てぃくる 813 白い炎
赤々と燃え盛るから 炎であって
白い炎なんか あるわけがない
熱があるからこそ 炎であって
熱のない炎なんか あるわけがない
触れたものを焼き尽くすから 炎であって
触れられて壊れる炎なんか あるわけがない
揺らめいて形を変えるから 炎であって
同じ形のままの炎なんか あるわけがない
そうして いくつもの「あるわけがない」が並べられたから
僕は 炎でそれらを滅した
白く 熱のない 柔らかい 変わらない 炎で
滅した
カレエダタケ
おもしろい形をした華奢なきのこです。ホウキタケの仲間に似ているんですが、枝の先端が鶏のとさかのようになることで区別できます。確定はしていませんが、おそらく菌根菌だろうと言われています。
珍しいきのこではないんですが、サイズが小さく地味なのでほとんど顧みられることはありません。もちろん、食用に採取されることもありません。
いつの間にか現れ、小さく白い炎を揺らす彼ら。そして、炎はいつの間にか消えます。再びどこかで炎を立ち上げることを夢見て。
土に隠れるのです。
階に白炎の如夏陽舞う
(2021-07-25)
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