えましたね。
ライブパフォーマンスも「マジ・ワッチャパレード」は元々ダンスでも歌でもなくて、「陽比野まつり」というキャラクターで魅せるものなので、安定感のある歌声と伸び伸びとした廣瀬さんのパフォーマンスは「陽比野まつりのライブ」を上手く表現されていたかと思います。

続いて登場した甘瓜みるき(相良茉優)の「イワナイ」は、「自分が『かわいい』と思われる事」に本気のみるきらしい甘い楽曲。
サビの静かにクライマックスに向かっていく感じとか元々好きなんですけど、最近のK-POPの文脈も入ってくる二番以降はライブだと「そうきたか!」という仕掛けの面白さと、ステージ上で全方位に自分の可愛さをアピールする相良茉優さんのみるきの演技が同時にくるので滅茶苦茶テンションが上りました。
アニメだとカメラの向こう側にいる観客にアピールしているところを、こういうパフォーマンスにするのかという気付きもあって楽しかったです(あと思ったより難しいダンスになっていて、特に下半身の動きに関してはライブで見たことで「本気」な甘瓜みるきが感じられてよかったです)。

心愛れもん役の鈴木杏奈さんも最高でした。
ライブ前週にライブデビューしたことを受けて「鈴木杏奈が心愛れもんとしてもステージに立つ」とアナウンスされてから楽しみにしていたんですが、「こんな世界に告ぐ」はライブで見ても凄かった。
久しぶりに「これで発声禁止とか拷問じゃないの?」と思ってしまうぐらいの力強いパフォーマンス。二番以降により顕著化するAdoと「うっせぇわ」の文脈。「ござる」口調での面白さの混ざった煽り。
どれをとっても圧倒的で、「これは見ておきたい」という気持ちを作って見に行った私にとって、「こんな世界に告ぐ」のパフォーマンスは期待を遥かに超えるものでした。
どちらかと言えば歌メインで見せる心愛れもんのライブですが、これは実際にライブで、それも現地で見る価値があったと思います。

その他の見どころ

その他の見どころとしては、ゴーゴーマスコッツのトーク部分で「今年を振り返ってどうだった?」という話になった時にラビリィ役の田中美海さんが「今年はいっぱいライブが出来て、とっても楽しかったラビ」と言ったのが印象に残ってますね。
私が見ただけでも、田中美海さんは二ヶ月に一回以上のペースでライブでしたからね……。

あとは最期の挨拶で、漆黒の明星氏がござる口調で挨拶をしたところ、ダークナイトメアのウシミツがござる仲間としてソワソワしてたりとか、まつりとして挨拶している中でみゃむの存在を忘れていない廣瀬千夏さんとか、ファルルをソルルと聞き間違えて挨拶しかけた斎賀みつきさんとか、佐々木李子さんの「ウェーブが見たいです!」を受けて自分の体でウェーブを表現して黒沢ともよさんに笑われてる澁谷梓希さんとか、『プリティーオールフレンズ』で二人で指輪をしているリングマリィを見せられた時の林鼓子さんのオタクへの変貌っぷりとか、それを見て「そういうところだぞ!」と言い出す久保田未夢さんとか、クリスマスツリーシルクちゃんという新シルクちゃんを考案する厚木那奈美さんとか、最期の楽曲のときにDJ経験を生かして客を滅茶苦茶に煽ってくる澁谷梓希さんとか、いきなり漫才を始めるWITHとかありますが、やっぱり一番強く印象に残っているのは最期の「Make it!」のフリを完コピしている相良茉優。
「可愛く見られる事には本気の甘瓜みるきならやりかねない」というのもあって、滅茶苦茶面白かったです。

結びに

プリティーシリーズは今年で10周年を迎え、10月には新作となる『ワッチャプリマジ!』の展開が開始しました。
『ワッチャプリマジ!』は「一人一人に本気になるものがある」「本気になっているからかっこいい」というテーマが伝わってくるような作品になっているのですが、今回のウィンターライブも参加した人達全員の「本気」が輝いていたライブだったと思います。
これを1クール目の段階で見れるのは幸せなことですね。だってここからもっともっと「本気」が増えていくわけですから。
『ワッチャプリマジ!』の来年以降の展開も楽しみですし!『アイドルランド・プリパラ』の二話も来ますし!
またこういう場所に戻ってこれると、そしてその時は声が出せる状況になってるといいですね。



プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。