【詩のようなもの】 5月の浮雲 【過去詩】
【5月の浮雲】
5月の浮雲と共に泳ぐ
鯉のぼりと屋根の下
まばらに飛び交う解釈の違い
笑えない提言と狂言
裸になりたくなるような
固められた様式を纏いながら
窒息しそうな5月を泳ぐ
誰の願いも同じ
そう思いたいところだけど
そう思えない明瞭度の暗さ
夜を笑う人と鰻上りの時の人
捨てざる得なかった青春を
嘆き悲しむ人もいる中
僕は思ったよりも平穏な心で
今日を眺め流されている
5月の空は去年と変わらず
それでも何かが更に暗く
埋没する優しい言葉
5月の浮雲と共に泳ぐ
網、呑舟の魚を漏らし
開いた口が塞がらず解釈の違い
言うだけ野暮の進言と一家言
別人を演じられるような
使い古した構文を纏いながら
沈められた5月を泳ぐ
最後まで読んでくれてありがとうございました。
過去の詩のようなものから再掲した作品です。
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水宮 青