見出し画像

【詩のようなもの6編】終点の先へ

【終点の先へ】

何処が終点か誰も知らない
意味を求めず走り始めて
人が変わり路が続くのは
心の置き場所が生まれて
見たい未来がまだここじゃないと
記憶の残り香が呼んでいるから
再び旅に出よう
遠く鳴る汽笛に合わせて
終点と思ってた場所から
その先へ逃げてしまえばいいよ

【型を変える日】

雑音と憎悪に負けそう
落胆に寄せる肩はなく
泣き方一つ型に嵌る 

戦い方も逃げ方も忘れ
布団の形した沼に沈み
ダウングレードの連続

何かに打ち込んで見失なう互換性
道具を手放して簡略化する機能性

いい加減にしてくれよ
この前も同じこと言って
コストもリスクも測り終え
散々辟易したはずだろう

なぜこうも上手くいかず
何もしたくなくなり
中途半端な道へ向かうのだろう

悪報=吉報=悲報
元からその図式なのは
誰もがすぐ気づく

身の丈知らない木偶の坊は
悪夢のような今日に
また型を変え口角を上げてみる

【ノスタルジーボム】

色とりどり 彩り
続く灯火が揺らぎ
涙を欲するあなたに滴る
ノスタルジーボム

痛みと哀しみを祝砲に装填
青空に飛び交う鳥のような
カラフルな煙と懐かしい記憶

飛沫をあげて満たす
ノスタルジーボム

頭の片隅に残る開かずの間
ノックするノスタルジーボム

色とりどり 彩り
続く灯火が揺らぎ
涙を欲するあなたに滴る
ノスタルジーボム

【待ち合わせ】

待っててよ必ず追いつくから
待ち合わせの場所を忘れないように
輝いてるうちに花を生けとくから

結局のところ世界の全てを
旅することはできなかったけど
一緒に見た色んな景色で
二人しか知らない世界を作って
緩やかな陽と風と雲を
愛おしいと思えている現在

元気か?と聞かれたらどうだろう?
まだ先を歩かなきゃ行けないから
部屋の残り香を涙に変えて
花に落ちる日が終わったら
また手を繋ぎながら歩こう

【後味と設定】

生きるツールです
枠の大きさも生まれた地も
設定は僕が決めます
後味は君が感じ取って

得意なことを伸ばすか
好きなことに興じるか
それもまた出会い次第?

空白を散らかす君の言葉
重ねた設定が後から効いてくるまで
時の流れが与える後味に
今日も翻弄されています

【釈然】

虚心坦懐 
あなたを一言で表すならそう
あなたは釈然としないのかな

気取った歩き方しながら
いつだって迷いを抱えてる
そんな釈然としない矛盾
今日も生きてる

窓際で射す光
日焼けした本棚
まだ歴史は美しく浅ましく
時の流れに沿い
当たる角度は隔世の感

今日明日の予定
釈然としない世の常
薔薇の色 裾の濡れ
あなたの心 錘を解かし
街に潜む人の光

夜を忘れて埋没するあなたへの詩
あなたは釈然としないだろうけど
ポケットの中にそっと忍ばせといて


最後まで読んでくれてありがとうございました。