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てぃくる 847 錯覚

(キバナコスモス)


 足元に何もなければ、奈落の底に落ちるように錯覚する。
 だが、足下は変哲のないアスファルト路面であり、落ちたところで何が起こるわけでもない。

 足元が何の変哲もないアスファルト路面だとわかれば、そこには何の危険もないと錯覚する。
 だが、アスファルト路面は何をも受け入れるつもりはない。種子も花弁も無為に渇き果て、砕け散る運命にある。

 結局のところ、悲観も楽観も全て錯覚の素因となり、その錯覚が無数に積み重なって現実となる。


 では、問う。
 この世は錯覚か? そうではないのか?


色を得るか失うかして秋茜

(2021-10-23)


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