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幽霊と小舟

ちっちゃく歩く
先は長いけど
水平線へ

暮れるのが良いね
小舟で雲を揺らし
水面に背をくっつけて大欠伸

そのまま霧に包まれて
独り言で織り成す幽霊の祝宴

君もおいでよ
儚い祭りの後になる前に

小舟の端に残る小さな足跡
目が覚めなきゃきっと友達になれる

そこには見えない何かを受け取りながら
静謐な朝は日々の暮らしにひび割れて

枯れた花に挿し込む色
終わらない光と夢の乱反射が燦く

ちっちゃく歩く
幽霊のように
先のない未来へ